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24 騎士団長の息子はしぶしぶ受け入れる

「更生だと?」


リンスの言葉に俺は思わず眉を潜める。そんな俺に苦笑しながらリンスは言った。


「君が兄さんに良いイメージを持ってないことはわかってる。だからこれは断ってくれても構わない」

「とりあえず更正させる理由を知りたいな。俺にはあまりメリットが思い付かないからな」

「損得で言えばかなり確かにそうだね」


お世辞にもスペックが高いとはいえない攻略対象の王子様。魅了魔法を使われていようがいまいが、多分ヒロインみたいな女にひかれて、アリスとは婚約破棄をしていただろう。

まったく、あんな可愛い婚約者のどこに不満があるのかまったくわからないが、王子様とは面倒な存在だ。まあ、王族なりの苦労はわかるけど、政略結婚なんてそんなものなんだから割りきることも大事だろうに。ちなみに俺だったらアリスを幼い頃から溺愛して甘やかして、べったり依存させただろう。

残念ながらロリバージョンのアリスは記憶の中にしかいないが、こここからのアリスは全部生で見れるので転生して良かったと心から思う。


「それで、更生させたい理由はなんだ?家族愛とかではないんだろ?」

「そうだね、一つにはあのまま放っておくと自殺でもしそうだからかな」

「自殺?」

「王位継承権剥奪の上に部屋に軟禁、ここまででもかなり精神的にきているみたいだけど、あの女から離れたからか多少魅了魔法が薄れたのか自分のしでかしたことにかなり落ち込んでるみたいなんだよね」


てっきり、俺を恨んでいると思っていたが、憎しみよりも後悔が深いみたいだ。まあ、ヒロインの仕業なんだけど・・・


「魅了魔法が薄れたというと正気に戻ったのか?いや、そもそもいつから正気じゃなかったんだ?」

「聞いた限りだとかなり直近まで正気ではあったみたいだよ。ただ魅了魔法で気持ちが盛り上がってはいたみたいだけどね」


ヒロインの話だと、洗脳的なレベルの魅了はしていなかったそうだ。多少気分を上げるくらいのものだと言っていたが、これはどうなのだろう?多分嘘は言ってない。ただ、あのプライドが高そうな王子がヒロインのことで俺を恨んでないとは言いきれないし、その感情が魅了されているときと今が同じかどうかもわからないし、難しいところだ。


「二つ目は世間体かな」

「王位継承権を剥奪された哀れな王子を見捨てない弟であろうということか?」

「まあ、これは父上のご意見なんだけどね」


なんともあの狸親父が考えそうなことだ。このまま王族として飼い殺すにしろ、王族から追放するにしろ、面倒な存在であることは間違いない。国外追放をすればこの国でのたれ死ぬことはないだろうが、他国で迷惑をかけるかもしれない。それならいっそのこと普通に生活できるようにして邪魔な存在にならないようにするのがいいと言ったところか。

さてさて、どうしたものか。


「あと、これは僕の意見なんだけど・・・兄さんは多分この国に後々必要になるような気がするんだ」

「直感か?」

「ただの感想だよ。でもなんとなくそう思うんだ」


うーん。なんとも曖昧だが、少しだけ考えてみるか。まずこのまま王子が自殺なりしたとしよう。そうしたら婚約破棄で追い詰めたと言及してくる輩がいるかもしれない。そこでアリスに火の粉が飛ぶのは本意ではない。あとは、国外追放の後に犯罪者にでもなった場合。中途半端な力でそういうことをするならその責任も少なからずくるおそれがある。まあこの辺は想像の域を出ないが・・・あとは、俺への復讐で襲ってくる場合か。俺への襲撃ならなんとでもなるが、アリスに行くならそれはかなりの一大事だ。無論守るけどアリスをわざわざ危険な目にあわせるわけにはいかない。チラリと俺はリンスに視線を向けてから言った。


「出来る限りのことはしてみるが、それでどうなっても責任は取らないぞ?」

「構わないよ。責任は僕が持つから。それに君はきっとやってくれると信じてるからね」

「信じるか・・・まあ、あまり期待はしないでくれ」


そう言っておく。確かにあいつを使えるようにすれば今後役に立つかもしれない。容姿は悪くないし使い方によっては強力なカードにもなるかも。イケメンなのは気にくわないが今は私怨は捨てるべきだろう。別にエクスの容姿も悪くはないんだよ?でもね、それとは別にイケメンへの憎悪は陰キャならだれしもが持つものだから仕方ない。いや、まあ憎悪というよりは苦手意識かな?


「ところで、リンス」

「なんだい?」

「さっき『兄さんと側近の人達』って言ってたけど他の奴等も俺が更生させるのか?」

「まあね。できるかい?」

「はぁ・・・わかったよ。ただ、この貸しはしっかりと返してもらうからな」


面倒なことこのうえないが仕方ない。俺はとりあえず攻略対象に向き合うことにしたのだった。王子だけでも厄介そうなのに他の奴等も相手なんて面倒この上ないが、多少は俺にも責任はあるで仕方ない。早く終わらせてアリスを愛でようと誓うのだった。ああ、アリス成分が足りない・・・













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