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一階に下りていくと、これから出勤する夫に出くわした。
「真純は今日も休むのか」
「そうみたい」
「困ったな。熱は無いんだろ?」
「ええ、もう。平熱そのもの。体は、いつだって学校に行けるんだけどね。まぁ、そのうちまた行くようになるでしょ」
「……母さんはノーテンキだな。そんなんで真純が不登校にでもなったらどうするんだ」
「その時はその時よ。行きたくないなら、無理に行かせてもしょうがないでしょ」
「そりゃあそうだけど、なぁ……」
「――ほら、早く行かないと」
「ああ。じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
玄関の向こうに夫の姿が消えていった。
「さてと、学校に電話しなくちゃ」
電話のリダイヤルボタンを押して、受話器に耳を当てる。
コール音が三回繰り返すところで、女性の声が応対に出た。
「あ、おはようございます。いつもお世話になっています、三年五組の赤崎真純なんですが、今日は風邪で休ませます……はい……ええ……それと、担任の先生とお話ししたいんですが」




