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神子と女神の冒険  作者: スルー
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第2幕

 キーアは鼻歌を奏でながら大きな通りを真っ直ぐに目を輝かしながら歩いている、サウリューネは周りを見ながら脳内に地図を描いていく。

 歩く方向が固定な上に目に入る看板や文字を見ないキーアにサウリューネは不安になってくる

『あの?どちらに向かっているのですか?』

「ん?ギルドだよ!冒険者登録しないとね」

『場所はわかっているのですか?建物までは私も存じてないのですが…』

「わからない!でも大丈夫なんとかなるよ!」

サウリューネは更に不安になるがキーアの言葉で同様になんとかなってくれそうな気持ちが膨らんだ

 30分ほど歩いていると細い通りから何か悲鳴がきこえた、周囲の通行人は気にも留めていない

 キーアは迷いなく通りに入っていく、すると3人のガタイのいい男達が男性の口を一人が持ち上げ塞いで二人がニタニタと殴っていて男性は痣だらけだった

「何してるの!」キーアは言いながらも背中の剣を取る、『キー様杖で!』すぐに剣を戻して、腰に差した杖に持ち替えて膝辺りの裏を叩いた

「あっ!何だ!ぎゃあぁぁぁ」男性を持ち上げていた男は振り向き様に悲鳴をあげて持っていた男性を手放して通路の向こうへと吹っ飛んでった

『キー様先ほどの通りへ!』「うんっ!」

地面に伏した男性を担ぎ上げて来た道を戻って通りに出る

残った二人も追いかけてきたが通りに出る前に追い着けないと知ると引き返していった

 通行人達がいきなり気絶したボロボロの男を担いだ少女が露路(ろみち)から出てきて「何だ何だ!」と足を止めてみてるが気にせずに男性を降ろして杖を構えて「エエイッ!」

すると男性の痣が消えていき、呻き声に変わって寝息となっていった、キーアは「ふぅ~」と安堵の息を吐いて「どうしたらいいかな?!!」と大声で言った

「「「「えーーーーー!!?」」」」

周囲から驚愕の声があがった

『まずは警備をしている者がいるとおみょいますのでその人に報告するのがよろしいかと思います』

「ありがとう

誰か警備している者がいますかー!」

キーアは周囲に声かける

『あぁぁ…者って…』

誰かが呼んでくれたのか、騒ぎに駆けつけたかカチャカチャと門番みたいな人が走ってきて

「何がありましたか!!」

と状況を確認しているけど寝ている男性と少女が一人いるだけだ、警備兵は首を傾げて

「あのね、そこの道に男がいてその男の人を叩いたから叩いたの」

警備兵は混乱した

「あにょですね、そこにある露路でですね、3人の男がしょこにいる方に対して非道いことをしていたのです、それをキーさ…(わたし)が助けて回復させてあげたのです」

「えっ!あっハイ、ワカリマシタ。

少しお時間よろしいですか?お話しを窺いたいのですが…」 警備兵の人は鳩が豆鉄砲を食くらったような顔をしていたが持ち直して提案してきたので了承して少し離れた建物に入り机と椅子だけ置いてある一室に通された、お茶をだされて詳しい話を求められたのでサウリューネが引き続き3人の男についても詳しく教えていく、次第に警備兵の顔が険しくなっていき

「お嬢さんは一人なのか?もしかして冒険者なのかな?」と問いかけられる、サウリューネは何で今?と疑問を感じるが素直に門番に話した内容を伝える

「俺はヒューゴという、街を警備する仕事をしているが」そこで区切ってため息を吐いて

「そうか…君たち?が相手したのは恐らく犯罪者らだ!最近、上手くいかない商売人を相手に騙し行為を行って終わったら裏で消しているという」こんな子どもにきかせることではないが、当事者であり巻き込まれる可能性が高いからだ、更に冒険者になると言うのであれば正確に伝えるべきだと判断した

