14 アルタイルとの触れあい
「クレア! 何しているの??」
私がドールハウスの前の噴水横でストレッチをしている時。
アルタイルは私の新しい行動が気になったようで、声をかけてくれる。
「王宮の書庫で調べてみたんだけれど、やっぱり精霊なら飛ぶ事ができるみたいなのよね。私が人為的に作られた卵から孵化したとしてもできるみたい。まぁ、羽の欠陥があった可能性もあるからわからないのだけれど、ひとまずできることはやってみようと思って、羽の付け根をほぐして筋肉をつけてみようと思っているの」
「えらいね、クレア! ぼくは君がどんな姿でも大好きだから別に飛べなくても構わないと思っているけれど、クレアが飛んでみたいと思っているのなら、ぼくは全力で応援するし手伝うよ!」
「アルタイル! ありがとう!!」
私が挑戦しようとしていることを後押ししてくれるアルタイルが私は大好きだ。私の意志を尊重してくれる優しい心根にいつも助けられている。
「クレア! ぼくの膝においで。羽の付け根を優しくマッサージしてあげるよ」
私はアルタイルの提案を受け入れて、アルタイルの膝の上に乗ってうつ伏せに寝っ転がった。
小さな手で優しく羽を傷つけないように細心の注意を払いながら羽の付け根を揉み揉みと押してくれる。
「どう? 痛くないかな?」
「う~ん。とっても気持ちいいわ!」
力加減も難しいはずなのに、アルタイルは私の好みの強さを知っているかのように上手にほぐしてくれる。
「ぼくが毎日マッサージしてあげるから、他の人にはクレアの身体触らせないでね。お父様でもダメだよ!」
「うふふふ。わかったわ。きっとアルタイルが一番上手だもの」
「他人が触って、クレアの綺麗な羽が傷ついたらぼくが悲しいから。ぼく、クレアの光加減で何色にも見える羽がとっても好きなんだ。シャボン玉みたいだし、とっても美しいしクレアにしかない色だと思ってるんだ」
「そうなのね。じゃあ、飛べなくても大切にしないといけないわね」
「うん。ぼくはクレアの全てが大事なんだよ。決して忘れないでね!!」
「ありがとう」
私とアルタイルは人間と精霊という種族の違いを感じさせないくらい、お互いの存在が日増しに大きくなってきていることがとても嬉しかった。
(こんな日がいつまでも続いたら、幸せよね……)
頭の中では、いつかアルタイルは公爵家の跡取りとして素敵な女性と結婚して家庭を築いていかないといけないとわかっている。
でも、今は少しでも一緒にいて大事にしてくれるなら、それで満足しないといけない。
六歳の子供のアルタイルにはまだ貴族として背負っている物は見えていないのだろう。それに否が応でも従わないといけない時期がいずれやってくる。
(せめて、それまではアルタイルと一緒に過ごせたらいいなぁ)
そんな風にぼんやりと考えながら、アルタイルの優しい指が背中を触ってくれるのを嬉しく感じていた。
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第一章の出会い編はこのお話までです。次回から、事件が発生する第二章に突入します。
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