第4幕
宿屋はたびたびにお料理を堪能して泊まった
サウリューネはずっと、服装は本当に大丈夫なのか?最低限の礼儀は覚えた方がいいのでないか?挨拶は必要か?と色々悩んでいたが、キーアが素の自分でいるなら何があっても付いていくだけだと心を改め整えた
門には豪華な場所が止まっていてその付近にトレスタークが立っている
「おはようございます、皆様
お待ちしておりました、どうぞお乗り下さい」
「おはよう!トレスどうしたの?具合悪い?」
「おはようです」
敬語で笑顔で対応しているトレスターク
「体調はとても良いです」
「何だろう?変!」
ピシリと固まったがキーアたちを馬車に乗せると御者が街中へと馬を進める、中央の道をひたすらにまっすぐ進んでいくと大きなお城が見えてくる
「あれは、姫のお城!」
「大きな建物です!」
『あそこに王様が、少し緊張してきました』
お城の前で馬車が止まると、扉が開いて
「どうぞ、お降り下さい」と声がかかり降りると正面には20歳くらいのお兄さんが立っていて、「お待ちしておりました、キーア様、サリュー様、レティ様ですね?今回貴女様たちをご案内させていただきます『チェスター』と申します、どうぞよろしくお願いします」
「よろしく」「よろしくお願いします」「よろしくです」
「クールまもってる人?」
チェスターはビクッとした
「キーア、クールじゃなくてクエルです」
『この方がですか?全然みえませんでしたからね、お城にですか…』
「では付いてきて下さい」「違ったかな?」
『キー様困っていますよ、付いていきましょう』
「はーい」
いくつかの扉をくぐり抜けその度に迎えてくれる長い廊下を真っ直ぐに進んでいくと今までとは違う豪華で頑丈そうな扉があり、その前に兵二人が立っていた
少し離れたところで待たされて、チェスターが離れ話しをすると兵士の一人が中を確認してから豪華な扉を開いた
部屋の奥3分の1ほどの場所には数段の低い段差があって、上の奥行き中央にひときわ目立つ玉座があってその脇に男の人が立っていた
チェスターが扉の入ってすぐ脇にずれて前に進むことを促す
キーアはキョロキョロと歩きながら
「ここは広いねー、どこに行けばいいのかな?」
段差の下近くの両脇壁際には数人立っている
「とりあえず進んでみるです」
真ん中先辺りまで進むと「止まって跪け!」玉座の隣にいた人から声が発せられる
キーアは「はーい」と返事をして正座する
「跪けってどんな格好です?」
『ごめんなさい、よくわかりません』
「お前たち何をしているだ!こうだ、こう」
男が、実際にやってみせていると、扉が開き三人の男が入ってきた
「…大臣よ、何をしているのだ」「あ!」
青いマントに豪華な衣装を半分包んだ30過ぎくらいの男が跪いている男に指摘する、その男の左隣半歩後ろにいた男は正座している少女を見て苦虫をかみつぶしたような顔で声をもらした
「あっ、これは……陛下!まだ準備出来ておりません!」
「何で正座しているのだ?」
「跪いたの!」
「キーアさん、レティさん違うよ、こうやるの」
陛下と呼ばれる男の右隣半歩後ろにいた男が前に出てきて、正座した少女の隣で実演してみせる
「で、殿下!何をやっておいでですか!」
「あっ!クエル!こう?」「こうです?」
「そうだよ、二人とも上手いね♪」
その姿を睨んでいる金髪の男
クエルは下がっていく
「…いくぞ」「「はい」」
一人玉座の前にその両後ろに二人立つ、と玉座の前にいる男が大臣に目配せする
「立ち上がれ」
キーアたちは返事をして立ち上がる
「返事は不要だ」
「此度は余の呼びかけに応じてもらい嬉しく思う、余はこの国の国王である、キーア!」
「・・・。」「・・・。」
国王とキーアは見つめ合う
「返事を!」「返事は不要じゃないの?」
「わたしのはいいのだ!」「よくわからない…」
クエルとサウリューネは笑っている
