表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編とかその他

みんなが普段から食べているもの

作者: リィズ・ブランディシュカ



 自分の部屋でペットに餌をやっていた。


 この子は、自分と似た顔をしているから親近感がすごくわくんだ。


 そしたら、「ごはんよー」というお母さんの声がする。


 ご飯の時間だ。


 ダイニングにむかった僕は、ご飯を食べる。


 行儀よく、テーブルについて「いただきます」と食べる。


 むしゃむしゃむしゃ。


 食べ物をこぼしたりはしないよ、バチあたりだからね。それにもったいない。


 おいしいな。


 食べる事は好き。


 なんでか分からないけれど、子供の頃から食べる事がずっと好きだった。


 たくさんご飯を食べれるって幸せだな。


 そう思って食事を終えて、自分の部屋に戻る。


 ペットはなにか喋りながら、ケージの中で遊んでいた。


 僕はそれをぼんやり見つめる。


 他にやる事ないからね。


 僕には友達がいないから、ペットくらいしか遊び相手がいないんだ。


 だから僕は色々な玩具でペットと一緒に遊ぶんだ。


 ペットには寿命がある。


 何百年も生きる僕達とは違って、たった百年ぽっちで死んじゃうらしい、


 場合によってはその半分も生きられない場合があるとか。


 かわいそうだな。


 もしこのペットが死んじゃったら、僕はどうすればいいんだろう。


 はぁ、その時のことを考えると憂鬱だな。


 また新しいペットを飼うなんてこと思い浮かばないよ。


 だって、こんなに仲良くなっちゃったんだから。







 数日後、僕はふと疑問を覚えた。


 そういえば、毎日ご飯を食べてるけど、このご飯っていったいどこからやってくるんだろう。


 さすがにハンバーグとか焼き魚がそのままの姿で自然にいるってわけじゃないだろうし。


 見た事ないんだよね、元の姿。


 テレビとかでやれば、きっと勉強になるのに。


 なんでだろうな。


 首をかしげていたら、お母さんが僕に話しかけてきた。


 お父さんの職場を見学しにいかない?


 とかなんとか。


 僕がよくご飯を食べるから食に興味があると思ったのだろう。


 お父さんは食品を加工している会社に勤めている。


 僕は「うん」と言って、支度をしたあと、お母さんについていった。


 そして、工場に到着。


 見学カードをもらって、透明なケースにいれた後、首からひもでぶらさげる。


 そして、キレイに吹き掃除されたガラスから工場を回っていく事になった。


 そこで働くスタッフさんが、丁寧に説明してくれる。


「むかし食料が少なくなって、みんなが食べるものがなくなっちゃったの。だからもともとあるものを、利用しようって大人達が考えたのよ」


 ガラスの向こうで、小さくて愛らしい何かがうごめいている。


 よく目をこらしてみた。


 そこで見たものは……。


「ねぇ、お母さん。どうしてペットショップにいるペットが工場にいるの」


 僕は泣きながらその光景を指さして、聞いていた。


 僕達を似た顔をした、親近感のわくそれらを。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