幕間 妖精の森では
キーアたちを見送って少し時間が過ぎた頃
「「母おはよー」」「あら、おはよう」
「あれ?キーアさんは?」「レティさんは?」
「時間が時間だから帰らせたわ」
「「えー」」
「迷惑をかけたらダメよ、またくるって約束したじゃないの」
「そうだね」「また会えるもんね」
「ファイちゃん、ローちゃん、精霊様に会ったんだってね」
「そそそっ、そうなの」「無礼じゃなかったかな…」
「うふふ、大丈夫よ♪いつかいつかと思っていたけど…あなたたち、あの滝の所へと行きましょう」
「「えっ!」」
フィンリィは二人の手を掴んで飛んで連れいく
小さな滝のある場所にフィンリィは膝をつく、それを見て息を飲み二人も倣う
「精霊様!本日は子供達をありがとう御座います、ご挨拶にまいりました」
滝が光り水色の髪の女性が現れる
「フィンリィか、堅苦しいのは無しじゃ」
「あらっ?正式な挨拶だったのに♪」
ファイとローは精霊の顕現に固まっている
「また会うたな、固くならずとも良い名を申せ」
「は、はい!ファイと申します」
「ローと申します…」
「うーん固い…『ファイでーす』『ローでーす』でいいのじゃ」
「ぶっ!あはははははは、精霊様が『でーす』だって」 「これ!わらうでない」
揶揄うフィンリィに恥ずかしがる精霊様、その光景がファイとローには異様だった
「まぁよい、妾は水の精霊、先程きいていたと思うが『フォーナ』と名乗ることにした、フィンリィ・ファイ・ロー、この名を呼ぶことを許そうぞ」
「フォーナ様、可愛い名前ね♪」
「「は、はいっ!フォーナ様」」
「フォーナ様、あの娘たちによく御名前を許しましたね」
「うむぅー、なんというかな…力になりたいと思ったのじゃよ」
「わかります、何か不思議な魅力があるのよねー」
少しの間二人で盛り上がっている
「…話しが逸れたがそういうことだ、対応は変わらぬ挨拶も受け入れた
次は二人が母とまではいかぬが軟らかくなっているのを期待しているぞ、ではな」
「またねー、フォーナ様~」
普通に手を振って送るフィンリィに、再び跪き礼をとるファイとロー
「帰りましょうか!」
二人の手を繋ぎ、首肯した二人
帰った後ファイとローは精霊様について色々ときいた、あの場所は聖域で他の人たちは近づくことすらできないようになっていること、この地の自然を妖精を護っているということ、驚いたのは、一部の妖精たちの役割は精霊様と友達となることだった、強制ではなく合わなければ護らないということもないらしい。
「キーアちゃんたちがあの地に入れたのは驚いたけど、妖精の森にきたのも運命だったのかもしれないわね♪、ファイちゃんとローちゃんも嫌だった?」
二人は首を横に振る、揺らぎはない
「ふふ、よかったわ♪次に精霊様に会うときは友達になりましょうね♪」
「「はいっ」」