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31.お盆休み

お盆になり田舎から母がきて…

夫と息子の能力測定は計測不可能で終わり、後日黒幕…もとい大川氏の提案で、人目のない山奥の廃墟で公安警察の立ち会いの元で再度測定する事になった。


今回は永人は測定しない。何故なら場所が場所だけに、子供には良くないと考えての事だ。いくら能力があるとは言えまだ幼い。大川氏は出来れば…と言ったが、母である私が許可しなかった。

夫も永人はまだ自分を超える能力は無く、自分だけで十分だと言い公安警察側を納得させた。


そして能力測定から明らかにウチへの監視が厳しくなった。何故なら政府は夫の能力がここまでとは思っていなかった様で、目の当たりにして危機感を持ったようだ。夫は基本温厚な性格で争いごとは望まない。どちらかと言うと性格的には私の方が好戦的だ。


「今まで能力を見せる事が無く、大人しく過ごされ問題ないとされていたのでしょう」


ウチに報告に来た井鷺氏はそう言い監視の目が増えるが、日常生活に支障のない様にすると約束してくれた。政府の考えも分かる。得体の知れないものがあれば警戒するのは至極当たり前の事だ。申し訳なさそうな井鷺氏に大丈夫だと言い電話を切った。


そして日常が戻って来て


「えいちゃん!」

「おばあちゃんいらっしゃい」


お盆になり母が田舎からやって来た。空港まで家族でお迎えにきている。母の荷物を夫が運び母は永人と手を繋ぎ駐車場まで向かう。今回の母の滞在は5日。病院の休みを利用して来てくれた。

母が我が家に泊まりに来たのは永人を出産した時のみで、基本私が帰省する形を取って来た。

今の家に来るのは初めてで母は少し緊張している。

今の家は戸建ての4LDK+Sで小さいが庭があり広い。ご近所からはウチは裕福な家だと思われているようだ。実際はこの家も車も政府から貸与されている物で自分たちの所有物では無い。

夫は故郷のクラトスカ王国との輸出入に関する書類の翻訳を主な仕事にしており、収入は世間一般の世帯より多い。


『クラトスカ王国の公用語なんて普通の人が読み書きできる訳ないからね』


お陰で私は専業主婦をさせてもらっている。本当の事を言うと外で働いた方が性に合っているが、悋気が強く私が異性に会う事を嫌う夫の事を考えやめた。それに夫が問題を起こさない様に大川氏からも家にいて欲しいとお願いされてしまった。

そんな私の事情を知らない親友の絢美は


『結婚するとこうも変わるかね…』


と不思議がっていた。私は夫に会うまで彼氏はいた事はあるが結婚願望が全くなく、”お一人様”を貫くつもりでいた。そしておなじ考えの絢美と老後は同じ介護施設に入る約束をしていたくらいだ。

結婚後に夫と初めてあった絢美は悋気の強い夫に苦笑いしていた。

絢美とは頻繁には会わないが連絡は取っていて、詳しくは話せないが夫の愚痴を聞いてもらっている。そろそろ息抜きにランチに誘おうかなぁ…。運転しながらそんな事を考えていたら


「明後日は知り合いに会いに行くから、最寄りの駅まで送迎お願いできる?」


母がいきなりそう言い私は驚く。ずっと田舎で生活してきた母に都心に知り合いがいるなんて知らなかった。妙な胸騒ぎがしたが母の願いを聞き3日目は予定外にフリーになってしまった。

お読みいただき、ありがとうございます。

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