幕間 領主の屋敷では
シュエリーは自分の部屋で視察で移動の疲れをとるために休んでいた、すると扉のノック音が響く
「お嬢様、入ってもよろしいでしょうか」
「どうぞ」「失礼します」
入ってきたのは領主の護衛のペスト、シュエリーの前に跪いて一冊の絵本を差し出す
「こちらがお頼みになられた物かと思われます」
「ペスト、ありがとうございます」
シュエリーは嬉々としてお礼を言って読み始める
ペストは退室してお仕事に戻る
シュオルターとペストが視察の考察を行っていて宿屋の話が出た時だった
「そういえばシュオルター様」「なんだ?」
「キーア様がお呼びになられた、オルターの呼び名について何も返されませんでしたがよろしいのでしょうか?」
「あぁそのことか、そのままで大丈夫だ
今までわたしのことを気安くあだ名で呼ぶ者などいなかったからな新鮮だった、それに少し嬉しかった…」
「フフフッ」「なんだ?おかしいか?」
「いえ、お嬢様も同じことをおっしゃっていたもので」「シュエリーもか?」
「それは嬉しそうにしていましたよ」
「そうか」
シュオルターも優しい顔になって反芻していると
ガチャリとドアが開いた
「ただいま~♪戻りました~♪」
鼻歌を歌いながらアイナが入室する
「姉さん!ノックは忘れないように!」「は~い」
「戻ったか、武器と防具は見繕えたか?」
「はい~!キーア様たちに合った最高の品を薦めてしまいました~!」
「はあ~またか…相手の金銭事情も考慮してやらないと期待持たせるだけで可哀想になるぞ」
「それだからアイが援助してあげようとしたのですが~大丈夫でした~」
「大丈夫って!いくらだったんだ?」
「全部で大金貨1枚と金貨6枚と銀貨15枚ですね~、なんとですね~あの武器の店主さんが値引きを行ったのですよ~!」
値引いてもらってその値段なのかと二人は吹き出した、良い装備揃えても半分いくことは少ないだろう、考えられるのは重装備か補助アクセサリーの大量買いくらいだ、二人はキーアを思い浮かべたがそれは無いと冷や汗が出てきた
「まぁいいや、姉さん随分ご機嫌なんだね?名前を覚えているなんて珍しいね」
「はい~あの二人すごく面白く可愛いです~、気に入っちゃいました~」
「姉さん僕と雇い主の名前は?」
「馬鹿にしないで下さい~、しゅ、シュ~?シュ~オルター様とベストさんですね~」
アイナはドヤ顔している
「主人の名前がパッと出ない上に発音が…
双子の弟の名前が間違われた!?」
「あれ~違いました?」
「はっはっはっは!仕事も優秀だしいいじゃないか!」「ですね~~」
「自分でいうこと!?えっ僕どうでもいいの!?」
「そんなことよりもアイナ、キーア殿は?」
「えっ?頼ました案内が終わりましてお店を出たら反対側へと歩いていきましたよ?」
「えっ!装備整えたら一度戻ってくると思っていたが…、シュエリーが悲しむかな…」
「もしかして~引き留めた方がよろしかったのですか~?」
「いや、キーア殿に依頼をしているのでまた来るだろう…」 不安そうに言う
「大丈夫です!続きのお仕事終えちゃいましょう!」
ペストも切り替えて彼女の帰りを願うのであった