「ゴホン、キーア」「はーい」
「レティ」「はいです!」
「サリュー」「はいっ!」
「以上三名、冒険者襲撃事件解決及び被害者回復の功績を讃えて報酬を授与する!」
大臣が袋を三つ取り出して、キーアに二つ、レティに一つ渡す
「ありがとう」「ありがとです」「ありがとうございます」
「これで授与を終了とする!」大臣が終了を宣言すると国王たち三人は退室していく
スススとチェスターが寄ってきた
「お疲れさまでした、では私に付いてきて下さい」
また長い廊下を歩くのかと思ったら二つ目の扉をくぐったところで廊下を曲がり進んでいくとおいしそうな匂いがしてきた
「わぁ、良い匂い!」
「もう少し静かにお願いします」
「わかった!」「…」
そこから二つ先の扉でノックすると扉を開けた
中にはテーブルに見覚えある料理が並んでいた
「ようこそいらっしゃいました、キーア様、サリュー様、レティ様」「クエル!たびたびのご飯だよ!」
「ふふふ、キーアさんすぐに気付きましたね」
陰からヒョイとたびたびの店主が出てきた
「こちらが、今回のためにこれらのお料理を作っていただけた料理人です」
「ど、どうも…お世話になっています…」
「何でここにいるの?」
「まぁ、説明はするからとりあえずお料理を頂きましょう」
みんなが席に着いて食べ始める
「始めに言っておくけど、あまり騒がないで欲しいんだ」「わかった!」「わかったです」
「うん、サリューさんって言うのは宿屋で対応してくれた人かな?」「はいっ、その通りです」
「やっぱり、キーアさんではなかったんだね!
事件解決報告書の名前を見てキーアさんとレティさんの名前があって驚いたよ、それで急遽料理を振る舞いたいと思い彼を呼んだんだ」
知っているのはクエルの父親である国王様だけだそうだ、宿屋で行いたかったが自分が城を出ることが出来ずここで行うことになったらしい
「予定があったのにごめんね、何人か他の人が来ていたのを見ていると思うけど、大きな功績にはしっかりとした対応をしているのを彼等にみせないといけないんだよ、ってきいてないかな?」
「うーん、おいしい!」
「大丈夫です!レティもサリューも聞いてますです」
「あはは、それでね」
クエルが店主に顔を向ける
「宿たびたびですけれど…クエル様及び国王様のおかげで…職員を雇え継続出来ることが決まりました…。キーア様のおかげです!」
「ふぇ?うん、どういたしまして?」
「あの宿屋は最高だからね、父上の承諾がとれてよかったよ」
「クエル様そろそろお戻りになられないと危険かもしれません」
「わかった、まだまだ惜しいけど仕方ないかな…
僕は戻るから後は任せたよ」
「かしこまりました」
「やっぱりおいしいね、ありがとう」
「いえいえ…おいしそうに食べていただけ本当に嬉しいです…」
「キーア様そろそろよろしいでしょうか?」
「うん、大丈夫」
「では片付けはしますのでいきましょう」
チェスターが魔法を使うとお皿が全て消える
「おいしかったね」「おいしかったです」
『今何を使ったのでしょうか?』
すぐにスタスタと店主も含めて入口に戻ると馬車が用意されているので乗って帰った
到着場所は集合場所と同じで門の所
「皆さんは今日はお泊まりになられるのですか?」
「ううん、今からね親友に会いに行くの」
「そうなのですか…残念です…」
店主は自分のお店でおもてなしをしたかった…
「帰りはすぐだからまた行くよ」
『キー様、気をつけて下さい!』
「一週間後にはまた来ますです」
「そうですか!お待ちしております、本当にありがとうございました」
店主は去っていった
「あっ、レティありがとね、忘れてたよ…」
「どういたしましてです、気を付けて下さいです」
「わかった!」
『シュエリー様たちにお土産でも買っていきますか?』「あっ、そうだね」
「すいませーん!」門の兵に向かっていくとトレスタークだった