「そうですか…悲しいことですね、しかし一人でも助けられたことはよかったです」

「よくわからかったけど、結局どういうこと?」

「ふふっ♪キー様は難しく考えなくてよいのですよ、さっきのしゃん人は悪い人で人助けをしたということですよ」

警備兵の人にも分かりやすいように表で会話する

不思議そうな目で「言ってた通り別人なんだな」とすぐに受け入れてくれた

 男は少しの間保護するそうで、ヒューゴは情報提供のお礼ということで食事を奢ってくれるそうだ

 建物を出た時ヒューゴが隣の大きな建物を指差して「あれがギルドなっ」と向かいのお店に入っていく

『キー様すごいですね!』

「えっ?何が?」とヒューゴの後に続いたのだった


 席の間隔はかなり広い、ギルドの側にあるだけあって安く量があって情報を漏らしにくい冒険者向けのお店だ、兵の人もチラホラ見える

 ヒューゴが何品でもいいぞと言うのでキーアは次々にメニューを口にしていく、4品を超えた辺りからヒューゴさんは無口になって10品からポーチから業務財布と自分の財布を出して中を確認している

「キー様キー様、もう止めてあげて下さい」

「えっ?何で?これも食べたいよ?」

「また次の機会に食べましょう」

「うーん、分かった!」

ヒューゴは涙目でサリューに感謝の念を送った

報酬としては店の半分は頼まれても足りないくらいの功績なのだが、予想外過ぎて持ち合わせをそこまで用意してなかった

 目の前にたくさん料理が運ばれてきて、一品毎に『豪快に綺麗に』『優雅にでもポロポロとさせながら』あっという間に無くなっていく、そんな光景にヒューゴは笑ってしまう

「面白いやつらだな、今まで魔物と戦ったことあるのか?」冒険者になるなら殆ど戦いは免れないことなので心配してヒューゴは尋ねてみる

 倒した魔物をサウリューネが並べていく名前 にヒューゴは驚いた、魔物には強さがランク付けされていて★1~★5と数字が大きい方が強い★5に関しては簡単に国などが壊される強さだ、その中でも冒険者でも危険、二人以上であたることを推奨する★3レベルのグラスキッドが複数体倒されていたのだ

「よく無事だったな、奴ら速くて幻影使ってくるから視力系や守りに特化しているやつが討伐するんだ」

カウンターを狙ったりと少しずつ弱らせてから動きが遅くなったら一気にトドメを行う

「えっ?でもサリュー、あんまり強くなかったよね?」

「キー様なら一撃でしたね」

ヒューゴは目の前の少女がとても強いことが分かった

『「ごちそうさま」でした』

「半信半疑だったけど、全部を余裕で食べちゃったね」

「いくらでも食べられるよ!」

ヒューゴは乾いた笑いしか出なかった、お会計を済ませて出ると、ヒューゴはビシッと敬礼して「御協力ありがとうございました!」と去っていきました


「いい人だったね!」『本当ですね』

 向かいの建物に入っていくと外から感じるよりもかなり広かった、奥に事務を行っている人達がたくさんいる、奥行き半分の所で地面から天井までの仕切りがあり3カ所に受付があって向こう側に人が立っていた。右側3分の1スペースは酒場らしい、酒を飲んで騒いでいる人が何名かい


