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週が明けて、月曜日になった。

「赤崎は風邪で欠席だそうだ」

朝のホームルームで、担任は変わらぬ淡泊な口調で言った。

教室内にざわつきは起こらなかった。もう、みんな慣れたのだろう。ポッカリと空いた赤崎真純の席。それが日常になりつつあったのだ。

ホームルームが終わると、担任はさっさと教室を出て行った。

教室に喧噪が満ちてくる。理科の教科書を忘れた、と誰かが大声で騒いでいた。


赤崎さん……。


智秀は赤崎真純の席を横目に見る。彼女の席の周りには、彼女をいじめている女子のグループはいなかった。赤崎真純本人が学校に来ないので、いくら机を汚してもプリントを丸めて叩き込んでも、つまらなくなったらしい。彼女たちは、別の席に集まって談笑していた。

「赤崎、また休みだな」

席に近寄って話しかけてきたのは冬園だ。

「うん……らしいね」

土日の二連休を挟んでも、なお風邪で欠席しているなんてことは不自然だ。よほどの酷い風邪でも無い限り、ここまで休むことはない。

「ほんとに、このまま不登校になるんじゃねぇか」

「ならないよ」すぐに答えた。

「え?」

冬園は眼を瞬かせて、こちらを見る。


不登校になんて、させない。

少なくとも、このままになんてしておかない。

絶対に。


上着の右胸部分に軽く触れた。

硬い感触が、ある。それに触れているだけで、自分の気持ちを確たるものにできる。

「不登校にならないって、どうしてそう言い切れるんだよ?」

「さあ……どうしてだろう」

本心を隠すように笑って、智秀は上着の内ポケットに入っている〝彼女〟の存在を確かめていた。


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