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冬園元のことを宇垣智秀は友達だと思っているのに、父親が彼のことを認めていないように。

つくづく、親は子供の視点に立てないと思う。両者の間に存在する、生きてきた時間という縮められない距離がそうさせているのかもしれない。

――今日のテストで、全国二十位に入れ。

さきほど家を出るときに父親に言われたことを、智秀は苦々しく振り返った。


勝手なコト言うよ、まったく。


塾へと自転車を走らせながら、内心で悪態をつく。

親は、勝手だ。いや、もしかしたら、宇垣智秀の親だけかもしれない。

あの父親は、宇垣智秀の話を、主張を、聞こうとしない。そして一方的に「ああしろ」「こうしろ」と命令してくる。その命令に従えなかったら、こっぴどく叱られる。

同じ視点に立とうともせず。

こちらの言葉に耳をかたむけてもくれず。

そんな父親が苦手で、大嫌いだった。


せっかくの休日なのに――。


土曜日の朝早くから、塾に向かっている自分が、バカバカしく思えてくる。

けれど、思うだけだ。

結局、宇垣智秀の体は、塾に到着していた。まるで抗えない力に動かされているような気がして、少しだけ気分が落ち込んだ。


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