 一つの受付にいくと女性が笑顔で対応する

「あまり見ない顔ですね、ご用件は何でしょうか?」

「冒険者登録にきました!」

見た目14~15歳に見える少女が登録するのは事情がある場合が多いから深くはきかない

「はいっ、了解しました登録は12歳以上であればどなたでも可能です」一応の確認をとる

「よかったー、ギリギリだったんだね!」

「えっ…」

父様(ちちさま)はそのために12歳で旅立ちの許可をだっ!…したんですよ』

「あっ!そうだったんだー」

「何がでしょうか?」

サリューの言葉に相槌を打ったキーアに女性が反応する

「お父さんの許可だよ」『キー様…』

そこで女性は遊びで登録する可能性も考えた

「因みにどのようなことをしたいのですか?」

「勇者みたいに困っている人を助けるの!」

あぁー、と納得した本に影響されて無理矢理両親に頼んだんだろうと、安いが登録料も馬鹿にはできない

「分かりました、ご登録に銀貨5枚ですが大丈夫でしょうか」

 キーアは父からもらった包みから半分取り出して女性に渡した

「はいっ確かに、ではこちらに記入をお願いします」

キーアは文字は読めるが書けなかった

「サリュー書ける?」

『はい、大丈夫ですよ代わりますね』

「サリュー?」

(わたくし)の名前でございます」

名前・年齢・一人で倒せる最高の魔物ランク・得意分野 の項目があった

「サリューさんと言うのですね、私は『アネル』と申します、よろしくお願いします。

 魔物ランクは倒してないなら無記入で大丈夫です、これからの討伐によって更新していきますから」

 記入し提出してキーアに代わる、それをみてアネルは固まってしまった


名前:キーア・トイエック、サリュー

年齢:12歳

ランク:★3

得意分野:剣・杖で叩く。回復、剣、槍、斧、四大魔法


アネルはハッとこちらを向き「イタズラはいけませんよ!」と注意してきた

 キーアは「何?」と首を傾ける

「色々言いたいですが、名前はサリューさんではないのですか!」

「サリューはサリューだよ、私はキーアだよ?」

「ふさけないで下さい!」

キーアにアネルが怒り出すのでサウリューネが口を出そうとすると、扉が開いて声が放たれる

「やっぱりこうなったか…」頭の後ろを掻きながら鎧を着た男が近づいてきた

「ヒューゴ♪」「警備隊長!」

「よぉ、さっきぶりだな、えーと、キーアか?」

「うん!」「?お知り合いですか?」

「おうよ!あっこれ見てギルマス様によろしく」

アネルは渡された報告書に目を通している

ヒューゴはアネルの前にあった紙をひったくって見る

「うっわー、これはひどいなぁ、ははははははは。

キーアが使えるのが武器関連か?」

「ぶぅー…(わたし)は左の二つだよ」

「わるいわるい、回復魔法使えるのか?すげぇなぁー」

「ちょちょちょ、ちょとまて下さい!報告書(この)お名前って!」

「おぅ!こいつらだ」

アネルは読み終わったのか青ざめて声をあげていた

「この度はギルド職員として失礼な態度をとってしまい失礼いたしました」

ものすごい勢いで頭を下げた

キーアは何故謝られているかわからない

「ヒューゴ、さっきの紙はなんだったの?」

「あれはさっきのおまえらの活躍の記録だ」

「なんかしたっけ」『ふふふふふ♪』

サウリューネもヒューゴも何が可笑しいのか笑っていて首を傾げ続けるのだった。


 ヒューゴも仕事はもういいのか一緒にいる

「改めましてスミマセンでした、お二人の冒険者登録は完了致しました、こちらは出来るだけ身に付けていて下さい」

アネルさんにカードを差し出される、書いてあるのは名前とランク

「ギルドカードと呼ばれています、お仕事をうける際には必須となり、身分証明としても使えます

 お仕事はあちらに人が集まっているのが見えていると思いますが、内容が書かれた用紙をこちらの三つの受付口いずれかに持って来て頂くか、わからない時は言って下さればこちらが適当なお仕事を割り振ります、他にわからないことはその都度説明しますのでお訊きになって下さい」

 この後に魔物ランクついても話そうとしたがヒューゴに止められてアネルは説明を終えた

「ご説明ありがとうございます」『..zzz』

「これから頑張って下さいね」

「はいっ」

「本日はどうなさいますか?」

「それなんだけどこれを受けてもらってもいいか?」

見せてきたのはロックガンクの討伐

「ヒューゴさんさすがにロックガンクは無理ではないでしょうか…」

 ロックガンクは★3魔物だけどとにかく硬い、10人くらいがハンマーで思いっきり叩くのが理想だ、しかし岩の体からレーザーのような強力な魔力を放ちそれに当たると少なくとも死を彷徨うことになる

