第5幕
「まずは武器でよろしいですか~?」
「そうですね、途中ですしいいのではないのでしょうか」「アイナは防御魔法使える?」
「う~ん、アイは使えないですね~シュエリーお嬢様なら使えますが~」
「僭越ながらこれからサリューさんに教えようと思っているのです、丁度いいからアイナに補助をお願いしたいのですよ」
「わかりました~!お手伝いしますね~」
着いてからすぐに選べるように、先にアイナは歩きながらキーアの手を確かめ、前にも行った武器防具のお店に着いた
「ハンマーでしたね~こっちですね~、大丈夫だとは思いますがハンマーは少し高いですが大丈夫ですか~?」「大丈夫!!だと思う、お金何枚か入った袋ももらったし」「何枚かですか?サリューさん」
サウリューネは声をおとして
「はい、大丈夫です、私たちは華貨を3枚ずつもらったのです」「!!」「!!」
二人とも言葉を失った、流石領主の娘だろう、普段目にすることもあるのか、勉強しているのか知っているようだ「い、一体何をしたのですか…?」
「お金があることはわかりました~、どうせなら良い物を選んじゃいましょう」余計なことを言う前にアイナが進めた
アイナが選んだのはメグレアルハンマー、形は普通のと同じだが非常に硬く軽い、軽いといっても硬質材料の中でだが、魔力を流すと更に硬くなるらしい
お値段はなんと大金貨1枚と金貨9枚銀貨80枚!高過ぎる
「とんでもない値段ですね~店員さんの顔、笑っちゃいました~あははは~!」
「普通なら何年かけても手が出せません」
「うん、前のシルバーハンマーよりすごい使いやすいよ!」軽く振りながら言う
「かっこいいです、キーア!」
「見惚れちゃいますよ!」
『キー様にすごい似合いますね』
「えへ、えへへ~♪」「(ふぁっ)!?」
「シュエリー様~抑えて下さいね~♪」
「わ、わかっています!」「『ふふ♪』」
「?じゃあ外行こうか!お仕事は受ける?」
「今日はいいのではないでしょうか」
「わかった!」
外に出るときに忘れてたオージーがいるかレティがきいたら非番だったと、お土産は渡してもらうように頼んだ
見通しがよく広い奇襲の恐れがない場所
「この辺りでいいでしょうか」
「シュエリー様、どうぞお願いします」
「はい、よろしくお願いします
防御魔法は出来なくても当然と思っていた方がいいと思います」「はい!」
「魔力を少し出して下さい」 魔力を放つ
「その魔力を自分を閉じ込める箱があるイメージで箱の枠を魔力でなぞるようにするのです」
サウリューネは箱を描くように流そうと操作するが霧散したり煙のように散ったりと上手くいかない
「これが始めに出来るようになると使える可能性が高まります、やってみますね」
シュエリーは魔力を放ちそこから直方体の透明の箱が完成していく
「わぁ、これはお見事ですね…見事一本で繋がれています」
「アイもここまではなんとかですが出来るようになったのですよ~半年かかりましたが~…」
アイナも箱枠を作る
「アイナ、すごい上手くなりましたね」
「シュエリーお嬢様のおかげです~」
「でもですね~、お嬢様よろしいでしょうか~」
「はい!」集中する
シュエリーは箱枠を作り、そこに面を張っていく薄く均等に枠から中心に向け繋がる
「はぁぁー、これが次段階です、ここまでいければ基本は後少しです」少し息が上がる
「繊細ですね…、触ってみてもいいですか?」
「大丈夫です」サウリューネは触れてみる、すると柔らかく伸縮するガラスに触れているようだった
「魔法を通すことがなさそうですね…」
『シェリー強い!』
「そうなんですよ~ここまで使えれば充分役に立てられるのですが~、簡単そうにみえてやってみると出来ないのですよ~…」
「どこか一部でも多く流してもダメで、五面を同時に全方向から中心に張らないと作った枠ごと壊れてしまいます」「防御魔法がここまで難しいなんて、思っていませんでしたね、シュエリー様はすごいですね」
「そんなことはないですよ、攻撃には使えません…
得意な水魔法はやっと多弾で放てるようになったばかりですから」
そこから三人で各々特訓をしている
魔力で枠が全然作れなかった、アイナがみにきてくれる時には流している魔力量のズレを指摘してくれたりしたが上手くいくことはなかった、そんな時だった
「出来たです!」 レティが声を張り上げたのでみてみると信じられない光景がそこにあった!
