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異世界転移した私  作者: たぬたぬたぬき
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商団護衛任務13日目 マツバガイと野草のスープ






「おはようございます」


「おはよう」



「昨日は空腹に任せて食べ過ぎました…」


「俺も…」


「僕も…」


「なんだみんなじゃねぇか…」


「あの美味しさは反則ですよ」


「たしかに…」


「それはさておきルフ村を出て2日目の朝だが…今日も海沿いを進むぞ」


「はーい」


「山沿いも海沿いも危険なのは同じだから油断せずに行こう」


「そして…」


「“…”」


「見ての通り昨日パーティをしてしまったので今日食べるものがない」


「正直昨日食べ過ぎたから朝ごはんはいらない…」


「晩になる前にまた何か捕まえよう」


「今日も食料を探しながら警戒しながら行こう」


「“おー”」













「平和ですね〜」


「そうだなぁ〜」


「流石に2回目ともなるともうどうでもいいな」


「展開も予想できるしな」


「そろそろ来るんじゃないですか?」


ザザザザザザ…ドーン


バクン…


「日常ですね」


「あぁ…平和だな」


「あいつら毎日あんな無駄なことやってんのか?」


「天敵が少ないから縄張り争いが苛烈してるんですかね?」


「あの魚を見て天敵が少ないとか言っちゃうんだ?」


「あいつは例外ですよ」


ビュンビュンビュン


「今日も触手貝は元気っすね〜」


「食えるものがなくて半ばヤケを起こしてるように見えるな」


「まぁあんだけ危険地帯なら鳥も飛ばないでしょ」


「動けないのは貝の宿命か…」


「たまに都市の依頼で貝の駆除討伐依頼があったりするけど」

「なめてかかった冒険者がエサになることはよくあるしな」


「うわーありそう」


「しかも、この辺の貝よりなまじ栄養価いいから大きさもかなり大きいらしいぞ」


「触手も長そうですね」


「魔法使いが常駐しても良さそうなのに」


「巨大に成ればなるほど焼き殺すのに時間がかかるらしくて、それまで火魔法で炙り続けるほどの腕前を持つ魔法使いが早々こんな辺境にいるかね?」


「人間劣勢すぎでしょ…」


「エクスプロージョンとか獄炎竜とかなんかそういうのないの?」


「都市ごと吹っ飛ばす気か?」


「でも放置はできないんでしょ?」


「今のところ近づきさえしなければさほど影響はないが…」


「私なら討伐できるかな?」


「機転のきくミキちゃんなら何かしらの方法で行けそうだけど…」


「まぁ…ものを見て言ったほうがいい」


「そうなんだ…」


「ベルグールによく出てる依頼って貝ぐらい?」


「詳しくは知らないが…近海に生息する海獣退治の依頼とかあったっけな」


「人間が劣勢の世界で海上戦かぁ…」


「逆に聞くけど勇者とかいないの?」


「いるよ」


「いるなら退治頼めばいいじゃん」


「勇者と呼ばれるようになると国王の依頼をしなければいけないはずだからもっと重要度がある任務につかされるな」


「でも何人も勇者いるんでしょ?」


「あぁ…まぁ…勇者(消耗品)だからな」


「…」


「私勇者になりたくない」


「それが賢明だろう」


「勇者になったら国王の命令で動いて、ある程度依頼を完了すると国お抱えで城に常駐して、王女様と結婚して貴族なり優秀な血を絶やさないほうに持って行くらしいけど…大概は消耗品で消費されてるな」


「エゲツない」


「だから中堅止まりで自由な冒険者人生を送るものもいれば…勇者になってそうやって貴族になるやつもいれば…色々だな」


「死にたくない」


「しかし劣勢の人間がこうして生きていけるのも消耗品の勇者達がこれ以上被害が出ないように頑張ってくれているからとも言えるんだよな」


「…」


「勇者達の尊い犠牲でこの世界はギリギリ守られているんだよ…」


「最強系主人公勇者がこの世界に来てくれて助けてくれないかな…」


「それこそ棚からぼたもちすぎるだろう。現実的に考えて身の安全と食べるに事足りればそれ以上の贅沢は必要ないだろう?」


「…」


「できるだけ身の丈にあったもので生活していければそれでいいじゃないか」

「贅沢なんて望まなければ毎日働いて毎日ご飯食べてたまに恋愛してお酒飲んで」

「人生なんてそれでいいじゃないか」


「そうですね…」


「頑張ったら頑張っただけご褒美があるとも限らない、むしろ無理をして頑張っただけその返りが体にくるかもしれない。そうなったら誰も助けてはくれないぞ」

「みんな毎日安全に生きていくこと。自分の体を壊さないように自分のことだけで精一杯なんだから、無理して頑張るのは間違ってる。毎日余力を残しながら生きていければそれで十分じゃないかな?」