「確かに厳しいとは思うがな、キーアなら大丈夫な気がするんだ、最近被害が尋常じゃないのに討伐出来ないんだ、どうかお願いしたいんだ」

ヒューゴは頭を下げてお願いしてくる、いつの間にか起きたのか

「いいよ!困っている人は助けないとね!」

「しかし…」アネルは新人それもまだ登録したての人に頼むのに抵抗を感じている、兵士たちが数人でも失敗する脅威の魔物なのだ、ヒューゴも仲間を殺されて焦っているだけだと思い却下する決意を決めヒューゴの顔を見る、するとそこには一瞬で決意が壊れていくような真剣でキーアに確信に満ちる表情を魅せられてアネルの方が折れてしまった

「はーぁぁ…分かりました」と顔を引き締め直して「責任は私が負います!例え無理でも必ず逃げ帰って下さい」

 アネルは自分を辞してでも失敗を消す宣言をした

 ヒューゴも同じような気持ちで失敗した時には自分が犠牲になってでも助けると考えていたので驚いたと同時により一層気が締まった

「まだ行かないの?困ってるんじゃないの?」

「ハハハハハハッ」「ふふふふふふっ」

『ふふっ♪』

緊張感が皆無のキーアにその場の皆は、なんかやれる気しか起こらなかった


 ヒューゴは駐屯所に1回戻って準備を整えた

「お待たせ、はいっ、これ使えるか?」シルバーのハンマーをキーアに渡した、キーアは軽く振ってみる

「ハンマーは使ったことないから使えるかわかんないや!」

「いやっ、それかなり重いから使えるかって意味だったんだけどな」

「いざという時は私は扱えると思いますが、打撃する武器なのでキー様が使えれば強いと思います」

「そうか、問題無いようでよかった、行くぞ」

 入り口に行くと先ほどの門兵が近寄ってきて

「アストン隊長!どうなさいましたか?」

「例の討伐に行くんだ」

「行くって…あっ!さっきの…えーと、サリューさん?」

「んーん、私はキーアだよ、忘れちゃだめでしょ」

「キーア?」名乗られてないのに覚えている訳が無い

門兵の目がもしかしてこの少女と?と訴えている

ヒューゴは肯く

「む、無茶です二人でなんて」門兵は今にも泣き出しそうにヒューゴに止めに入る

「大丈夫だ、心配するな絶対帰る!」

そんなやりとりが行われてる最中

「アストンってだれ?」

「「『・・・。』」」

確かにそちらは名乗ってはないが誰でも流れで解る

「アストンは俺だ、名前はヒューゴ・アストン」

「そうだったんだ!ごめんね、続けて」

「「『・・・。』」」

「ん?終わったの?じゃあ行こうか!」

『ふふっ、すごいですね、止めちゃいました』

呆然としてる二人を置いて外へと歩き出し真っ直ぐ進む、「おいっ、そっちじゃない!西の方向だ」

 追いついてきたヒューゴと進路を変えて進むのであった。

 すぐに夜になるとヒューゴがキーアに声をかける

「そろそろ野営にするか!」

「えっ?」『あっ!』

「えって何だ?まさかなんの準備もないのか?遠くから来てたんだろ?備えくらいあるだろう」

 またもやサウリューネは悩んだ、生活に関する事を話した方がいいのかなとヒューゴ様は信頼は出来る方というのはわかっているがキーアは普通ではなくなったことを知られるのが怖い、そんなこと考えていると