「レティさん!えっと、ちょっと触ってもよろしいでしょうか?!」「はいです!」
「レティ様、できたのですか!?」
『レティ!すっごぉぉい!』
「えっ?できちゃうのですか~!」
シュエリーが触って確認している
「完璧です…魔力は大丈夫ですか?」
「やったです♪まだまだ余裕です」
「すごいですね、そこに枠と面に同時に同量の魔力を流すと硬くなり物理的にも強くなります」
シュエリーにはもう防御魔法を使うだけの魔力は残っていなかったから実演はできない
「こうです!」
箱全体に魔力が注がれたようだ、これは確認が難しく実際に受けるしかないとシュエリーは言う
キーアは杖を勢いよく振り下ろす「ガチンッ、ピシッ」
「痛いよぉ」キーアは涙目だ、回復魔法をかけたいが魔力が少ないから我慢する
「ハンマーなら壊せそうだけど…」
「キーアさんでそれならとんでもない強度ですね、私にはそこまでの強度は出せませんよ」
「レティ様は防御魔法の才能がお有りでしたのですね~」
「基本は終わりましたけど、レティさんなら次も出来そうですね」「教えて下さいです!」
「わかりました!ここからは相当魔力をつかいます、まとめて行使していたので本日は無理なさらずに
ここまでは箱でイメージしてましたが長い半円でやってみて下さい」
「こんな感じですか?」
壁の部分がぐるりと囲うように繋がりそうになった時に魔力が砕ける
「ふふっ、繋ぐ点が無くなってしまい、枠組を作れないから難しいでしょう」魔力が合わさる時に強くなってしまうと壊れてしまう「む、難しいです…」
これはレティでも今日の間に出来ることはなかった、シュエリーが休み回復してから一回お手本を見せてくれたのは身体を包むだけの大きさの綺麗で無駄の無い細長いドーム型だった
夕方前には屋敷に帰った
「キーアさんたちは急ぎですか?」
「一回行かないといけない所があるけど、動くのは明日かな?」
「そうですか!今日は一緒に寝ましょう!話しをきかせて下さい」
「うん、いいよ!」
夕食も用意してくれて席も密集型、話題は今日のレティのことが中心でシュオルターもすごい興味をもって聞いていた、気になったことは終始ペストの目が死んでいたことだった
シュエリーのお部屋
「では、王都サルエードでのお話しを聞かせて下さい!」ずっと楽しみにしていたと、前のめりに言う
「えっとね、すごいおいしい宿屋を見つけたの!」
あれはこれはと料理についてずっと語るキーア
「いいところだったよ!」
「……それは充実された良き旅だったのですね」
「うん!」『ふふっ♪』
「・・・!王さんにお手紙もらったのですよね!何の御用でしたのですか?」『(キー様の言葉でわかりやすい言い方ですね、さすがシュエリー様です)』
「そういえば、王さんって誰だったんだろう?あ!宿屋の料理食べた!」
サウリューネは吹き出した
「…宿屋の料理?おいしかったでしょうね、よかったですね」「うん!」
「私では力不足でしたサリューさん、お願い致します」「ふふふ、承りました」
妖精の森でのこととアレリアムのことは黙って出来事を話した
「キーアさんは本当に勇者なんですね♪
・・。ライミグルと戦われた時に…それで屋敷に」「うん、武器ならアイナにと思ったの、シェリーにもずっと会いたかったからね」 ガシッと抱き合う
「二人が仲良くて羨ましいです」
シュエリーが一旦離してレティを呼ぶ、そこに飛び込み交じっていったのだった
朝、屋敷の前でシュエリーとアイナとダモンはキーアたちをお見送りする
「頑張って下さいね、練習も楽しかったです」
「うん、またくるね!」「アイナ、これありがとうです!」「いえいえ~ご活用下さい~」「皆様、いつでもお越しくださいませ」
レティがもらったのはアイナが防御魔法の練習法についてまとめておいてくれたものだ
別れると露店で果物を大目に買ってから道のある建物の間を目指した、そこには人がギリギリ通れるくらいの道で奥まで続いているように見える
周りに見ている人がいないか確認してから入ると前と同じようにすぐに光に包まれて森の切り株の所に出る
『景色だけが変わる感じは何度体験しても不思議ですね』「そうだね、妖精さんたちと仲良くなれるかなぁー」「キーアならすぐになれるです!」
「うん!ファイとローのお母さんの……」
『フィンリィ様』「そうそう、フィンリィいるかな!」 見えている家に向かって歩く
「こんにちはー!」
「はいはい、あらっ、キーアちゃん!ちゃんとこられたのね、上がって」「「おじゃまします」です」
「魔法はちゃんと作用したかしら?」
