ルフ村での討伐
「おはようございます…」
「よく眠れたかい?」
「はい。おかげさまで。」
「ミキ君が寝てる間に話し合ったんだが少しでもこの村で食料を仕入れていきたい。」
「だから討伐しようと言う話になったんだがどうだろう?」
「そうですね。」
「それで、だ、ミキちゃんは虫が食べられないだろう?」
「でも食料を最低でも3日分は仕入れないとベルグールまでは厳しい」
「だからここで討伐して、その報酬でミキ君が食べれる食料なんかと物々交換しようと話し合ったんだがどうかな?」
「いいんですか?そんなことしたらおそらく…損をする形になると思いますよ?」
「こっちが危険を冒して多く討伐してそれを渡して私が食べれるものとなると…」
「あぁ、いいんだ。俺たちは多少食わなくても死にはしない。それに俺たちは虫は食えるから討伐した中から良いものを食べればいいだけの話だ」
「み“ん”な“…(泣)」
「まだなにもしてないのに泣くやつがいるかよ(笑)」
「よしよし…」
「うっうっ…」
「そうと決まれば俺はみんなが決めた討伐を村長に交渉してくるからみんなは掲示板で狩りできそうなやつを探しておいてくれ」
「わかりました」
「了解。じゃあいくか」
「はい〜」
「どれどれ…ここが掲示板か…うわ…なんだこりゃ…」
「多すぎますね…依頼書の束になってますよ?」
「…」
「どれどれ…黒油虫の討伐…河に住む繁殖した毒蛙の討伐…沼地の主…人型の水棲生物の討伐(正体不明)」
「こっちは羽アリの討伐…大型蟷螂を中心とするコロニーの殲滅…」
「大型殺人蜂の駆除…なお蜂蜜は村が回収する1匹あたり小銅貨一枚…なんか安くない?」
「あぁ、安すぎだな…その蜂だと規模によるが少なくても1匹銀貨1枚目はするのに…」
「これは報酬が悪すぎて誰もかかわり合わないですよ。」
「危険度に報酬が全く伴ってないな…」
「その上ミキちゃんの手にある殺人蜂の依頼書は随分古いが…今はその蜂どうなってるんだろうな…」
「…」
「考えるだけでも恐ろしい」
「きちんと適正な価格と調査が行われていない依頼はリスクだけが増えるから冒険者は受けたがらないからな…」
「村長が無能すぎるな」
「どうしよう…これ?」
「とりあえずこの中で一番安全で食料になりそうなものを選ぼう。今はもう移動して居る可能性も含めて3枚選ぼう」
「では1枚目…池に繁殖している中型ザリガニの討伐依頼」
「二枚目…川に住む中型貝の討伐依頼」
「三枚目…中型蛇の討伐」
「この3枚か…」
「どれも我々では厳しいですね」
「貝とかなら行けそうと思うんだけど駄目なの?」
「海沿いについたら話をしようと思ってたんだが…あいつら貝を少しだけ開けて触手で捕まえて貝を閉じて獲物を真っ二つにしてから食べるんだ。」
「一度捕まれば誰かがカバーしてくれない限り確実に死ぬ」
「そして貝どもは群れでいるから連携を取られると慣れてないパーティーだと簡単に全滅する」
「…」
「正直どれも格上すぎる上に数が多い。蛇が唯一、一匹だけらしいが…この依頼書の古さからすると今頃どんなサイズになってるか…」
「というか貿易都市から近いなら軍を派遣してくれないのですか?ここ王都への道でもあるんですよね?」
「王都へは海路でもいけるんだよ」
「…」
「だから無理に陸路の安全を確保する必要はないんだ。だから都市も占拠されやすい陸路に軍を派遣したくないと言うのが本音だ」
(冒険者が全体的に足りてない時代なのかな?)
