表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/99

54 騎士団長の息子は父親に聞く

ラスボス会議


「お、エクス。帰ったか!」


陛下との疲れるやり取りして帰ると元気な父上が出迎えてくれた。今はあまり会いたくなかったなぁと思っていると父上は微笑んで言った。


「聞いたぞ?リンス殿下の婚約者探しのついでに賊を捕らえたのだそうだな。流石私の息子だ」

「賊の正体は聞いていますか?」

「いや。どうしてだ?」


そこ言葉にしばらく迷ってから俺は聞いていた。


「『プロメテウス』という人物に心当たりはありますか?」


瞬間、先程まで穏やかだった父上が一気に殺気立つのがわかった。思わず身構える俺を見てから父上は慌てて殺気を解いてから聞いてきた。


「エクス。その名前をどこで聞いた?」

「賊の口より。ここ最近の騒動の裏にいるのが『プロメテウス』なる組織であると。そして賊の一人から父上のことを『ヘラクレス』。唯一の障害になり得る人物だと言われました」

「・・・そうか。つまりはエクスに余計な重荷を背負わせてしまったということかもしれないな」

「父上。前に話していた父上が勝てない相手、うち一人はお祖父様で、もう一人をアイツと言っていましたが、そのアイツが『プロメテウス』という人物なのですか?」


その確認に父上は頷いてから言った。


「確かにそうだ。あいつ・・・『プロメテウス』は私のことを『ヘラクレス』と呼んだ。そして、一度アイツの片手を斬り落としたところで、私はアイツに負けた」

「・・・負けたのですか?」

「ああ。不甲斐ないことにな。しかし何の気紛れなのかアイツは私を殺さずに生かしたのだ。片手を斬り落とされて微笑んでいたよ。『おもしろい人間に会えた褒美だ』と言ってな」


思ってたよりもラスボス感が強い存在に思わずため息をつきそうになるが、父上は笑って言った。


「しかし、お前を巻き込むつもりはない。お前を騎士団長にしたら私はアイツを倒しにいく。引き分けには持ち込んでみせよう」

「相討ちなんて母上が知ったら悲しみますよ?」

「わかっている。死ぬつもりは毛頭ない。孫の顔をみるまでは死なないさ。しかし、これは私の問題だ。子供を巻き込んでまで解決をするつもりはない」


死亡フラグにしか思えない台詞に俺は何と言えばいいか迷ってから答えた。


「私はアリスを害するものを許すつもりはありません。必要ならどんな相手でも倒します。ですが、父上がそこまでお覚悟を持って挑まれるなら、その前に私が瞬殺して父上を越えていきます

。それを持って私は完全な平和を取り戻します」


まあ、そうして倒してから次の相手が出てくる可能性は高いが、アリスが父上の死を知った時の悲しみを考えるとこれが一番最善かと思うので仕方ない。


「父上が負けたということは相手は魔法を使えるのですね?」

「ああ。信じられないが魔法を使いこなしていた」

「それはどういう類いのものですか?」

「私達と同じ身体強化に見えたが、もしかしたら複数の魔法を使えるのかもしれない。圧倒的な身体能力に、黒い炎を使う隻腕の男だ」


中二病乙!そんなことを言いそうになるが我慢我慢。にしても複数の魔法を使いこなしているなら確かに俺らじゃ勝てないな。対策を立てようにも相手の情報が少なすぎる。


「他には気になることはありましたか?」

「気になる・・・そういえば、やけに独り言が多かったように思えた。まるで自分の中で誰かと会話してるようにも見えた」


複数の魔法の正体に近づいたかもしれない。もしそいつが何らかの方法で魔法を自身の内に増やしているなら、それはどうやってか?多分他人から奪っているのだろう。その方法に関しては下手したらグロい話になりそうだな。例えば人肉を食べるとか。あとは何らかの魔法で吸収する力があるのか。どのみち俺には真似できないから試す気はない。


「エクス。気にしなくてもいいんだぞ?これは私の問題だからな」

「ええ。わかってます。ただ、父上が刺し違えるお覚悟でしたら私が代わりに倒します。ですので倒すなら完全勝利でお願いします」

「そうか・・・ならば勝たないとな」

「ええ。そうしてください。というか、父上は騎士団長なのですからその妻を泣かせるようでは騎士失格ですよ?」


そう言うと父上はきょとんとしてから笑って言った。


「確かにな。騎士が守るべきものを悲しませるなんてダメだな」

「ええ。そうです。私はアリスの騎士ですがアリスを悲しませる結末なんて許しません」

「そうか・・・ありがとうエクス」


そのお礼を聞きつつも俺は少しだけ迷っていた。これ以上無駄な展開に付き合うのはごめんだが、些細なことでアリスの心を乱す結果になるなら排除は必要。まあ、それを抜きにしても一応この世界の父親を見殺しにするのはあまり気分がよくない。勝てるかどうかわからない以上どのみち父上が負けた場合に確実に勝てるように対策は必須。強くなるためにやるべきことは、身体強化の魔法を極めることと、それ以外に手駒を増やして対抗できるようにすること。そしてアリスとイチャイチャすることだけだろうと思うのだった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