23 倒れた三人
ランバートは、王城の医務室に駆け込んだ。
大きい寝台には、三人横たわっている姿が見える。
傍に国王陛下と泣き崩れる王妃陛下がいることにより、殿下が大変な状態だとわかる。
「!!!」
私は、横たわる三人の顔を見て目を瞠る。
何と一番奥にいるのは、大好きなアルタイルの苦しむ顔だったからだ。
それから、視線を移すとヴィクトル王太子殿下、キアナ王女殿下も寝台に横たわっているのがわかる。
「アルタイル!! クレアが来てくれたよ!!」
ランバートは、寝台の上のアルタイルの傍に私を下ろしてくれる。
ゼェーハーと荒い呼吸の音を聞くだけで、彼が今辛い状態なのだとわかる。
私はアルタイルの横たわる胸元に同じように横たわり、彼を今までで一番強くハグする。
私が傍に来たことが伝わればいいと思ったからだ。
それでも、もちろん目をぎゅっとつぶっている状態から依然として変化はない。
「アルタイル!! 私、ここに! 傍にいるからね!!」
今度は彼の肩まで歩いていき、耳元近くで叫んでみるけれど、やはり意識は朦朧としているようで反応はない。
「何があったのですか?」
私は、振り返ってランバートに尋ねてみる。王城のパーティーで何が起こったのか知りたかった。
「飲み物に毒を盛られたようだ。恐らく乾杯のグラスだと思うが遅効性の毒だったようで、三人とも始めは会話を楽しんでいたのだが、終盤にほぼ同時に倒れたのだ」
(毒……私には全く知識がないのだけれど、どんな毒なのだろう)
傍にいる王宮医師が、毒を特定したようで詳細を語ってくれる。
「国王陛下、王妃陛下。毒の特定ができました。これは、北のウィンザルト国の植物の毒です。ゆっくりと身体が蝕まれて、一か月ほどで命を落とす……というものです」
「解毒薬は?」
国王陛下は冷静さを失うことなく、解毒薬について確認する。
「恐れながら申し上げます。これはウィンザルト国にしか自生しないラナ草という植物の毒です。解毒薬は存在していて、調合方法も知られておりますが、我が国で調合に必要な材料を手に入れるのは極めて困難です。取り急ぎ、ウィンザルト国から解毒薬を送ってもらうしか手立てがございません」
「ここに来てウィンザルト国とはな。先日、かの国の王子殿下たちが帰国したばかりだというのに……わかった。急ぎ、解毒薬を送って欲しいと手紙を書く故、早馬を出せるようにしておいてくれ」
まだ一か月の猶予はありそうだけれど、ウィンザルト国から運び込むのであればあまり時間がないのかもしれない。
しかも三人分もすぐに用意できるのかという不安もあるし、解毒薬を飲む順番はどうしてもヴィクトル王太子殿下からであって、アルタイルは最後になってしまう。
私が考えていることをランバートも考えているようで、歯をギリリと噛みしめているのがわかった。
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