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苦手な方はご注意ください。

【読切短編】バレンタイン・公爵令嬢は転生したい

作者:中兎伊都紗
「サラマンディアはチョコ好き?」

「……。食べたことない」

 お酒は好きだが、人のご飯やお菓子はあまり食べたがるイメージがない。甘いものが嫌いだったら可哀想なので、念のため聞いてみる。

「甘いものは好き?」

「お酒なら」

「そっか!お酒入りのチョコ買ってきたけど、食べる?」

 サラマンディアは無言で頷く。

「紅茶いれるから一緒に食べよ」

「このチョコ、お酒強くて美味しい」

サラマンディアはかなり気に入ってくれたようだ。
私はお酒が弱いので、ちょっと胸が熱い。

「良かった。お酒入りって書いてあったからサラマンディア喜ぶと思って」

サラマンディアは無言で頷き、立ちあがる。
釜を開け、失敗したショコラケーキを取り出し、一口食べる。

「これも美味しいよ」

サラマンディアは悪戯な小さい笑みを浮かべ、見つめてくる。
失敗したケーキを見られた恥ずかしさや、失敗したのに食べてくれた嬉しい感情がぐちゃぐちゃになる。ショコラケーキのように爆発しそうだ。お酒入りのチョコのせいでさらに顔が熱くなる。
 以前(第53話参照)も思ったが、サラマンディアは女の子の喜ばせ方を知っている気がする。
 失敗した手作りケーキを食べて貰い、美味しいと言われ普通に嬉しい。

サラマンディアが少しふらついている私の肩に右手を置き、左手で頬に触れる。

「熱いけど、大丈夫?」

「大丈夫。ちょっとお酒で熱くなってるだけだから」

お酒で頭がぐわんぐわんとしてきた。頬に触れた手が冷たく感じて気持ちが良い。火の精霊なのに、性格も温度も反対だ。

「これ食べて」

サラマンディアが丸いチョコを口に押し込む。左手の親指も一緒に口の中に入ってきた。チョコと一緒に指を少し噛んでしまった気がする。お酒のせいで意識がぼやけはっきりしない。
第1話 バレンタイン(1/3)
2023/02/13 23:39
第2話 バレンタイン(2/3)
2023/02/13 23:41
第3話 バレンタイン(3/3)
2023/02/13 23:42
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