65 永遠に
ウィンザルト国を攻め落として、五年以上が過ぎ戦後処理も終わった。
私は十八歳になった。正確には卵から孵化して出てきた年数だから、この世界に来て十八年という意味であって、人間化させられた私の年齢はよくわからない。でも、人間の十八歳くらいと同じくらいの容姿らしい。
六つ年上のアルタイルは、二十四歳になり先日、騎士団長に昇格した。
彼の目標だったところまで辿り着いたということだ。
アルタイルは、騎士団長になれたら私と結婚しようと思っていたようで、昇格が決まるとすぐに結婚式の日取りを決めてしまった。
背中に大きな傷を持っていた私だったけれど、アルタイルが一生懸命、訓練と称し治癒魔法も習得してくれたおかげで完治することができた。傷があったとは思えないくらい、綺麗に治してくれた。
アルタイルは傷があっても気持ちは変わらないと言っていたけれど、私が「背中の広く開いたドレスが着られないわね」と侍女のマーサに話をしていた内容を聞きつけ、好きなデザインのドレスを着られるようにと数年かかって治癒魔法を習得してくれたのだ。
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結婚式当日。
レクナ王国の国王陛下、王妃陛下、ヴィクトル王太子殿下、キアナ王女殿下に加え、騎士の方たち、サーマン公爵家の人、ベルガモット公爵家で働いている人、騎士団員も交代で祝いの言葉を伝えるために足を運んで、私たちの結婚を祝ってくれた。
招待客の中には、元ウィンザルト国にいた精霊王の名前もある。
戦後処理の中で、精霊王は精霊の一人娘がザイン王子殿下に捕まってしまい、幽閉されていたということが発覚した。ウィンザルト国の王族に緑や自然を愛して、精霊と共に共存していく未来について話し合う場を設けた時に囚われ、従わざるしかなかったらしい。卵で精霊を作り出しては、いとも簡単に捨てられていく同胞を助けられずに嘆いていたと懺悔していた。
人質をとられてしまった精霊王は、意に反することになってしまいながらもウィンザルト国に利用される存在になってしまっていたのだ。だから、ウィンザルト国の王族を捕縛して戦争が終わった後に、幽閉されていた娘の精霊は無事に保護されて精霊王の元に帰ることができたそうだ。
私の花嫁衣裳を見ようと、絵画の中に一緒に貼り付いていた精霊たちもこの場に集まってくれた。絵画に貼り付いている時に私が毎夜、語っていたレクナ王国に興味を持ちいつか訪問してみたいと思っていたそうだ。
どうやら、この国に移ってきた精霊もいるようで、時々だけれどベルガモット公爵領でも精霊の目撃情報が耳に入るようになってきた。
今は、元ウィンザルト国をレクナ王国が統治しているのだから、時間はかかるけれど自然を愛し、大切にしていけば精霊たちの力もまた強くなるとだろうと精霊王は言っている。そういう日が将来やってきたら、目隠しができるようになるだろうから人の目には見えなくなるだろうけれど、常に人間とともに共存しているのだと教えてくれた。
アルタイルと私は、満面の笑みで微笑み誓いのキスをすると会場が湧きたった。
この場にいる全ての人、いなくても陰ながら支え続けてくれた人たちに向けて感謝を伝える。
今日という素晴らしい日を迎えられたのは、私とアルタイルだけの力ではない。
みんなの幸せを願いながら、私たちももっと幸せになろうねと私とアルタイルは永遠の愛を誓い合った。
完
完結までお読みいただき、作品を手に取っていただきましたことを心より感謝申し上げます。
クレアとアルタイルの物語を最後まで見届けていただきましたことを本当に嬉しく思います。
また別の作品でお会いできれば嬉しいです。
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