「身にしみるお言葉ですね…」


「気楽に生きて行こう。自分を食わせてやれればそれでいいんだよ」


「…」














「昼過ぎか…」


「おなか…減りませんね」


「腹持ちがいいんだろうな」


「でも夜になる頃にはお腹空きそうですね」


「今日何食べようかな〜」


「今日何食べようかな〜…っていえるなんて裕福な商団だなぁ〜」


「でも実際今日何食べようかな〜だよな。裕福かどうかは抜きにして」


「そうだな…食べ物ならその辺に美味なるものがゴロゴロ転がってるのはたしかだ」


「釣りがしたい!」


「お嬢様道具がありません」


「竿と糸と針?餌はその辺に転がってるとして〜」


「竹ない?」


「ない」


「糸は?」


「都市に着けばあるかも」


「ていうかこの世界魔境だけど普通サイズの魚とか鳥とか貝とかいるの?今まで凶悪なやつにしか出会わなかった気がするんだけど?」


「いるよ」


「いるに決まってるじゃないか」


「ミキさんったら戦闘のしすぎでおかしくなっちゃたんですか〜?(笑)」


「えぇ…」困惑

「今まででかいのしかいなかったじゃん!芋虫!スライム!ムクドリ!沼の主ぽい巨大百足!貝にしてもそうだし海から飛び出す魚すらもう私の世界でいうなら神魚と言えるレベルだよ!?」


「やだなぁ〜あんなのばっかりなわけないじゃないですか〜ミキさん村で一番動物食べてたのに変だと思うほうが変ですよ〜」ニコニコ


「あれぇ?いや…うん…そういえばシカとかうさぎとかは普通サイズではあったけど…」


「巨大な害獣と普通のサイズだと大き?さで目立ちにくいが普通のサイズの方がやや多いぐらいを占めてるんだぞ」


「つまりあの巨大シリーズはこの世界では少ない方だと?それにしては遭遇率高くないですか?」


「そりゃでかい分発見しやすいし発見されやすいからな」


「…」


「あの触手貝だってほら、根元見て見なよ」


「…」


「なんかつぶつぶしたものが見える」


「あれは通常の貝だよ」


「同種でもあるし共存共栄の関係にあるんだろう」


「大きさは違えど概ね共栄関係にあるぞ」


「じゃあなんであんな巨大化するんですか?」


「んー一説には通常の物がなんらかの作用で巨大化すると言われているが…共通しているのが魔核を体内にあるかどうかだな」


「でもたしか魔核って小さいだけでどの生き物にもあるんじゃなかったですか?」


「そうなんだ。ただ巨大化するものは魔核も巨大化する」


「魔力は空気中の魔素を集めたものだと言われているだろう?なんらかの作用で通常サイズが魔素を多く取り込み魔核が成長するに従って巨大化していると言われているが…」


「単純に時が経てば巨大化するという説もあったり個体により魔素の吸収効率がいいという意見もあったりする」


「吸収効率の良さで巨大化し、凶暴云々は大きさが大きくなったから腕を一振りしただけでも甚大な被害になると」


「そういうことだ」


「あとは魔核を多く食べたやつは巨大化したり凶暴化したりするとも言われているな」


「肉食獣ってこと?」


「雑食でもそうだぞ?」


「ふむ…」


「じゃあワン太に魔核食べさせると巨大化するの?」


「確かどの生物も魔核は意図的に食べないぞ?」


「食事の中でたまたま摂取した物が〜とかだった気がする」


「ワン太〜はい!魔核食べてみて〜」



「ほらー食べて見てよ〜」グググ…


んー!


「無理やり食わせるのはかわいそうだぞ」


「ミキさんワン太嫌がってますよ?」


「そもそも召喚獣は召喚者の魔力とかなんとかで大きさを変えるとか先生言ってなかったか?」


「そういえば…」


「獣や魔物と召喚獣では根本的に何か違うのか…」


「ふむ…ワン太ごめんね」


(´・ω・`)



「そろそろ野営場所を探さないと行けませんね」


「えーと…この先に珍しく小屋があったはずだ」


「なんの小屋?」


「いわゆる漁師小屋というやつだな。もっとも使われてないからひどくボロボロだけど雨風はしのげるから旅人の間では重宝されているな」


「ほー。便利」


「たまに野生生物が住み着いてる時があるけどな」


「その時はそいつは晩御飯だね!」


「逞しくなったなぁ〜」









コンコン…


「…」


コンコン…


「…」


「誰もいないかな?」


ガタガタ…


「おーぅ…ジャパニーズヒキド!」


「ドアじゃないんですね」


「こんにちわー…」

「誰もいないみたいだな。」


「よっしゃー!じゃあお邪魔します!」


「…」


「でも何もないね」


「そら、もう使われてないんだしそんなもんだろ」


「雨風がしのげるっていうから期待してたけど屋根に穴空いてますけど…」


「使う奴はいてもここまでわざわざ修繕しにくるやつなんていないだろう」


「それもそうか〜でも、椅子があるだけでまいいか〜…キャッ…」


「なんか乙女な声を久々に聞いた気がする」


「大丈夫ですか?ミキさん」


「あいたたた…これ腐ってるじゃん…」


「薪にしかならんな」


「もー最悪!」


「ところで…何食べる?」


「…」


「あー結局何食べようか」


「ちょっと外で食べ物探しに行こうか。ミキちゃん」


「はーい」


「ワン太はここでみんなを守ってね〜」


わふ!



