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閑話5 小さな命



「妊娠されてますね。」


「……はい?」


 思わず聞き返してしまった。


 ここ最近調子が悪く、気分の上がり下がりが激しかった。


 おまけに、耐えられないほどの眠気が毎日私を襲うのだ。


 そこで医者に診てもらったところ、妊娠していると言われたではないか。


「本当なんですか?」


「ええ、妊娠の可能性は非常に高いです。」


 医者にそう告げられて、公爵邸に帰ってきた。


 早く彼に伝えなくては。


 そう思いながら、玄関の扉を開けた。


 しかし、彼は扉の前に立っていたようで、バン!と大きな音がした。


 扉を引いて確認すると、レアンは額をぶつけてしまったようで赤くなっていた。


「ご、ごめんなさい!!」


「ッ……大丈夫だ。それよりどうだったんだ?病気ではなかったか?」


「それが……妊娠している可能性が高いと……」


 私がそう告げると、レアンは目を見開いて固まってしまった。


「あれっ、レアン?おーい。」


「……そ……それは……本当なのか……?」


「はい、確かにそう言われ……わっ!?」


 レアンがいきなり動いたかと思えば、私は大きな体に優しく抱きしめられていた。


「……ふふ、今日からパパですね。」


「ああ……」


 微かに鼻をすする音が聞こえてきて、彼の背中をゆっくりと撫でた。


「ルチェット、この子を産んでくれるか?」


「ええ、会えるのが楽しみですね。」


「そうだ、名前を決めないと。」


「気が早いですよ、性別がわからないのに。」


 すると、レアンはまだ小さい私のお腹を撫でて、幸せそうに微笑んだ。


「男の子と女の子の名前を、両方考えればいいさ。」


「それもそうですね。」


 私はお腹にあるレアンの手に、そっと自分の手を重ねた。


 この子に会える日を待ち遠しく思いながら、皆に家族が増えることを伝えに行くため、私達はゆっくりと歩き始めた。


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