「何だ?お前らか、今日は大丈夫だったのか?」
「トレス、お土産買うところどこ?」
「無視か…お土産屋ならそこを左にすぐだ」
「ありがとうー!」走り去って行く
「いつも通りだな」
よかったと思うトレスタークだった
お土産屋はまでは5分もせずに到着した
「何がいいかな~♪」
木の実で出来たアクセサリー、匂い付きのハンカチ、武器を模した小さな置物、色々手にとり見ていく
そんな時に極少量の魔力を込めると一定時間を計れるという砂時計みたいな魔導具、夜空の模様があしらっている魔力時計が気になった、お値段は高めの銀貨40枚
「シェリーにはこれがいい、絶対これだよ」
『いいのではないのでしょうか、とてもかわいいですね』
「レティは他の人のを買っていくです」
「うん買ってくる」
きれいな包みにしてもらった
「もう行くのか?」
「あっ、そうだ!トレス、ヒューゴに会いにいく?」
「魅力的な提案だがな、準備も休暇もすぐにはできない、もし会うなら俺は元気で会いに行こうとしていることを伝えてくれ」
「うーん、わかった!」「…俺もわかった」
「さすがです!」「いや、褒められてもな…」
「いってきまーす!」「気をつけていけよ」
王都を出て少し歩いて、レティが姿を変える
「少しとばしますです!」
『川があったら止まって下さい』「了解でーす」
レティは速かった、キーアたちと出逢う前に比べ力が漲るようで体力切れも以前より少なかった、途中山近くに流れる川を見つけた
キーアは魔力を少し出し「フォォオーーナァァー」と叫んだ、すると川の一部が円状に光り精霊が現れた
「叫ばなくてもいいのじゃ!」
「こんにちはー!はい、これおいしいよ?」
「こんにちはです」
「ううむっ、まぁよい!いただくぞ」
あげたのは王都の出店で買った小さいベビーカステラのようなお菓子、日持ちがかなり長い。
キーアが以前財布に間違えて入れようとしたら何故か入ってしまい、しかも取り出すことができたので多めに買って持ち歩くことにした、他のお菓子は勿論入らなかった
「うまいではないか!」「じゃあもっとあげる♪」
「うむ、感謝するぞ!
それで、何か困ったことでもあったか?」
「ないよ」「はむっ?ないのか?」
「うん、会いたかったから呼んだ、魔法で出した水では呼べなかったからね、外に出たから水を探したの!」
本当に話したい、会いたいだけで呼ばれると思っていなかったので、とても嬉しかった
「そうか、これからも良ければ妾を呼んでくれると嬉しいぞ!自然の水じゃないと無理じゃ」
「わかった」
「質問よろしいでしょうか?」
「うむ、もう一人の者よ」
「そういえば私たち名乗りましたでしょうか?」
「それが質問か?名乗られてはいないが、森で水ある場での話しの一部は知っているからわかるぞ、流石に外でのことはわからぬ」
「そうでしたか、それは失礼しました
質問はそのことでなく、呼び出しのことで自然の水を持ち歩いた場合は呼び出しは可能なのでしょうか?」
「なかなかに思い付きにくい質問じゃの、その答えは『はい』であり『いいえ』じゃ、持ち歩いた量にもよるが二十分もすれば自然の力は失われてしまうであろう」
「ではもう一つ、朝露などの極少量の場合はどうなんでしょうか?」
「これまた難しい質問を!植物に付いている露ならば可能であるが、落ちた、離れたものは例え貯めても無理じゃ。寒さで凍った、溶けたも自然ではあるが不可能じゃ」
「分かりました、お答え頂きありがとうございます」
『全くわからない』
「サリューは頭が回るのじゃな」
「そうだよ、サリューは賢いの!」
「サリューは天才です!」
『やめて下さい…照れちゃいます…』
「かわいい」「かわいいです」「かわいいのじゃ」
「またの!また話そうぞ」
「うん、またね!」「またです~」『さようなら』
光で消えていく
