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勉と透の事件簿 探偵現る  作者: つとむん
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義眼の瞳 「連載作品」第二章潜入

「さて、そろそろ時間かな」と透は立ち上がり店をでた。


街は休日の土曜日だというのに静まり返っていた。


昔はさかえていたのだろう。

しかし、今はどの店もシャッターがおり俗にゆうシャッター商店街となっていた。


この商店街の一角のさびれた建物の中に、その場所はあった。


『何か緊張してきたな』と勉

「別に対した事はないさ、大事なのは空気に飲まれないことだ」と透はニヤリと笑った。

 

「あ、透さん!」とそこには笑顔の青年が立っていた。


彼は依頼者の高嶺 勇希


彼は今回この義眼ビジネスに関わった姉が失踪した事件に関して依頼をしてきた依頼者である。


今日は義眼ビジネスの集まりがあるらしく、このビジネスで成果をあげている人の講演があるらしくそこに潜入と捜査の為にきたのだ


「忙しい中ありがとうございます」と依頼者の青年はいった。

年齢はまだ19歳になったばかりだというのにしっかりしている。

清々しいまでの好青年風の見た目をしている。


「いや、この先に行きつけのカフェがあってね、そこで時間を潰していたから大丈夫だよ、それにしても何時も来ていたカフェの近くでこんな事をやってるなんて、知らなかったよ」と透は言った。


「そうなんですね、それはまた面白い偶然ですね」と青年は言った。


「まあ見ようとしなければ、見えないからね、じゃあ行こうか」と透。


「あっ、はいではこちらです」

と二人してビルの階段をのぼっていった。


3階まで登ると入口前に受付があり、そこでチケットを買って中に入った。


中は想像以上に賑わっていた

簡易的ないすが横に15列縦に8列ならんでおり、その前には膝上高さくらいの小さな講演台があり両サイドには簡易的なスピーカ一があった。


では座りましょうかと透と青年は入口付近にある椅子に腰掛けた。


しばらくすると場内は静まり返り、講演者の男があらわれた。


ステージには白いスーツを着た講演者が立ち、背後には金の輪のロゴが描かれたパネルが掲げられていた。

そのロゴの中心には、“LUX CIRCLEルクス・サークル”という名が輝いていた。


拍手が静まると、講演者はゆっくりと語り始めた。


「皆さん、ようこそ。

 本日は、“損失は、美”をテーマに、我々《ルクス・サークル》がどう生き方を変え、目の価値を変えてきたかをお話しします」


客席には、虹色に輝く義眼をした人、模様の入った義眼をアクセサリーのように魅せている人など、華やかな義眼ユーザーたちが集っていた。


「“見えないこと”を恐れる時代は終わりました。

 私たちは、失った視覚を、テクノロジーと美意識でアップグレードする。

 そして、それを社会全体に伝えていくことで、真の意味で自分を取り戻すのです」


大きなスクリーンに、美しいデザイン義眼のコレクションが映し出される。

宝石のようなもの、蓮の花の模様、星空のようなデザイン――すべてが“見えない美”として昇華されていた。


「“痛み”や“喪失”は、人生の宝石です。

 それを隠すのではなく、見せる。誇る。伝える。

 その生き方を支えるのが、ルクス・サークルです」


ステージが切り替わり、**“参加の流れ”**と書かれたスライドが出た。

初心者向けに、やさしく丁寧に語る口調に変わる講演


「私たちの仕組みはとてもシンプルです。

 自分の義眼を選び、登録することからスタートします。


 そして、あなたが義眼の素晴らしさを人に伝えることで、

 あなたの紹介で義眼を選んだ方が増えるごとに、ポイントが加算されます」


スライドには、以下の図が表示されていた:


【LUX CIRCLEの仕組み】


義眼の購入(自己表現のスタート)


“ビューティーパートナー”に登録(無料)


友人に義眼を紹介(ポイント加算)


紹介がつながるほど報酬とステータスが上昇


「“ポイント”は現金化もできますし、次の義眼コレクションへの割引チケットや、コミュニティ内イベントの優待券としても利用できます。

 つまり、あなたの“美しい選択”が、あなたの人生を豊かにしていくんです」


客席からどよめきが起きる。


「この《ルクス・サークル》は、ただのビジネスではありません。

 あなた自身が“損失を美に変える”文化の伝道師となるのです。

 世界中の人が、自分の傷を誇れる社会を、共に作りませんか?」


講演が終わると人々は立ち上がり帰り支度をするもの、挨拶まわりをするもの、片付けをするものにわかれた


『どう思う透』と勉はいった。

「まだわからないさ、これだけではね」

と透はいった。

続く

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