(わからないけど…)
「こちらの主力はは弓兵2、ワン太、おはぎ、だな」
「貝は厳しいとして…残りは蛇とザリガニだけど…」
「蛇は狡猾だから俺も極力相手にしたくないな…大きさもどれぐらいかわからないし」
「となるとザリガニですが…こいつに矢通りますか?」
「どれぐらい大きいかによる。あまり大きくなると矢が通らなくなるな」
「安全に狩れるのは小型のザリガニ?」
「ということになるな」
「倒せれば。だがザリガニはうまいぞ」
「エビですもんね…泥臭そうだけど美味しそうですね」
「一匹狩るだけでもなかなか食い出があるから戦力に余裕のある村は繁殖させたりするけどね」
「つまり養殖ですか…」
「罪人は生き餌にされるけどな」
「…」
「じゃあできるかわかんないけどザリガニ討伐にしますか?」
「現状それしかないだろう」
「おっちゃーん」
「おぉ?なにを討伐するか決まったか?」
「こいつやろうと思う」
「なになに〜池に住む中型ザリガニの討伐依頼…個体数を減らすだけにしてほしい…と」
「戦える戦力が村にないくせにいいご身分だな(笑)」
「まったくだ」
「こいつを何匹仕留める予定だ?」
「すまないが仕留められるかもわからんから仕留めた数に応じて交渉してくれないか?」
「了解。依頼書いまから持っていくんだろう?俺もついて行こう」
「ありがとう」
「じゃあ俺は狩りの準備をしてくる」
「運搬には苦労をかけるがミキ君のおはぎにお願いしよう」
「下手に馬を連れて行って失うわけにはいかないからな…」
「了解〜」
「じゃあ依頼書を提出しにいくか…」
「こんにちわー旅のものなんですが〜村長さんにお話をしていただきたく参りました〜」
ガチャ…
「主人は奥です。どうぞ」
「お邪魔します」
「失礼します」
「こんな寂れた村に何用か?」
「実は村の掲示板の討伐依頼を見たので村長さんにお話をお伺いしたく参りました」
「ほう。それは助かる。冒険者には見えないが…で…どの依頼書をやってくれるのかね?」
「ハハハハ…さすがはルフ村長様、我々が冒険者でないとお気づきになられたとは…」
「実は私どもはルーク村のものでして…」
「あぁ…ヨーク村のその先の村か…よくおいでなさった」
「村長様もご存知かとは思いますが、最近行商人が来なくなりましてうちの村でも備蓄が足りなくなりこうしてベルグールへ仕入れに行く途中なのです」
「ほう…?大人二人子供二人でか?」
「よくご存知で」ニコニコ
「それでこの村で食料を分けてもらおうと思ったのですが…」
「この村に食料はない」
「その様子でして…なのでうちのリーダーが掲示板に貼られている依頼を討伐してその採取した肉を村にある野菜類と交換していただきたく、馳せ参じました」
「ほう?肉を野菜にか?」
「はい!もちろん、私たちは冒険者ではないので絶対に取れるわけではありませんが、もし取れた場合日持ちのしない肉よりも日持ちのする野菜などと交換していただきたいのです」
「それでは君たちがあまりにも分が悪いのではないか?」
「その分野菜を多めにいただきたいのです。取れたお肉の3倍の野菜でいかがでしょう?」ニコニコ
「3倍はボリすぎだせめて同量」
「すいませ〜ん(笑)言い忘れましたが討伐しようと思っている獲物がこちらになります」ピラッ
「…」
「こちらの高級食材を村にある野菜と3倍で取引したいと思っております」ニコニコ
「…」
「だが、村にもあまり食料はないのだ。いくら高級食材でも厳しい。」
「1.3倍」
「2.5倍」
「1.5倍」
「なるほど…なるほど…」
「…」
「わかりました。それではこの話は無かったことにしましょう」
「お時間を取らせてしまい大変失礼しま「2倍」」
「…」ニコニコ
「2.3」
「クッ…」
「わかった2.3でいいだろう…」
「そのかわり他のもに見つからないようにここに持ってくることが条件だ」
「かしこまりました」
「それでは失礼します」ニコニコ
「ということになったから最低でも一匹は頼むぞ」
「交渉結構頑張ったな(笑)」
「うちのリーダーの命がかかってるからな(笑)」
「違いない」
「それじゃあミキちゃん。ザリガニ狩りと行こうか!」
「頑張ります!」




