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ガルテナ ~私の一番の音楽~  作者: しーせん
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決心

 マリと別れて帰宅後、部屋着に着替えて自室のベットに寝っ転がる。

天井を見つめながら今日あったことを思い返していた。


 私の曲を褒めてくれて、喜んでくれる三人。

部活立ち上げの為に頑張る一年生が、私に「曲を作って欲しい」と言う。


 こんなことが起こるなんて。胸が一杯になる。

恥ずかしさ、照れ、場の勢いで有耶無耶になっていたが、凄く嬉しい。嬉しいに決まってる。


 オリジナル曲を投稿し始めた時はこんな感覚をずっと想像していた。

私の曲が歌われたり演奏されたりしたらどうしよう。

そんないらない心配をしていたことを思い出して苦笑する。

最近では「私の曲はダメなんだ」と決定づけていたから余計に嬉しい。

救われたと言っても大袈裟じゃないかもしれない。そんなこと絶対に言わないけど。


 ……それにマリのお願い。アレはズルい。あんな風にお願いされたら気持ちが傾いてしまう。

一度傾いてしまえば、想いは加速し膨らんでいく。


 あの三人にとって、私の曲は価値があるんだ。





 翌朝、今日も晴天。昨日より少しだけ暖かい気がする。

いつもの待ち合わせ場所に向かうと、今日はマリが先に着いて待っていた。

目が合うとマリはにこやかに言った。


「おはよー」

「おはよう」

「合併の話、考えた?」


 悪い答えでないことを表情から見抜かれたようで、明るく聞かれた。

見抜かれたことが少し照れくさくて、言い訳めいたことを言ってしまう。


「まぁネット投稿は隠して続ければいいし、部室は守れるし、『曲のせいにしない』って言われたし、悪い話じゃないよね」

「つまり?」


 少しだけ息を吸って、勢いをつけて言った。


「しよう、合併」

「やったぁ!!」


 マリが抱きついてくる。

いつもならすぐに「やめて」と言うところだけど、今日くらいいいか。

するとマリが嬉しそうに言った。


「ユカの曲、いっぱい聞いてもらおうね!」


 親友が優しすぎて思わず抱きしめ返すところだった。


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