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閑話3 リメアとカオン その2


 数日後、カオンさんの休暇がやってきた。


 窓から玄関を監視して、無事に二人が出たことを確認した。


(よかった……うまくいった……)


 私は魔法で小鳥を召喚して、視覚共有をしてから二人の元へ飛ばした。


「今日は劇を見に行くんでしたよね。」


「うん、リメアちゃんが好きそうなやつだよ。」


 小鳥を会話が聞こえるくらいの距離に近づけてみた。二人は今日見に行く劇の話をしていたが、どこかぎこちない様子。


「どんな劇なのか、楽しみです。」


 微かに頬を染めている二人が、見ていてとても微笑ましい。


(私が助け舟を出さずともうまくいきそうだわ。)


 小鳥を公爵邸へと戻らせ、視覚共有を解除した。


 遠くに見える街を見ながら、私は二人の関係が進むことを暫く願っていた。



◇◇◇



リメアSide



「すっごく素敵な劇でした!!」


「そうだね、とてもよかったよ。」


「主人公の女性と、お相手の男性のすれ違いが、とてめ絶妙で……!!」


 そう、まるでルチェット様と公爵様みたいだったわ!


(はっ……つい喋りすぎちゃった……!!)


 恥ずかしさを隠すように、私は一つ咳払いをしてから先に進む。


「あっ、そうだわ!」


「ど、どうしたの?」


「紅茶の茶葉を切らしてました!買い足さないと……」


 ルチェット様はスイーツと紅茶がお好き。だから、いつでも出せるようにしておかないと悲しませてしまうかもしれない。


 私の頭の中には、目をうるうるとさせて落ち込むルチェット様がいた。


 しかし、いきなり後ろに引っ張られたことにより、考えは中断されてしまった。


 背中にはあたたかい感触があり、お腹の辺りに腕が……腕……?


「あのさ、もちろん夫人のことを大切に思ってるのは知ってるよ?」


「え、か、カオンさん?」


 私は、後ろから抱きしめられている。


 そう気づいた途端に体中が燃え上がるように熱くなった。


「でもね、今は僕とデートしてる。そうでしょう?」


「デ、デート……!?」


「だから、僕だけ見ててほしいな……なんて。」


 いきなりレディを抱きしめるなんて!と、文句を言おうとした。


 しかし私は口をぱくぱくとさせることしかできなかった。


 大きな体に包まれて、耳元にカオンさんの吐息がかかって……


 火が出そうなくらい恥ずかしい。


「デートが終わったらさ、一緒に茶葉を買いに行こう。」


「……ひゃい。」


「ふふ、可愛い。」


 今までこの人を大型犬みたいだと思っていた。しかし、それは間違いだったかもしれない。


 だって、こんなに積極的だとは思わなかったんですもの。


 悔しい、私だけこんなに気持ちを乱されて。


 一言くらい反撃しても、許されるよね。いいえ、許される!


「私とのデートなんですから、しっかりエスコートしてくださいね。」


「もちろん、可愛い小リスちゃん。」


「__もう!!からかわないでください!!」


 ずっと心臓がばくばくと鳴り響いている。


 普段はのほほんとしているのに、何故こういう時だけかっこよくなるの!



 ……関係が変わることを、期待しちゃうんだからね。




◇◇◇



ルチェットSide




「と、いうことで……」


「お付き合いすることになりました〜」


 デートから戻ってきた二人を、玄関ホールで迎えた。


 なんと、手をつないで帰ってきたのだ。


 もしかして……と、私が期待に胸を膨らませていると、お付き合いすることにしたとカオンさんが言ったではないか。


「まあっ!」


 二人は照れ笑いをしながら、お互いを見つめ合っていた。


(なんて……なんて可愛らしい二人なの!!)


「末永くお幸せにね……!!」


「ルチェット様!気が早いですよ!!」


「気が早い、か……僕と結婚する未来を考えちゃったの?」


「なっ……ばっ……馬鹿ッ!!」


 リメアはカオンさんのことをぽこぽこと叩いている。


「まあまあ落ち着いて……改めて、おめでとう。」


 二人は私の一言に、嬉しそうに微笑んでいた。


「お互いを大切にして、きちんと愛を伝え合うこと!……二人とも、絶対幸せになってくださいね。」


 二人をみていたら、なんだかレアンに会いたくなってしまった。


 私はそう言って二人へ背を向け、レアンのいる執務室へと歩みを進めた。







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