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18

息子の出て行ったドアを、宇垣毅は悔しそうな眼で睨んでいた。

何も言い返せなかった。

自分をまっすぐに見て、気持ちをぶつけてくる、あの息子の瞳に。

「あなた……」

妻の晶子は、いつものような不安げな声で、呼びかけてきた。それきりで、彼女は何も言ってこない。否、晶子は何も言えない。結婚し、智秀を育てる中で、彼女が自分の意志を主張したことなど記憶に無い。

毅は唇を噛んだ。

「初めて、だ――」

「え?」

「智秀が、俺に反抗したなんて……」

悔しさに、拳を机に叩きつけた。その音に晶子がびくっと震えた。

「今まで、一度だって、こんなことは無かった……!」

ついこの間までは言われることを素直に受け止めてくれた息子が、自分に噛みついてきた。

聞き分けのいい息子が、親である自分に逆らうなんて、信じられなかったし、許せなかった。

「いったい、何があいつを変えた……!」

毅は晶子を横目で見た。妻は怯えたような瞳で、自分の膝元を見ているだけだった。


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