再びラウドへ向け出発開始、結局サルエードを出て四日と数時間で到着、ほぼ一日短縮した
『キー様とりあえず森の確認お願いします』
サウリューネに言われて思い出し、ペンダントを握り妖精の森を浮かべると、頭の中に今いる場所の景色が浮かぶ、ゆっくり動いていく街に入りまっすぐギルドが見える、まだ通り過ぎた三つ目の道を右にいってすぐの建物同士の間で止まった
「終わったけど覚えられない」
『大丈夫です、私にも見えていました、共有されていたようです』
「あー、よかったぁ!まぁまぁ魔力使うね」
下位魔法二発くらいの消費量だった
「屋敷に行くです!」「おー!」『はい!』
門で確認を受けて、屋敷に行く
「こんな朝にもならない早い時間に何用ですか?」
屋敷の門の兵に入ることを伝えると面倒臭そうに対応された、するとすぐに反対側にいるもう一人の兵がき「ちょっと待て、その方はお嬢様のお友達の方だ」
キーアを知っているようだ
「そうだったのですか、一応身分証明をお願いします」 ギルドカードを見せる
「えっ!こんな娘が!」「おいっ!」
ランクを見て驚いた兵が注意を受ける
「あっ!失礼しました、どうぞお通り下さい、入って入口で待っていてくだされば使いがくると思います」
「ありが…あっ!言わない方がいいんだっけ?まぁいいや、ありがとう!」
『ふふっ♪キー様は思うままの行動でいいと思いますよ』「うん!」
屋敷の入口で待っていると扉があく
「お客様はキーア様たちでしたか!ホッホッホ、お元気でしたかな?皆さんはまだ就寝中でございますがどうなされますか?」
「ダモンさん!元気だよ!シェリーに会いたいなぁ」
「ダモンおはようです」
「シュエリーお嬢様なら、キーア様なら別に歓迎しますと仰るでしょうが就寝中に勝手にお通しするわけには…まぁ、いいでしょうね♪」
『えっ!ダメじゃないでしょうか!?』
「予備の鍵です、後でお嬢様か家の者に返して下さい、場所は覚えてますか?」
「大丈夫です、あっこれお土産です」
「ご丁寧にありがとうございます、大変嬉しゅうございます」 「ありがと、ダモンさん」
シュエリーのお部屋にいく、サリューに言われ軽くノックすると意外なことに返事があった
「どなたですか?」「シェリー、私だよ」
「!!キーアさん!?」バンッとドアが開きそのまま抱き付いてきた。「シェリー起きてたの?」染みこんだ動作のように自然にその身体に片手を回しもう片方で頭を撫でる
「シュエリー、とりあえず中に入るです」
顔を赤らめたシュエリーがキーアからスッと離れ部屋に招き入れる
「「おじゃまします」です」「ふふ、どうぞ♪」
「あっ、これ鍵返すね」「今日は…ダモンね、主の寝ている時に他人を通すかしら?キーアさんなら大歓迎ですけれど」
「わわ!ダモン大当たりです!」
何だか楽しそうだ
「ところでキーアさん?サルエードには行かなかったのでしょうか?」
普通ならまだ着いた頃だろう、速く行けるであろうキーアたちを考慮しても往復はあり得ないとシュエリーは思った「それどこ?」
レティたちは面白がって何も言わないことにした「やっぱりですか、目的地は何処にいってたのでしょうか?気になります♪」
「うーん何て名前だっけ…あっ!そうだ王さんにあった」「王さんですか?有名な御方ですか?」
「なんかお手紙がきてお城に行ったの!でもねお姫様はいなかったの…」
「お城…お姫様……!?も、も、もしかして王さんって!?」レティを見る
「はいです、兵士から『王から書状が』とみせられたです」
レティとサウリューネは展開に満足している
「あっ、これシェリーのために選んだお土産」
「か、かわいいですね、何があったかききたいですが…。開けてよろしいですか?」「うん!」
シュエリーはとりあえずと綺麗に包みを解いていく
「!!!これは!!!とても素敵です!見た瞬間にすごい心に来る感じがしました!ありがとうございます」