「私、寝ないでも食べないでも平気だから」

『……。』

ヒューゴは何馬鹿言ってんだとも思ったが、キーアが嘘は言わないことを知っている

「そうなのか、ごめんな俺はそういったものが必要なんだ夜は待ってもらってもいいか?」

「いいよ!わかった」

「ありがとな」

ヒューゴは準備をし始める、そんな時『キー様南東30メートルミウリスが』

「了解!ハンマー使ってみるね」

「魔物か!?」

「ミウリスだって!」

ヒューゴは少し息を吐いた、ミウリスは★2レベル(冒険者として素質さえあれば倒せる)、しかし小型魔物なのでハンマーだと戦いにくい


 ミウリスが見えるとキーアはハンマーを振り上げ一気に近づき振り下ろす、ドゴンッと音が響き打ったヘッドの面の大きさの深い穴が出来ている。キーアはハンマーを手放して飛び退いたと同時に目の前で小さな足を振っているミウリスを回りハンマーを回収する、動きはあまり速くはないが当てにくいと判断したキーア しかし先ほどと同じように突っ込んでいき振り下ろす やはりというべきかミウリスはそこにはいない キーアの目の前今度は腹の位置くらいに勢いをつけて蹴りを仕掛けてきていた がキーアは自分の胸の位置程の前屈みで跳躍して回避し握っていた(・・・・・)ハンマーを内側に回転しながら振り抜いた ミウリスは避けられずに10メートル程高く上がり少し離れた場所に伏した

『キー様お見事です!ハンミャーでも問題ありませんでしたね!』

「うん!でも私は使い辛かったかなぁ、一点だから魔物が大きければいいけど」

 ヒューゴが駆けよって怪我はないかときいてきたのでないよとこたえた

「それにしても、すごい身体能力だな、それにあの穴、ヘッドの面からしか力が出てないことがわかるあり得ないな。キーアの実力は予想を遥かに上回っていたよ」

「えへへ~」

「ところでヒューゴ様、準備は終わりましたか?」

「もう少しだったが、心配で止めちまった」

「心配しなくていいのにぃ」

「あぁ戦闘見てわかったよ、ごめんな」

「お手伝いしますよ」

「あぁ、助かる」

その後キーアは全く出来ないのでサウリューネに任せていたら余計な手間が増えてしまって、頼んだ事を後悔したヒューゴだった

 見張りはキーア達が行うからと渋るヒューゴを説得して警戒にあたった、警戒といってもサウリューネは意識せずとも範囲に入ればわかるので気楽であるが

 運がいいのかその夜は魔物一体も来なかった、途中でサウリューネはキーアを寝かせてあげた。


 太陽が昇る少し前にヒューゴは起きてきた

「おはようございます、よく眠れましたか?」

「おはよう、こういう場ではいつでも起きれるようにしているのだが、深く眠ってしまったらしいお前らがいるから無意識に安心してるのかもな」

 サウリューネは驚いた、そして顔がほころんでいくのが自分でもわかる

「そう言ってもらえると嬉しいものですね、どうぞ」

サウリューネは水を差し出した

「それ魔法か?本当に使えるんだな」

「簡単な魔法のみです」

「キーアは?」

「必要はありませんが寝かしてあげました、まだ寝ています」

ヒューゴは装備を付けて備蓄を確認している

「……。」

黙り込んだサウリューネにヒューゴがどうしたんだろうと思う

「あの…ヒューゴ様」「なんだ?」

「キーさ、キーア様のことをどう思っていますか?」

ヒューゴは悩んでこたえた

「……。キーアはすごいやつだ、あいつは女神様だな」

サウリューネはすごく焦った、まさかと思う

「キー様はお強いですよね、可愛いと思います…」

なんとか引っ張り出さして言葉を紡ぐ

「確かに圧倒される強さだった。でも、キーアは折れることない芯がある誰をもを救おうとしている!」

その目は畏敬を表している

「どうしようもないこともあるだろうからその時はサリューが助けてあげてやってくれ、逆も然りだ頼れ」

 サウリューネは強く心を打たれた、ヒューゴも何かあることには気付いている。

「そうでしゅね!……。そうですね!!ありがとうございましゅ!……。」

「・・・。アハハハハハハ」

「・・・。ふふふふふふふ」

『んみっ、おはよー、何かあった?』

「キー様おはようございます」

「起きたか?おはようキーア」

「うんっ!おはよう」

今日も元気に出発する


 その日は山道に入りひょいひょいっと登っていく

「キーアそんなペースで疲れないのか?」

「あはは、大丈夫だよ!」

そんなキーアの背中には剣とハンマー二本を背負っている、ヒューゴのマジックハンマーでシルバーハンマーよりは軽いが半分の10kgはある、マジックハンマーは魔力への干渉が出来るロックガンク対策だ

