エピローグ
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「お疲れ様。」
結婚式も無事に終わって、公爵邸に戻ってきた。(もちろんエレンも一緒に)
私は寝る支度を済ませてから、ようやくベッドに寝転がるところだった。
しかし、ノックと共にレアンの声がして、重い身体を動かして扉を開けた。
「レアン、どうしたんですか?」
「一緒に寝ないのか?」
疲れているだろうからと思い、あえてレアンの寝室に行かずに一人で寝ようとしていた。
しかし、こう言われてしまっては、一緒に寝ないと酷く拗ねてしまうのが予想できる。
「私のベッドで寝ますか?それともレアンの寝室に行きますか?」
「……大きいベッドだから、ここで大丈夫だろう。」
少し悩んだあとにそう答えて、レアンは私をベッドまで連れていって優しく寝かせてくれた。
そして、このまま一緒に寝るだけだと思っていたのだが……
「レ、レアン?」
レアンが私に覆い被さってきて、私は理解が追いつかずに戸惑うことしかできなかった。
「ルチェット、愛してる……」
「レアン、今日は疲れているのではありませんか?」
「確かに疲れているが……今日は初夜だろう?」
「しょっ……!?」
レアンと目が合った。彼の瞳は確かに熱を持っている。
私の心臓が大きく跳ねて、鼓動が速度を増していく。
「こうして出会えたんだ、君と俺はきっと運命なんだろう。」
「運命……」
そこで、私はルミアさんの言葉を思い出した。
『運命とは、必ず巡り合うものなのです。あなたならきっと大丈夫。
光の祝福があらんことを__』
こうしてレアンと巡り合い、想いが通じ合ったのは、運命と呼ばずしてなんと呼べばいいのだろうか。
(お母様、私は世界で一番幸せな精霊です。)
「もう離さない、離したりなんかしない。」
「レアン、私をずっと愛してくださいね。」
「もちろんだ、俺の運命の人。」
「……名前で呼んでください。」
「ルチェット。」
幾多の困難を乗り越えて再び出会った私達は、もう離れることのないように、底が見えないほどに深く愛で繋がれていく。
私を見つけてくれてありがとう。私を愛してくれて、ありがとう。
命の灯火が消えてしまっても、生まれ変わったとしても__
「絶対に、レアンを離してあげないですから。」
「はは、束縛されるのも悪くないな。」
くすくすと笑い合ってから、まるで熟した果実を食むような甘いキスをして、私達はシーツの海に沈んでいった__




