拉致・換金・抱き合わせ販売
いらっしゃいませ、こんばんわ。
またのご来店、ありがとうございます。
さて、都市伝説をたしなむ(※1)方なら聞いたことがあるでしょう。
「海外に旅行にいったとき、旅行先の被服店で試着室に入るといくらたっても出てこない。
実は試着室には隠された扉があり、そこから拐かされて売られてしまう……。」
といった内容の都市伝説です。
これね、海外だけじゃないんです。
日本でも行われているんですよ……。
えぇ、おっさんの働く店舗で……。
そして、犯人は……おっさんです。
真夜中に訪れたお客様。
狙い目はがっちりと身持ちの堅いひと。
黒々とした艶のある子。
性別は都市伝説とちがって男性が好まれていますねぇ。
子供よりも成人している方がなおよいです。
捌くのがとても早いです。
外をふらふらしているターゲットをキュっと捕まえてですね、檻に閉じ込めます。
朝にはバイヤーが訪れます。
そのまま対象に値段を付けますと色々と問題がありますので、店内の品物を買っていただきそれに抱き合わせて販売しています。
え、バイヤーですか?
実はですね、お子さまがおおいんですよ……。
話を聞くとガラスケースに閉じ込めて鑑賞したり、番を宛がって繁殖させたりするんですって!
いやはや、子供ってすごいですねえー。
こわいですねえー。
おそろしいですねえー。
はい、今回の被害者は『カブトムシ&クワガタ』です。
そんなおっかない犯罪を無害なおっさんがするわけないじゃないですかやだー。
まあ、そんなわけで。
夜中のコンビニ、しかもうちの店舗みたいに明かりが周りにまったくない状況だと高頻度で飛んでくるのですよ。
それを捕まえて(拉致)、ペットボトルケージ(※2)に突っ込んで(監禁)レジ横に展示。
朝になり訪れた子供が好きなのを選んで持っていきます。
流石に無料はあれなので、欲しい方はおかしでもジュースでもなんでも良いので買ってもらいます。
うま○棒一本とかいう人は流石にいませんでしたがね!
先着順の早いもの勝ちなので年毎によっては競争が激しいですね。
カブトムシ(オス)が5~7cmサイズが平均、メスが4cmサイズかな。
クワガタは3cmのコクワガタと呼ばれているのが大半で、オオクワガタ8cm越のサイズさすがに稀ですね。
値段つけて売ればいいという方もいるかと思われますが(実際、お客さんの中にはそういわれる方も)、ただで拾っているだけですしね。
ケージもゴミ箱産ですし。
なにより本部がコワイヨー、コワイヨー、コワイヨー。
たまに県外のお客さん(親子連れ)が明け方に訪れて、カブトムシ取りにきたーいないかー? と言われますが明け方だとモウイナイヨ!
もっと夜中に徘徊しないと虫なんてイナイヨー。
もっとも集まってくる虫はカブトムシとかセミとか可愛らしい物だけじゃないけどね!
次回「モスラ天国」をご期待ください!
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
またのご来店をおまちしてます。
※1 たしなむ という漢字が変換できないおっさんの環境。
※2 ペットボトルケージ
空のペットボトルを洗浄し、トップから5分の1ほどをカットする。
それをひっくり返して中身(ムシ)を入れた本体に突き刺す。
接続部分をセロテープなどで固定して終了。
ただし飲み口の径より大きいムシ限定