 そのおかげで進むのが速くなり、予定は2日だったが今日中には到着しそうだった

『!?キー様』

キーアは足を止めてヒューゴも倣う

「ここから北北西の方少し登った方に大きい気配が恐らくは…」

マジックハンマーをヒューゴは受け取る、まだ目的地の半分くらいだ

「了解だありがとう、様子を見よう」

気配を消して少しずつ向かっていくと

木が踏み倒されていてそこにはロックガンクがいた

「思っていたよりは小さい、全身石だね」

高い木の半分はある大きさの魔物をみてキーアが漏らす

「はは、頼もしいな、俺が囮になるから後ろから頼む」

「わかった」

 ヒューゴが飛び出ていって、キーアは即座に時計回りに移動する

 ロックガンクはヒューゴに気付いて大きな唸り声をあげて踏みつぶしにかかる、足場が悪い状態で全速力で回避した その瞬間に足が光り魔力が全方向に放たれた、ヒューゴはハンマーで自分の方にきた光線を打ち・消す、するとロックガンクの腹部に穴が空いた 「グアァァアアァ」ロックガンクが声をあげるがダメージを負ったようには見えない

「一発で穴あけるのかよ!!キーア次は足だ!」

「了解!」

キーアは着地早々に足に向かってハンマーを振りかぶる そこでロックガンクは全身から魔力を放つ ヒューゴは少し距離をとりハンマーを高速に振り回し威力を掬い飛ばした

『半歩左しゃがむ、、、跳んでください』

「よっと、うわっ、、うんっ!!止んだね!いくよ!」

 サウリューネの指示を寸分の狂いなくこなし避けるキーアが再び足へ横一線にハンマーを振ると「ガキィィン」と音とともに足首部が砕ける、ロックガンクは倒れ 最後は頭部を砕いて終わった

「うっわー!手が痛いよぉぉ!」

『大丈夫ですか!キー様!』

「硬いよあの石、いたぁい!」

ハンマーを離し息を吹きかけているキーアに冷静な声がかかる

「回復すればいいだろ」

「あっ」『あっ』

すぐにエイッして治った!と喜んでいる

ロックガンクを倒したことなどどうでも言いように

そんな様子にヒューゴは微笑んでいるとフイに涙が出てきた

「ヒューゴ!大丈夫?怪我した?」

「大丈夫だ、倒せたことが嬉しくてな」

「そっかー、よかった!!」

バンザイして喜ぶキーアをみて胸が温かくなり涙は吹っ飛んだ

「まだ終わりじゃないからな!気を引き締めろ!」

「えっ?ロックガンクは倒したよ?」

「目的のじゃないかもしれないからな、目的地には確認しに行くぞ」

「りょーかい!」

 目的地付近にはロックガンクは存在しておらず倒したのが移動してきた個体だと結論付けられた


 一日かけて街に帰ってくると、兵士達が20人集まっていてザワザワしていてその中にはあの門兵も混じっている

「これは何かあったのか!状況を頼む!」

ヒューゴは即座に対応にかかる

「「「アストン隊長!!!」」」

皆が一斉に集まってくる、キーアはそれが少し怖かった、それを察したのかヒューゴが少し前に出て押し上げる 「それで!」、あの門兵がヒューゴの前に出てくる

「ご無事でよかったです、誠に勝手な行動ながら、隊長を助ける編成を行った次第です!全責任は私が持っております!」

「そうか、みんなありがとう!私は無事帰還できた!また例の魔物も討伐を果たした!」

「ほ、本当ですか?お二人で?」

信じられないようだ

「あぁ、後で報告書を提出する、お前らの罰は無しだ!持ち場に戻れ」

「「「「「ハイッ」」」」」

涙を流して戻っていく面々

そんな中であの門兵はキーアに近づいて頭を下げて

「本当にありがとうございます、キーア様のおかげです、本当にありがとうございました」

と言って戻っていった

『よかったねキー様』

「何にお礼言ったのかな?」

「ギルドに行くぞ!」

『ふふっ照れてる、キーアは兵士みんなを助けたの』

「ところでアストンってだれ?」

「『・・・。』」

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