義眼の瞳 「連載作品」第二章潜入続
講演が終わり、依頼者の勇希と透が出口に向かって歩きだした時
「勇希君! 勇希君でしょ! 久しぶり!」と突然背後から元気な明るい女性の声に呼び止められた。
背後を振り向くと快活な声の割に見た目は美しくそして背の高い女性が立っていた。
『やたら親しげだな、依頼者の友人かな?』と勉は言った。
「どうかな、その割には依頼者は少し困った感じだけど」と透は呟く。
「お久しぶりです。優実さん」と依頼者の勇希は答えた。
「今日はどうしたの? 何時もは誘ってもミ一ティングには中々こないのに? 義眼にしたくなった?」と女性は明るく言った。
「いや、僕は別に今のままでも不自由ないのでわざわざ義眼にするつもりは…」
「そうなの、まだ若いしねゆっくり考えればいいよ、それにしても勇希君の隣にいる彼はお友達?」と優実はいった。
「はじめまして、私は透といい勇希君のお姉さん志之さんの知り合いです、勇希君がお姉さんが失踪して心配していると言う話を聴き、今日は何かお姉さんの手掛かりがないかとこちらに伺いました。」
「そうなんだ、私達も志之さんが失踪してから色々探したんだけど駄目だったわ」と女性は急に悲しそうに言った。
「よければ今度お茶をしない? お姉さんが何をしていたかも交えてこのビジネスの話も詳しくできますよ。」と女性は言った。
「わかりました、では後日お願いします。」と透は言った。
二人は会場を後にした後に勇希に透は訪ねた。
「勇希君、君に対してやたら馴れ馴れしく昔からの友人の様に彼女は君に話かけてたけど、彼女と君はそんなに仲がいいのかい?」と透は勇希にきいた。
「いえ、まだ会うのは今日で2回目です、よくLINEにミ一ティングの誘いはきますが、あそこの人達は妙にフランクというか壁がないんですよね」と勇希は言った。
「なるほどね」と透は呟きニヤリと笑った