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【Web版】騎士団長の息子に転生した俺は、目の前で婚約破棄されている悪役令嬢を助けて溺愛することにしました  作者: yui/サウスのサウス


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15/99

15 騎士団長の息子は隠しキャラを味方にする

腹黒主人公

ヒロインがアリスの侍女になったことで、ひとまずはヒロインの問題は半分くらいは解決したと言える。しかし、それではダメだ。完全にヒロインの問題を解決しないことにはヒロインを100%信用はできない。なので、俺はミスティ公爵家のとある使用人を訪ねていた。


「監視・・・ですか?」

「ああ。君に頼みたい。ベリス」


ミスティ公爵家の執事ベリス。ミスティ公爵家において執事長から厚い信頼があり、同年代ということでアリスの執事も兼任している彼に頼むのはヒロインの監視任務。何故彼に頼むのか。それは彼がヒロインの言っていた隠しキャラだからだ。まあ、当然面識は少ないのでベリスは困惑気味に言った。


「あの、何故私を選ばれたのでしょうか?そもそもあの新しい侍女を連れてきたのはロスト様ですよね?」

「そうだな。一番の理由は君がアリスの執事だからだ」

「執事と言ってもお飾りですよ?アリス様のスケジュール調整を多少するか男の護衛でお側にいるくらいです。まあ、護衛はロスト様が婚約者になったから不要の時間が増えましたが」


そう、俺という戦力がわりと側にいる機会が増えたので護衛のローテーションが随分と楽になったようだ。まあ、あまり自己評価を高くはしたくないが客観的に見て俺は騎士団長クラスの実力はすでに持っている。護衛の質としてはまさしく上級な俺なのだが、実はこの執事さんもバトル方面にそれなりに精通してしているのだ。戦える上に仕事も出来る上にイケメンってハイスペック過ぎて若干イラッとするが大切な駒なので上手くコントロールしないとな。うん。


「とはいえ、私も常にアリスの側にはいられない。大変遺憾だがな。だからこそ君に頼みたいんだ」

「・・・あの侍女が魔法を使えるかもしれないという噂と関係ある話ですか?」

「ほう、その噂はどこで聞いたんだい?」

「執事長が話してましたよ」


おそらく公爵経由なのだろうが、わざとか?あの公爵が親しい者とはいえ簡単に情報漏洩をするとは思えない。おそらくはヒロインへの保険なのだろう。魅了魔法は同性には効果はほとんどない。だからこそ使用人同士が気にかければ多少は対処できるだろう。俺はベリスの言葉に頷いてから言った。


「なるほど、知ってるなら話が早い。あの侍女は魅了魔法が使えるんだ」

「魅了魔法・・・なるほど、だから殿下や側近の方々が堕落したのですね」

「さりげなく私を揶揄しているのか?」

「いえ、そういえば、ロスト様はどうやって魅了魔法を防いだのですか?」


そう聞かれて俺は少しだけ考えてから言った。


「愛の力と言えば納得するか?」

「お戯れを、と言いたいですが、あながち嘘にも聞こえないのが怖いですね。最近のロスト様とアリス様の仲の良さを見せられれば」

「そんなにか?私としてはまだ足りないのだが」

「あれでですか」


かなり驚く表情を見せるベリスだが、足りるわけない。いくら愛でても足りない。時間が永遠にあればいいのにと思うくらいだ。というか、多分俺はアリスがおばあちゃんになっても今の態度が衰える気がしないというのが本音だったりする。アリスという存在を愛しすぎる故の想いのリミッターがふりきれてるこの現状。本当にアリスのヤンデレ化よりも俺のヤンデレ化が先な気がして仕方ない。手遅れかもしれないが。


「まあ、それはともかく君に頼みたいんだ」

「魅了魔法なら男の私は不利ではないですか?それこそ他の侍女に頼むなりした方がいいと思いますが」

「もちろんそれは選択肢の一つではある。一応手は打ってあるが、しかしあの侍女にはあの侍女の目的がある。だからこそ不測の事態に一人でも味方が欲しいんだよ」


ヒロインを信じてないわけではない。同じ転生者だし同じジャンルの人間としてシンパシーも感じる。だからこそ警戒もするのだ。まあ、大きな目的は別にあるが。


「・・・一つだけ伺ってもいいでしょうか?」

「答えられることなら構わない」

「もしかしなくても、私はスカウトも同時に受けていると認識してもいいのですか?アリス様の嫁入りの時ための」

「ほう、察しがいいな。まあ、私としても優秀な人材は欲しいのだよ」


アリスがロスト子爵家に嫁入りする時に何人か引き抜く予定なのだが、そのうちの一人には目の前のベリスも含まれている。公爵からの了承は問題なく取れるだろう。そういう契約を裏でしているから。俺の言葉にしばらく考えてからベリスはため息をついて言った。


「拒否権はないのですよね?」

「拒否しても構わないが、アリスが嫁入りの時に寂しい思いをすることになるな。それは私が許さない。だからどうなるかは想像がつくな」

「それ、完全に脅しですよ?」

「まあ、その件はおいおいで構わない。監視の任務を受けるかどうかを決めてほしい」


そう言うとベリスは苦笑しながら言った。


「本当に凄い人ですね。ロスト様は。わかりました。出来ることはしましょう。でも、魅了魔法を使われたら対抗できませんよ?」

「その時は諦めて犠牲になってくれ。なんて、言いたいがむしろ君に彼女を魅了して欲しいくらいだ」

「それはまた・・・えらくハードルが高いですね」

「もちろん無理にとは言わない。それくらいの気持ちで監視して欲しいのだよ」


あのヒロインはおそらく、ぐいぐいベリスに接近してくるだろう。そのチャンスを増やすためにこうして監視という口実を作り、二人が結ばれればそのまま我が家に引き抜きでミッションはコンプリート。まあ、他にも色々あるが、不本意ながらヒロインの手助けが一番アリスの安全に繋がるので仕方ない。そうして俺の思惑通りに了承してくれたベリスに頷いてから俺の悪巧みは続くのだった。









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