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63 騎士団長の息子はヒロインに命じる

久しぶりのヒロインさん


「和服なんてこの世界にあったのね」


アリスで着せ替えをして楽しんでから名残惜しくも帰えろうとすると後ろからその声が聞こえてきてげんなりする。


「何か用か?」

「ええ、すこしね」


相手はもちろんヒロイン様だ。何度か乙女ゲームの知識を頼らせて貰ってはいるが、あまり好きではないのでぞんざいな扱いになるのは仕方ない。


「要件なら手短に頼む」

「あなたどうやってあの和服を手にいれたの?」

「秘密のルート」

「そう、ならその秘密のルートで私の分も頼んでくれないかしら。ベリスを誘惑するのに使いたいから」

「隠しキャラとは順調そうみたいだな」


アリスから聞いた限りではなかなかいい関係を築けているようなのでそう言うとヒロインは苦笑して言った。


「あなたとお嬢様ほどではないわよ」

「それはそうだ。俺とアリスはラブラブだからな」


転生してから半年でアリスとの絆は確かなものになっていた。まるでダイヤモンドみたいに。いや、ダイヤモンドは正確には金槌で案外簡単には割れるそうだが、それでも比喩としては合っているので使いつづける。アリスに贈る結婚指輪もやっぱりダイヤモンドがいいか。結婚と言えばダイヤモンドの指輪というくらいだしね。まあ、今日結婚指輪すら大切にしない人が増えているくらいだから俺はしっかりとアリスとの結婚を大切にしないとね。


「その自信はいいけど、お嬢様が最近一人の時間に必ずあなたがあげたペンダントを眺めてうっとりしているのはなんとかならないの?」


どうやら予想より大きな効力を持っていたようだ。まさかそこまで大事にしてくれているとは。贈った甲斐があった。めちゃくちゃ恥ずかしい思いをしながら準備してよかったよ。ナルシストではないのであの贈り物だけはかなり恥ずかしかったが、電話という存在がない以上はいない時のための策も必要だろう。その辺のフォローも出来ないようではアリスの婚約者として相応しくないしね。うん、必要なことだから。


「まあ、それはいいとして最近乙女ゲームの気配はお前からみてどうだ?」

「今のところは大丈夫だと思うわよ。というか、私の知ってる情報はそこまで多くないからそろそろアテにされても困るわよ」

「使えるものは使わないといけないからな」

「はぁ・・・まあいいどね。私の方ではあまりそれらしい気配はないわよ」


ふむ・・・そうなるとしばらくは大丈夫か。ただでさえ面倒事が重なっているので、その辺はしっかりと把握しておきたいのだ。『プロメテウス』を含むいくつかの怪しい組織の暗躍に乙女ゲームの陰謀。正直色々ありすぎて面倒なのでこれ以上はごめんだ。俺はアリスとのイチャイチャな日常が欲しいだけなのだ。だからこれ以上の厄介事はないに越したことはない。強いて言えばお祖父様から押し付けられた子供達が少しだけ厄介だが今のところは害になりそうにないので大丈夫だろう。それに子供はそう遠くないうちにアリスと作る可能性が高いので接しかたを模索する必要もあるだろう。


「なら、いい。これからも俺がいない間はアリスのことを頼む。どうせお前とベリスはアリスとの結婚で我が家に来てもらうからな」

「そういえばまだ結婚してなかったのよね。端から見たら早くした方がお互いのためになりそうなのにね」

「仕方ないだろう。それなりに準備があるんだから」


最高のウェディングドレスを職人さんと熱く語って作ったり、どの教会で結婚式をあげるか悩んだり、結婚指輪のためにダイヤモンドを入手したり色々だ。その過程で東の国から和服を仕入れたり、他国で水着を入手したりしたのだ。まあ、水着はアリスが恥ずかしがったので今度になったけど。アリスのビキニは刺激が強すぎるだろうしね。想像するだけでヤバい。たかが水着と言うかもしれないけど、貴族はほとんど露出した衣装は着ないので刺激が強いのだ。


「準備ねぇ・・・そういえば、お嬢様が寝言であなたと熱烈に愛し合ってるみたいよ」

「アリスの寝言か・・・今度は添い寝をするか」


アリスがどれだけ可愛い寝言を言うのか興味深い。結婚するまで待てないし今度は泊まりで何かを考えるべきか・・・いや、いっそのこと新婚旅行で水着を来てもらうのもいいかもしれない。うん、考えるとやる気が出てくる。一応近隣の国は今のところ乙女ゲームも『プロメテウス』の陰謀の陰もないし近場で楽しみたいものだ。流石に海を渡るのはアリスの負担が大きそうだし。かなりの長旅の間にもしものことがあっては困るので仕方ない。やっぱりアリスのことを考えるとやる気が出てくる。よし。


「まあ、とにかく不在の間は頼んだ」

「わかってるわよ。お嬢様が可愛いのは確かだしね」

「わかってると思うが、手を出したらその時点で斬るからな」

「はいはい。過保護ねぇ」


そんなことを言ってから俺はその場を後にする。あまり長時間ヒロインと一緒にはいたくないからだ。アリスに誤解されるのも嫌だしね。嫉妬は嬉しいけどアリスの気持ちを踏みにじるような真似は断じて許せない。絶対にね。





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