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64 贈り物

 私とアルタイルの婚約が決まると、ベルガモット公爵家で働く人たちだけでなく、国王陛下、ヴィクトル王太子殿下、キアナ王女殿下、お世話になった騎士の方々から祝福の言葉をいただく。


 私がレクナ王国に戻ってきて一週間が経った時。

 アルタイルが一つの小包を持って、私の部屋を訪れる。


「クレア……この小包が届いたんだが……オレの名前とクレアの名前の連名になって送られてきているから、一緒に開けようと思って」


 送り主は『魔女K』と書かれている。

 アルタイルも魔女Kの助言があったからこそ、卵工場を破壊することができたのだと話してくれている。

 私は、アルタイルの母親のローラが元精霊で彼女の代から助けられてきているみたいと伝えると、アルタイルもローラが持っていた紫色の魔石が無かったら、私の命を助けることができなかったと教えてくれる。


 私たちの知らないところで、実は見守りながら助けてくれたのは魔女Kの存在だ。


 アルタイルが包みをはずし、箱の蓋をゆっくり持ち上げると空中に映像が浮かび上がる。前世でいうところのホログラフィーのような感じだろうか。そこに映るフードを被っている若い女性が魔女Kなのだとアルタイルが教えてくれる。


 その映像を眺めていると、こちらに向かって話かけてくる。


「アルタイル~、クレア~元気しているようね! アルタイルにはウィンザルト国に盗まれてしまった私の魔石を破壊してくれたこと、本当に感謝しているわ! クレアも大変だったけれど、またレクナ王国に戻ってこられて良かったわね。婚約もおめでとう!! 私から二人にプレゼントよ!」


 そう言われたので、箱の中を覗き込んでみると一つの紫色の魔石が入っていた。


「アルタイルが持っている魔石と同じ魔石よ。お揃いだから、クレアの指輪をその魔石で作るといいんじゃない? 今は、別の国にいるんだけれど、またいつか会いましょう! じゃあね!!」


 そう言うと、映像はスッと消えてしまった。


「同じ魔石……」


 私は箱の中の紫色をした宝石のように美しい八角形の魔石を受けとる。


「魔女K様、ありがとうございます」


 消えてしまった映像に対して、私はお礼を伝える。

 アルタイルが持っている魔石を胸ポケットから取り出すと、大きさも形も色味も全く同じだった。


「完全に同じ物に見えるな。この魔石には何度も助られた。魔女Kからのプレゼントだから、じゃあこれを加工して指輪を作ろうか?」

「えぇ! 是非お願い!!」


 思わぬところからのプレゼントで、私もアルタイルも顔を綻ばせる。

 魔女Kは神出鬼没だとアルタイルから聞いている。

 いつ姿を現すかわからないけれど、直接会える機会が来た時にお礼を伝えようと思い、彼女の優しさと贈り物に感謝した。

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