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【Web版】騎士団長の息子に転生した俺は、目の前で婚約破棄されている悪役令嬢を助けて溺愛することにしました  作者: yui/サウスのサウス


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35/99

35 騎士団長の息子は父親とバトル

少年漫画


「おう、帰ったかエクス」


アリスを愛でてから屋敷に戻るとタイミングよく父上と出くわした。


「ただいま戻りました。父上は本日はお城での勤め終わったところですか?」

「ああ、もっとも私には剣を振る以外に能がないからな、雑務は部下に任せているがな」

「そうですか・・・」


なんとも似た者親子らしい。脳筋なのは父親譲りかもしれない。


「時に、エクス。何やら近頃急激に成長してると聞いたが本当か?」

「成長ですか?」

「うむ、部下に聞いたが精鋭騎士相手に一人で圧勝してみせたとか。なかなか強くなったようだな」

「あの、父上は自分より格上の相手に会ったことはありますか?」


そう聞くと父上はしばらく悩んでから頷いて言った。


「一応はな。私がこの世で勝てなかったのは後にも先にも二人だけ。私の父親、お前の祖父のメビウス・ロストと、私の生涯の天敵のアイツだけだ」

「アイツ?」

「いずれお前も知ることになるだろうが、今は話せん。ただこれだけ言えるのは私では奴には勝てないということだ」


なにそれ・・・この化け物が勝てないってヤバいかもしれないな。にしてもなんでいきなりそんな少年漫画的なフラグが発生したのか疑問だが、少なくとも俺が知る乙女ゲームにはそんな知識はないので完全に別件だろう。まあ、アリスを守るためにはもっと力が必要なのかもしれない。それなら・・・


「父上、今から少しだけ手合わせ願えませんか?」

「ん?構わないが・・・どうしたのだ突然」

「いえ、可愛い婚約者をエスコートするために一度父上は越えておきたいのです」


そう言うと面白そうに笑ってから父上は頷いて言った。


「よかろう、相手になる」



自宅にある訓練場に移動してから準備をすると、父上は抜き身の真剣をこちらに投げてきた。


「せっかくだ。これでどうだ?」

「構いませんよ。木刀も真剣も対して差はありませんから」

「ふ、抜かしおるな」

「それと、せっかくですから身体強化魔法も使いませんか?」

「構わんが・・・流石にここでは無理だな。私が身体強化を使うと訓練場を崩壊しかねない。ましてや、お前と二人ならさらにまずいだろう」

「仕方ありません。ではそれはまたの機会にしましょう」


剣を拾ってから軽く素振りをする。そこそこ良さげな剣だ。これなら大丈夫だろう。せっかく自分より格上と戦うんだ。出来れば身体強化魔法ありでの実力を知りたかったが、この世界での格上がどれくらい遠いのかさえわかればいい。


「それじゃあ、立ち会いはいないが・・・始めるか」


そう言ってから剣を構えると、途端に目付きが変わる父上。先程の明るい父親からうって変わって、騎士団長としての気迫が伝わってくる。子供相手にマジになる親とかありですか・・・まあ、はなからそのつもりだからいいけど。俺も剣を構える。お互い睨みあってーーーその時はきた。一瞬の静寂の中、先に仕掛けてきたのは父上だった。


「ふ!」


鋭い一撃。今まで見てきた中でもっとも早いそれをなんとかいなして俺から仕掛ける。それを見て父上は口元を緩ませてから足払いをしてきた。騎士団長のくせに足払いとかありかよ!と、思いつつ俺はなんとか空中で一回転して体勢を整えるが、それより早く父上の攻撃がくる。間に合うかーーーそんな気持ちで俺も崩れたままの体勢で攻撃をする。互いのそれはお互いの頬をかすってから一筋の傷となって表れる。それを無視して俺は後ろに一度下がって構え直す。父上は頬にできた傷を見てから笑顔で言った。


「やるではないかエクス。私の体に傷をつけたのはお前が久しぶりだ」

「父上こそ、子供を本気で殺しにくるとは思いませんでした」


どの攻撃も確実に俺をしとめるものだった。本気なのだろう。とはいえ、余力を感じるのはおそらく多少はセーブしているからだろう。これに身体強化なんてあわせたら確かにデタラメな力になるな。俺は垂れてくる血を拭うと、父上は好戦的な笑顔で言った。


「私の息子ならこの程度避けて当然だろう」

「高い評価は感謝しますが、顔はやめてください。アリスに会ったときに心配されるので」

「なら、うまく避けてみることだ」


そうして剣を構えてから父上は言った。


「来るがいい、エクス。今のお前がどこまで私に対抗することができるか試してやる」

「では、胸を借りましょう。どうせ貸して貰えるならアリスの胸がいいですが」

「私だって、貸すならお前の母上がいいさ」


そんな軽口を叩きながら、俺と父上は剣を振るった。何度も死にそうになりながらも何度も殺せそうな状況まで持ち込む。どれだけ早く動いても向こうも対抗してそれより早く攻撃をしかけてくるので、休む暇はなかったが、時折見えた父上の表情はかなり嬉しそうに見えた。そうして何時間かやりあって、使用人が止めても聞かなくて、最後母上に顔面に石を投げられてからようやく止まったが・・・多分一番びっくりしたのは母上のコントロールの良さだろうと思う。流石現役騎士団長の嫁はパワフルですね。







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