「うん、頭の中で道が勝手に進んでいった」
「よかったわ、ファイとローは今は遊びに行っているの」「そうなんだ…これあげる!」
袋から数個買った数種の果実を取り出す
「まぁ、ありがとう♪後であの子たちといただくわね」
少しお話しをして妖精さんに会いにいくことにした
森を歩いていると一人また一人と気付いた妖精さんが付いてくる「どうしたら来てくれるかな?」
「うーん、果物を見せてみたらどうです?」
「やってみる!」
袋から一個取り出して見せてみる、何だろう?って興味は持ってるようだが近寄ってはこない、これあげるよと声をかけたら逃げられた
「難しいよ…」キーアは落ち込み気味だ
「長くいたらわかってくれるです」『でも前の時よりは距離をとられてないですよ!』
「そうだね!」やる気になったキーアは声をかけ続けることにした、数度目の時だった!ひとつの光がふよふよとゆっくりゆっくりと近付いてきた
パァッーとキーアに笑顔が浮かぶ
「妖精さんありがとう!」
ビクリと一瞬後退したが、シュンッとしてしまったキーアを見て踵を返して近付いてきた
「妖精さん!これ食べる」果物を出すと頷いている
差し出すと体で持って囓っている
「かわいい!」「ホントです」
そうしていると見ていた妖精さんも出てきてくれた
キーアは袋から全て取り出して渡していく、種類が違うので他のと一緒に食べてたりしてとても可愛い
キーアたちの周りをクルクルと飛び回るようになった
そんな風に遊んでいると
「人間、人間はどうして森へときたんだ?」
朱色の髪の中性的な妖精さんがやってきて話しかけてきた
「どうして?移動するため?」
「それなら、こんなことする必要も奥の方にくる必要もいらないよなあ」
言葉遣いは荒めだが口調は穏やかだ
「妖精さんたちと仲良くなりたかったから!」
「!!そのためにこっちにまできたのか?」
ただ単純に疑問に思っていただけなのだろう
「そうだよ」とキーアが言うと少し考え込んでいた
考えが終わったのか顔を上げると
「に、人間!?」
その間に草の上に寝っ転がっていつの間に来ていた小動物が胸の位置に乗っていてじゃれている、妖精さんたちは楽しそうに飛んでいた
考えると周りが見えないタイプなのだろう、状況が一転していて戸惑っている
「すごく和みますです」『えぇ、本当です。私も堪能していますが』「ズルいです」
レティも横になる、妖精さんはくるが動物は来ない
彼女が強い魔物であるからだろう
唖然とする朱髪の妖精、暫くして笑いだした
「人間は面白いなぁ」
「人間じゃなくてキーアだよ」
「そうか、キーア、オレは『キリエ』っていうんだ」
「キリエか、キリエよろしくね」
「ああ、よろしくなキーア」
『女の子でしたか…』
「今、もうひとつの魂が揺らいだか?」
「サリューがね、キリエを男の子だと思ってたんだって、こんなにかわいいのにね!」
『き、キー様!』
「か、かわいい?オレがか?そのサリューとかの言うとおり男っぽいと言われてるんだぞ」
顔をブンブン振っている、照れているようだ
『あっ、かわいいですね』「でしょー」
レティと一緒に寝ている妖精さんたちを起こして、そろそろ行くことを伝える
「フォーナに会ってから行こうか」
『そうですね』
滝に行くと、呼ばずとも現れた
「妾の聖域へとようこそなのじゃ!」
「・・こんにちはー!」『ようこそで、歓迎だけは伝わりましたね』
「うぅ、なんか恥ずかしいのぉ、まぁよい、お主らに少し頼みがある」
「うん!なに?」
「前にもらった菓子が忘れられなくてな、それを少しもらえぬか?」
「うん、いいよ!」
財布からお菓子を取り出して渡す
「うむ!これじゃ!……うまいのぉ
他のも食べてみたいぞ」
「うーん」「フォーナ、食べ物で長くもつの少ないのです…、これは長く持っていられるです」
『それに、財布に入ってしまいかさばらないですしね』
「うむ?空間鞄を使えば良いのではないか?」
「空間鞄?」
「あぁ、人には使える者が殆どいなかったのじゃな!昔使える者を知っていたが…」
淋しそうに呟く
「キーア、ちょっとその腰にかけた鞄を掲げてくれ」
キーアはポーチを外し持ち上げる
フォーナの周りに水が渦巻いていく、少しするとポーチの方へときてぐるぐると取り巻き水流が速くなっていく、最後には水が弾け消えた
「??」「『…。』」
「終わったぞ、これで大丈夫、見てみよ」
「中身がない!あっ、これ!財布と同じだ!」
中を覗いてもただの真っ黒の闇があるだけ
キーアは財布を浮かべながら手を入れると財布を摑め取り出せた