さっきまでの戸惑いがなかったかのように目に涙を浮かべ喜ぶシュエリー
『キー様はすごいですね♪シュエリー様かわいいです』
「シェリーに喜んでもらえて私もすごく嬉しい!絶対これっておもったもん」
暫く魔力時計を眺めていた
「お土産ありがとうございます、ご予定通りにサルエードに行ったのですね、何日ご滞在したのですか?」
「うん?サリューどのくらいだっけ?」
『五日ですね』 「五日だって」
「えっ?それでは移動にかかったのと…」
「レティがいるです!」
「レティさんが走ったのですか?とても速いのですね!キーアさんも乗っているってことですよね…私にはとても耐えきれません」
すごい速さのレティに乗ることで、どれほどの衝撃・風圧が起こり、ふり飛ばされないでいられるのかが、全く想像できなかった
『うーん、どなたか防御魔法を使える方がいれば教えてほしいですね』
防御魔法は魔力消費量は多いが魔力を硬質化したり、攻撃魔力を身体全体に流し弱めることが出来る使える人が少ない希少な魔法である
「防御魔法?」
「キーアさん、防御魔法がどうかなさいましたか?」
「サリューが使いたいって」
「私、少しなら使えますよ?魔力量は少ないので大して使えないですが…」
「本当ですか?すごいですねシュエリー様は」
「さ、サリューさん?教えてあげましょうか?使えるかはわかりませんが」
「いいのですか?是非お願いしたいです」
「分かりました、お力にならさせていただきます」
話していたら結構な時間になっていたようで、シュエリーにお呼びがかかった
キーアたちも同席する
「ダモンからの報告は真であったか、王都へと行ったと聞いていたが?」
「父様、そのやりとりは既に行いました」
「ウム??そうか?、では行ったのだな」
「これお土産です」レティがシュオルター、アイナ、ペストに渡す
「ありがとう」「わたしたちにもですか?ありがとうございます」「ありがとうございます~」
「レティさん、もう一つあるようですがどなたに渡すご予定でしょうか?」
その答えに悪戯っ子のように「オジーさんです!」と答えた
「「お爺さん?」」「「そうでしたか」~」
男女で反応が別れた
「レティお爺さんって誰だっけ?」
「オージー・ケリアムです」
キーアはやはりキョトンとするばかり、反応を示したのは男組
「あぁ、そうだったのか、何故お爺さんなんだ?確か若い兵だったと記憶しているが」
「おそらくは、『オージー』の名から敬称をつけて長音を取ったのでは?」
「ベスト外れです~、レティ様のただの勘違いだったのを今冗談にしただけですね~」
「ペストですよ!そうだったんですね」
「やはりキーア殿たちは面白いな」
ハハハと笑い合う、キーアだけは誰だか分からないままだった
「父様お願いがあるのですけれど、今日一日はキーアさんたちとご一緒してもよろしいでしょうか?」
「お前に任せているのは大丈夫だ、こちらでやっておくぞ、いってきなさい」
「父様!ありがとうございます」
「あのぅ、シュエリー様をお借りして申し訳ないのですが、アイナ様に少しお頼みしたいことがあるのです…」「アイにですか~?」
「キー様のハンマーを見繕って欲しいのです」
「アイナ、行ってやれ。お前の分はペストに任せる」
「えー!姉さんの代わりは無理ですよー」
「分かりました~ベスト~しっかり頼みました~!」
「ペストです!」
「ではいきましょうか」
「うん!」『はい』「はいです」「かしこまりました~」
残った仕事場で、「わたし達は気軽にお願いされる立場ではないんですがね…」「いいじゃないか、何だかんだでお前も嬉しいだろう?」「まぁ、そうですね、姉さんもあの方たちが来ていると嬉しそうですしね」「ウムッ」。「さぁ、今日も始めるか!」
「そうですね、うげ!姉さんの分がわたしの三倍はある…」「がんばれ…」「はい…」