表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/36

27.最悪の出会い

夫との出会いを思い出し…

「きゃぁ!ちかん!」


顔を近づけられ人生で初ビンタを繰り出す。相手の男は背が高くビンタは頬では無く顎にヒットした。男は怯む事なく私の手を取り何か言ったが、興奮して助けを呼ぶ自分の声で何を言ったのか全く聞こえなかった。

逃げるのに必死な私の視界に、黒スーツ姿の男性が3人ほど駆け寄って来るのが見え助かったと思った。しかしそれは悪夢の始まりで、その黒服男達は私とちかん男を取り囲み黒服①がちかん男に


「間違いありませんか?」

「うん。間違いない。あー期限ギリギリで正直無理かと思ってた。やっと見つけたよ」


そう言いちかん男は私に抱き付く。男は身なりがぼろぼろで臭いと思いきや、爽やかな香りがして驚く。心の中で


『香水着ける気があるなら身なりも気を使えよ』


と心の中で悪態をついた。そうこうしている間に黒服が増えていて、その上男に抱き上げられそのまま車に拉致られる。誘拐若しくは強姦目的の拉致だと思った私は、車内で力の限り暴れて叫んだ。しかしひ弱そうに見えた男は全く動じず私を抱え込んでいる。叫び過ぎて声が出なくなると黒服①が


「信じ難いと思いますが我々は貴女に危害を加えるつもりはありません。怪しい者に見えるでしょうが我らは公安警察の者です」

「この状況で誰が信じるの!私は何もしていないわよ。納税もしている一般人。おロープ頂戴するような事はしていません!」


そう叫ぶも誰も聞いてくれない。必死で逃げる手段を考えるが、有名なホテルの一室に拉致られ、黒幕(ボス)…もとい公安警察の偉いさんが待っていて、私に頭を下げ名刺を差し出した。

ずっと頭の中で警報音がなり、本能が”逃げろ”と叫んでいる。しかし黒服①~⑩に囲まれ絶望的な状況だ。


「お嬢さん落ち着いて下さい。納得いく様にご説明しますから」


黒幕は焦りながらそう言うが信用できる訳もなく、囲む黒服に体当たりし抵抗する。どの位対抗していただろう。とうとう力尽きその場にへたり込んだ。すると黒服①が私に手を伸ばし起こそうとしたら…


「!」


目の前から黒服①が消えた。そして少し離れた所に着地?した。意味がわからず見ていたら、ダークグレーの三つ揃えのスーツ姿の美丈夫が目に入る。その美丈夫は黒服①を睨みつけ


「彼女に触れるな!」


そう言い美丈夫は私の前に立ち視界を遮った。もーキャパオーバーどころでは無く卒倒寸前の私に、美丈夫は膝を着き私に視線を合わせた。私を見つめる瞳は見覚えがある。その瞳は高価な宝石の様に澄んでいて、青みがかった濃紺。これは…


「さっきのちかん?」


そう言うと黒服①が小さく笑う。そして美丈夫はその通りだと言い私に手を差し伸べた。この出会いが私の人生を大きく変える事になるなんてこの時はまだ知らず、ただ怪しい男の綺麗な顔を見つめていた。

お読みいただき、ありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。


『いいねで応援』もポチしてもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