「すごい!」「フォーナすごい!」
『これはヒューゴ様が言っていた?』
「当然じゃ、妾は精霊じゃぞ。それに入れれば時も経たぬ、食べ物でも大丈夫じゃぞ」
「ありがとう♪今度は持ってくるね!」
「うむ、楽しみにしておるぞ、ではまたな」
「うん、ばいばい!」「またです!」
『あっ、さようなら、フォーナ様』
『財布にかかった魔法よりもすごいことを簡単に…』
「さすが精霊様です!」
残念ながらファイ・ローはまだ帰ってきていなかった
先にウリュートに行くことにして、ラウドに戻る
果物を買い込み出発すると一日かからずに次の日の朝には到着した
早速ペンダントを握って森を願って、映像を辿った先はソウ・リューネの脇だった
「サリューのお店!ここなら場所わかるよ!」
「噂の宿屋です?!」
『…ソウ・リューネです』
「今日はサリューのお店で泊まろう!」
「キーア、残念ですが今日はたびたびいくです」
「えっ?」「約束があるです」
「そうだったっけ?じゃあ明日だね」
「はいです」
街の門で確認していたのは、アストン隊長を尊敬していたあの兵だった
「確認を…あっ!キーア様お久しぶりです!」
「久しぶり!」
「あっ、入っていいですよ、そちらのお方はお連れ様ですか?」「うん!」
「ではどうぞ!」「ありがとう!」
街に入っていく
「知り合いです?」「みたことある人」
「印象が薄そうな人でしたがキーアの記憶には残ってる人です!サリューさん」
『スミマセン…どなたでしたか思い出せません』
「え!キーア、すごいです!」
「えへへ~、なんかヒューゴと一緒にいた気がする?」『…全然思い出せません』
街を歩くと本人たちは気にしないがレティは目立っていた、王都の方へと近くなればたまにでも獣耳の人に馴染みがあるがこっちの方では見かけることはない
一人の子供が近付いてくる
「お姉ちゃん、お耳違うの?」
レティはしゃがんで耳をみせる
「レティは人とはちょっと違うです」
子供は耳を丁寧とは言えない風に触るがレティは微笑んでいる、やがて親がやってきて謝って去っていく
「かわいい子だね、レティ大丈夫?」
「大丈夫です、耳はいないけど体を触ってくる人はたまにいたです」
『あぁ、キー様だけじゃないのですね』
「キーアは全く怖れないで全身できた初めての人です」
『触れる程度でしたか、キー様はやっぱりキー様ですね』 普通の人はいくら温和とはいっても襲われる可能性があるから触らない
「えいっ」「キーア?」
キーアはレティをお姫様抱っこする
「えへへ~」「くすっ」
「ところで……どこ行くの?」
「えっ?この状態で立ち往生は流石に恥ずかしいです…」『えーと、とりあえず先に王都に戻りますか』
「そうだね!」
「何の騒ぎだ!余興なら許可を取ってからにし…ろ…」「!」「あっ…」お互いの視線が交差する
「ヒューゴ!!」「キーアか、そんな所で何やってんだ」微妙に気まずそうに視線を彷徨わせる
「今、王都に戻ることを決めたの!」
「そ、そうか…」
ヒューゴが来てから顔を伏していたレティが降ろしてと言う
「あっ!ヒューゴごめん、ハンマー壊しちゃった!」
「あれはあげたものだから気にするな、それよりも騒ぎじゃないなら移動しよう目立っている」
「そうかな?わかった!」
「おめぇは変わらねぇなぁ」
ギルドの前にくる
「じゃあ、レティはグレイマティなのか?」
「はいです、ヒューゴは、『ヒューゴはヒューゴだから』の人です?」
「なんだそりゃ!?」
「ヒューゴ様、トレスターク様からの言付けを預かっています」「あいつに会ったのか!自分から名乗ることはないはずだが?」
「キー様がヒューゴ様に似てると言い当てました」
「まじかよ…似てない兄弟って有名だったのに…」
「ふふふ♪トレスターク様も言ってました、言付けですが『お前に会いたい!今は休めない!元気でな』だって!」「くくくくくっ、なんだそりゃ!」
「ふふふふふ、キー様
でも間違ってはいません、『俺は元気だよ、今は休みがとれないけど、そのうち会いにいく』です」
「あっははははは、なんか久しぶりに笑った!確かに間違ってねぇ!」
「何で合ってるのに笑うの?」
「わりぃわりぃ、クソ真面目な兄だからキザな言い回しが面白かった」
「性格は全く違うのです!」
「レティどっちも良い人だよ?」『そうですね♪』
「確かに、ヒューゴも優しそうです」
「目の前では照れるからやめてくれないか…」
「ヒューゴ様もトレスターク様に何かありますか?」
「いや、俺はいい!こっちから会いにいくか!