「とは言ったものの…」


ビュンビュン…


カサカサ…


ズゴゴゴ…うねうね


「海鮮食べ放題だけどいかがなさいますか?お嬢様」


「うむ…あのカニなんてどうじゃ?」


「イソガニか〜」


「ダメなの?」


「カニ系は逃げ足が速いからな〜」


「矢で射って動き止めるのは?」


「ある意味すぐ逃げるから狩りにくいという性質はある」


「大きくなるにつれて狙いやすいが硬くなるから…どうなんだろうな」


「下から針山使うとか?」


「胸部も硬いからなぁ…」


「タケノコは…ミンチになりかねない…」


「んー…今日もヤドカリでいいんじゃないか?」


「ま、安定だね」


「じゃあ行ってこい!おはぎー!」ぴゅーん


ビュンビュン…ガシッ…


「あ」


にゅるん!もぐもぐ…ペッ…


「あぁ…おはぎが食われた…」


「泥だし吐き出したけどな…」


「まぁおはぎは生物じゃないから魔力があれば何度でも蘇るけどさ…」モゾモゾ…


「便利だな」


「それにしてもあの触手野郎…」


「言葉が汚いよ」


「爆弾食わせて破裂させてやりたい」


(爆弾?)


「んーでもそうなるとうまくヤドカリを運べたとしても今度は触手が運搬してるヤドカリを食べるかもしれないよね」


「そう言われればそうだな」


「あれこれ詰んでない?」


「そうかもしれないな…」












「ただいまー」


「お帰りなさい。どうでした?」


「おーい!食材をこっちに持ってきてくれ!今日もディナーの準備はできてるぞ!」


「はい」


「は?」


「はい」


「え?」


「ソウ!これはどういうことだ?」


「ミキ君が俺に草を差し出してくるんだが?」


「そういうことだ」


「マジかよ…なんでだよ!たくさんいただろう!カニとか昨日食べたヤドカリとか!貝とか!」


「ここからだとどれも触手貝がカニとかを守ってる形で近づけなかったんだ」

「仕方ないから食べられる草を取ってきたということだ」


「海水汲んできたからこれでツルナと三つ葉を茹でておひたしとマツバガイが取れたからこれをスープの出汁にして」


「あとこれ」


「何この黄色い果物」


「レモン」


「レモンってあれか?酸っぱい奴」


「そうそう」


「無いわ…」


「ミキ君はそれでいいのか!?ミキ君は俺の味方だと思ってたのに!」


「いや〜流石にあれはどうにもならないよ。薪拾いにもう一回行くけどいく?」


「行く」


ザァァァ…


「ほら」


「…」


「石投げてみ?」


ぽーい


ビュンビュン…ガシッ


ガキン!…


ビュンビュン



「あの触手をどうにかしないとその向こうにいるカニやヤドカリを取れないんですよ」


「…」


「マツバガイは?」


「マツバガイはこっち」

















この後店主はマツバガイを無茶苦茶を乱獲した





















「レモン好きとか変わってるな」


「砂糖かけると美味しいですよね」


「砂糖かけたらなんでも美味いだろ」


「ビタミンCがたっぷりで体にいいんですよ〜特に最近肉多かったじゃ無いですか?肉もいいけどビタミン取らないと脚気にかかりますよ」


「俺は人生でまたと無い幸せな肉食生活を堪能してるんだ」

「ビタミンとやらは知らないが今まで野菜生活してた俺にはもう足りてる」


「そんな無茶な…」


「マツバガイのスープ美味しいですね。三つ葉やツルナのおかげでさっぱりした苦味があって美味しいですね」


「リーフさんはよく分かってる」


「肉もいいけど貝特有のこのかみごたえはここでしか味わえないからな」


「せめて酒があればな…」


「そうだな…酒があれば食いもんが少なくても意に沿わなくてもある程度許せるな」


「帰りに安酒でいいから仕入れて行こうぜ!」


「でも荷物乗るかな?」


「…」


「工夫次第…と思いたい」









「じゃあそろそろ寝ますよ〜」


「今日は小屋の中だし獣の心配いらないだろう」


「何かあればワン太がいち早く気づくはずだ」


「念のため扉に音を出す木片つけておくから」


「サンキュ」








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