ルフ村その2
「ここが件の池ですか…」
「あぁ…なんていうか。思ってたより汚くないな」
「ザリガニはコケとかも食べますしね」
「よく知ってるね」
「さて…しかし真ん中の方は深そうだな」
「今のところ池の周りに甲羅干ししてる小型…それでも50cmぐらいのが無数にいる感じですね」
「ハサミの大きさからして人間なら腕とか足なら千切られてもおかしくないな」
「大型になると今いる木ですら千切られそうですね…」
「大型がいることはあまり想像したくないな…」
「どんな感じで攻めますか?私の針山でずばーっと行きます?」
「いや…あいつらはああ見えてかなり足が速いから集られるとミキ君一人では厳しいと思う」
「なるほど。」
「だから矢でおびき寄せてあの凶悪な手を地面に縫い付けて死ぬまで射るか…大きめの針山か…」
「地味ですが命には変えられませんしね…回復ポーションもないですし…」
「あぁ…確実な方法で行こう。」
「このおおきな木はミキ君が使うといい。反対側の木に俺が行く」
「そしてその間におはぎを配置するんだ」
「できればカカシみたいなものに変身することはできないか?注意をそっちにそらしたい」
「わかりました。何か創造してみます」
「大きくなくいいからカタカタ動く感じで、注意を引いてくれればいい」
「あい」
「合図したら変身よろしく!」
(`・ω・´)bグッ…
「おはぎ!変身!カカシバージョン!」
ビクビクビク…カタカタカタ…
ピクッ…ゾゾゾゾゾゾゾォ
「え?もしかして音を出すカカシにしたせいでもう集まってきてる!?」
シュン…ドス…
「あ、もう先生が射抜き始めた…私も行こう…」
カタンッ…
ザシュッ…
「なんだかんだ言って尖りすぎてる矢があってよかったよ。」
「あの甲羅?でも貫ける威力が出てる。」
「地面に縫い付けるまではいかないけどこれなら頭に当たれば1発でいけそうな気がする」
(`・∀・´)v
「あ、終わりの合図かな?」
「お疲れ様です。もう終わりですか?」
「あぁ、こっちの矢が無くなったから今日はこれで十分だろう」
「わかりました。カカシを解いて荷台に変身させますね」
「陸戦型魔導機獣だ」
「はいはい」
「あ、それと今回のは屋根と扉をつけてくれ。倒したやつは全部村長の元に運ぶことになっているから村人に見せてはいけないらしい」
「あぁ…なんかそんなこと言ってましたね」
「宿に着いたら俺と店主を交代で村長の家に行くみたいだからミキちゃんはそのままついて行くといい」
「わかりました。」
「じゃあ詰め込みして帰ろう」
「こんにちわ。村長様もをお願いします」
「ようこそおいでくださいました。中でお待ちしております」
「失礼します」
「首尾も方はどうかな?」
「ええ…少量ですがいくつか取れました」
「大見得切った割に少量とはルーク村の連中も大したことないな」
「あはは…私たちは冒険者ではないので、こんなものですよ」
「こちらが今回討伐した獲物になります」
「5匹か」
「えぇ、余り狩り過ぎてもよろしくないと思いまして。」
「本当に少ないな」
「申し訳ございません」
「では重さを図りたいのですが…」
「肉と殻を分けて計る事。」
「…」
「仕方ありませんね。いいでしょう」
「ぬ?魔核はどうした?」
「魔核は回収させていただきました」にっこり
「…」
「全部で3キロだな。」
「少ないですね」
「イカサマをしていると言いたいのか?」
「いえいえ、ただ倒した時に持ち上げた時と比べてすごく軽いな、と。」
「こいつらは殻が頑丈で重いからな」
「身だけにするとこんなもんなんだ」
「ではを野菜で2倍の量だったかな?」
「2.3倍です」
「あぁ…わかっているとも。」
(こいつ…)
「少し交渉したいんだが?」
「どういうことですか?この話は先の話し合いで折り合いがついた話ですが?」
「うむ。そこはそうなんだが、実際10キロ近い野菜は持ち合わせていないし、そなたらもあの荷馬車と荷物では多すぎるじゃろうと思ってな」
「…」
「どうかね?ザリガニ肉2キロ分を300gの干し肉と交換というのは」
「虫肉はならお断りします」
「…」
(なんだこの小娘…さっきから…)
「虫肉ではないぞ…れっきとした動物の肉だ」
「その肉を見せてください」
「あぁ、これだ、これがこの村にある最後の”動物“の肉だ」
「ネズミ肉ですか」
「…」
「これは交換するには質が悪過ぎますね」
「しかしこれしかないんだよ。頼むよ〜」
「仕方ありませんね。」
「商談成立だな」
「このザリガニ肉を持って村人の家に行き直接物々交換してきます」
「なんだと?」
「最初の約束事と話が違うのはれっきとした契約違反です」
「ほう…」
「おい!」
サササッ
チャキ…
「これ以上粗末なことを言えばその首は体とお別れする事になるぞ」
「Ok、その話飲みましょう」
スッ…
「ふぅ…」
「では約束の野菜1キロだ、入り口に置いてあるから持って行くといい。また村に立ち寄った際は依頼を受けてくれると助かる」
「えぇ…その時はまたよろしくお願いします」ニコニコ
「ふん…。」
「なんですかあれ最低じゃないですか」
「どうやらこの村は滅ぶべくして滅びそうだな。」
「周りの連中も村長共々腐った連中なのだろう」
「しかもネズミ肉すら無かったことになって…」
「はぁ…せめて野菜だけでももらえたのはよかったですね」
「それはどうかな?」パカッ
「ん?」
「げっ…これほとんど腐ってるじゃないですか!?」
「そんな事だろうと思ったさ」
「…最悪。くたびれ儲けじゃん!」
「宿に帰るか」
「ただいまー」
「おーおかえり!首尾はどうだった?」
「思った通りだったよ」
「そうか…それは残念だったな」
「なに?みんな予想してたの?」
「まぁ〜な」
「今日疲れただけ?」
「そうでもないぞ。ほら」
「あれ?ザリガニの肉?なんで?」
「こんな事になると思ってたから本当は5キロだったが店主と話しして2キロ抜いて持って行く事にしたんだよ」
「それを村の外でリーフとワン太で湯を沸かしもらって一番大きい2本ほど拝借して部屋に持ち込んでいたのさ」
「なーんだ!なら今日の晩ご飯は困らないじゃん!」
「そういう事だ」
「はー…よかったー」
「まずは食べてそれから話をしよう」
「“いただきます”」
「ん!!!これはうますぎる!」
「ふー…高級食材だけあってうまいなぁ…」
「これは伊勢海老…!」
「やっぱ新鮮だとうまいな。少しドロくさいが…」
「でもお腹減り過ぎて気になりません♪」
「美味しいですね〜なんて贅沢!」
「帰りにオスとメス2匹生きた状態で連れて帰って養殖させたいですね(笑)」
「おっそれいいな。(笑)」
「賛成です!」
「ふふっ…」
「ところでこれがミキちゃんへの報酬だ」
「あ、そういえば結局討伐の報奨金もらえませんでしたよね?なんですか?この袋」
「さっき言っていた魔核だよ、依頼書には魔核も回収すると書かれてたがこんなこともあろうかと先にソウに回収を頼んで置いたんだよ」
「なるほど!小型魔核5つゲットだぜ!」
「今日はこれで寝てしまおう」
「明日は朝一で村を出るぞ」
「さんせーい!」
「これ以上留まると余計なことを言われそうだ」