俺は休みを取ろうと思えばとれる…はず…」
「今レティは防御魔法を使えるように頑張っているです、ちゃんと出来たら乗せてあげるです」
「ほぅ、防御魔法か珍しいなぁ、乗せてくれるのか?」
「はいです!少しわかった気がするので試してみるのです」
「ありがとな、近い内に頼むと思う」
「はいです!」
「楽しかったよ、仕事に戻るな」
「またね、ヒューゴ!」「また!ですー」
「ヒューゴはヒューゴだったです!」
「そうだよね!」
妖精の森経由で王都サルエードへと渡った
宿「たびたび」へと入ると、女性の人が受付にいた
受付に行くと、女性がこちらをジッと見た
「もしかして、キーア様、サリュー様、レティ様でしょうか?」
「うん、そうだよ」
「伺っております、鍵はこちらで以前お使いのお部屋とのことです、大丈夫ですか?」「うんっ」
「お食事はすぐに用意しますか?」「うんっ!」
「承りました、ごゆっくりして下さい」
『時間までに先に買い物をしましょうか?フォーナ様のお菓子を買いましょう』
「うん!」「レティ、お部屋に行ってていいです?」
「いいよ、どうしたの?」「わかっている時に試したいことがあるです!」「わかった、じゃあ行ってくる」「お願いするです」
キーアたちはまずはいつものお菓子を買いに行った
三つ銅貨2枚を三百個頼む、勿論すぐに用意は無理なので三十個受け取り残りは一時間後以降に取りにいくようにする、今度は反対側の中心の方へ向かって菓子屋でカップケーキのような一個売りお菓子を十種類それぞれ20個ずつ頼む、お値段は一個銅貨2~3枚、こちらはすぐに用意出来るので受け取った。移動だけで時間が過ぎてしまうので宿に戻り部屋の前に行くと「出来たです!!」声が聞こえた
レティはお部屋にいってすぐに、防御魔法の練習を始めた、アイナの資料をみるとあのシュエリーの後は身体に合わせ貼り付けることにより動けるようになるようだ
レティは魔力を薄く平たくして、全身から少し離して縦に巻き付けた、最後は自分の背中に繋げそれで固定する、顔手足を素早く動かしてみるが抵抗は感じない、普通の防御魔法としては全く使えないが背中に乗せる保護にはこれで大丈夫とフォーナの魔法を見た時に思い付いた、まちがってもかなりの軽減にはなっている
次はシュエリーとの練習の時のを作る、自分を包む円筒の面を作るがやはり壊れてしまう、頭を捻っているとひとつ気付いた
同じように面で円筒を作る、くっつく前のくっついた時に接合部で上に流れで頂点まで線をつくりそこから面を広げるとやりやすく成功した
「出来たです!!」
「レティ?」「あっ、おかえりです」
「次もできたんだ!すごい」
レティは解除する
『レティ様は練習してたのですね』
「あと少しで使えるようになると思うです!!
キーア、明日乗って確かめてほしいのです」
「わかった!」
食事の準備が出来たと声がかかり食べにいくと店主がいて、あの部屋はいつでも使っていいと鍵はもらえることになり、食事は普段より多い品で再びのお礼を言われる、当然すごく満足のキーアたちだった
お菓子を受け取りに行ったら十個おまけが付いた