商団の結成
「こんにちわ〜」
「いらっしゃい。最近バタバタですまんね。」
「いえ…私が見てしまったことですし…」
「ところで今日はどうしたのかな?」
「ヒルの駆除報告です!」
「おぉ…なんでも全滅してくれたんだったね」
「はい!最後の方は見えませんでしたがソウ先生曰くやっつけたそうです」
「こちら、先生が回収してくれた魔核になります。」
「ほう…どれどれ…小核15中核15個だな…」
「大きいのは回収不可能になったらしいです…」
「なるほど」
「どれどれ、そうしたら…小中合わせて30匹と追加で10体分なので…大銅貨4枚だね」
「はい。大銅貨4枚」
「はい!ありがとうございます♪」
「いやー本当にご苦労様だったね〜あれが梅雨の時期に川に乗って村の近くに来てしまうのかヒヤヒヤしてたからミキ君のおかげでこれでまた少し枕を高くして寝れそうだよ」
「えへへ〜」
「次の討伐は…う〜んタイミング的にあるかわかんないけど…ま!次も怪我しないように頑張ってくれると嬉しい」
「はーい(笑)」
「それではまた〜」
「あぁ〜またね〜」
(あの大仕事で大銅貨4枚かぁ…
(イヤイヤイヤ!ポジティブに考えるんだ!)
「それにしても魔核溜まったな〜」
「なんだかんだで合計小42個中24個中破損3個」
「売ったらそこそこいいお金になるらしいし金貨ぐらい行っちゃうんだろうか?」
「ぐふふ」
「どうしたんじゃ?」
「あ、見てくださいよ〜この魔核!ナメクジとヒルの分ですよ!…無くしてなければ…」
「ほうほう…中々良い数じゃ」
「これって売るといくらぐらいしますかね?」
「うむ、実はな、この魔核の値段じゃが正確なことがわからんのじゃ」
「と言いますと?」
「需要と供給や時代や冒険者の増減で大きく値段が変わるんじゃよ」
「ほう…まぁ当たり前といえば当たり前ですね」
「うむ、正式な価格は毎年変わるし王都や都市に行けば町の掲示板に張り出しておったりするの。」
「ほうほう…」
「じゃが基本的に国が優先的に買い取る決まりでな。特に軍を派遣して冒険者を雇うパターンやダンジョン内から出たものはその場で買取をされる」
「むむむ…錬金術に使えないじゃないですか…」
「錬金術師は国のお抱えが多いし自分で欲しければフィールドに出かけるか国から買い取るか…闇市じゃな…」
「なんか最後物騒な名前が…」
「正直、闇市の方が少しだけじゃが買取額がいいんじゃよ」
「ナヌ…それは…「見つかれば持ち物検査されて全没収じゃがの」
「ですよねーそうですよねー」
「それにどちらも顔を覚えてもらうほどに持っていけば多少買取額も上がったり…することもある。闇市なら確実に上がるが軍の方はまぁ…少しじゃの」
「ふむ…軍はケチですね」
「まぁ、依頼があれば無料で討伐に行くからの。市民を助けている代わりに。じゃろうて。」
「この辺にはきてくれないのに…」
「うむ…まぁ遠いしの…」
「へぇ〜でも聞いといてよかった〜」
「思わぬところで講義になってしまったの」
「為になる話はいつでもうぇるかむですよ!」
(うぇるかむ?いつでも来いみたいな意味かの?)
「やっと梅雨前にヒルの討伐終わりましたけど、このまま行商人さんが来ないとなんかソウ先生曰く皮を都市に売りに行くかもとか言ってましたよ。」
「そうか…ふむぅ…」
「私もついていきたいなーなんて…」チラッ
「ふむぅ…」
(聞いてないのか聞いてないふりかわかんない…)
「ちょっと出かけてくる。」
「村長さんのところですか?」
「うむ。」
「いってらっしゃい〜」
「村長」
「うわぁ…びっくりした。なんだ?」
「いや、驚かせてすまん。自衛団の方の話が聞きたくてな」
「ふむ、一応応募は全部で10人ぐらいだったが…」
「豊作じゃな。」
「だが7割はミキ君とお近づきになりたい奴ばかりのようだ」
「まぁ…成人以上未婚未満じゃからの…」
「うむ…しかし…なんというか…女性からの申し込みもあってな。」
「まぁ…居るかな…とは思っておったが…ミキ君は羽振りがいいしの…」
「あぁ…畑仕事するよりは派手に稼いで流行を追いかけたいお年頃でもあるからだろう」
「あぁ…なんか…大変な感じになっておるの…」
「あぁ…しかも、女だから男に比べて力仕事はでは劣るし、親に説得に出ても子供は何人でも居るからいいとか…現金収入!とかで全く聞く耳を持っておらん」
「あぁ…頭が痛そうな話じゃ…」
「そうなんだよ、まさか女性からの申請があるとか思わなくてな…」
「で…選考はどうするんじゃ?確か初期は5名前後だっただろう?」
「うぬ、まず問題を起こさないもの3名は男から選んだ」
「残り7名は…」
「酒癖、女癖、金使い、…盗人疑惑…」
「…」
「自衛団という規律には難しそうな感じじゃの…」
「あぁ…しかも例の女の子の親から絶対選考に通って固定給もらえるんですよね?とか言われて」
「…」
「話が全く通じないんだよ」
「断ったら断ったで遺恨が残りそうじゃな…」
「…」
「それでどうしたもんか悩んで居るんだよ」
「そうか、頑張れ、じゃあワシはこれで…「マテ」
「なんじゃ?ワシは忙しいんじゃ」
「何を言っておる俺とお主の中じゃろう?決まるまで帰さんぞ」
「…」
「わしは家に帰ってミキ君のご飯を作るという大事な任務があるんじゃ…ええい離さんか!」
「俺なんて悩みすぎて三日も寝てないんだぞ…今日は寝かさないぞ…フッフッ…」
(ヒエッ…)
「まて、せめてミキ君に一言…一言言わせてくれ!」
「ダメだ」
「このままでは飢えてしまう!」
「おーい」
「はーい!なんですか?アナタ。」
「今から終わるまで先生と会議を行うから今日はミキ君を呼んでご飯を食べておいてくれないか?」
「あらあら!今日もミキちゃんとお話しできるのね!わかったわ♪まかせてちょうだい!」
「頼むぞ…」
(ヒエッ…)
「さぁ…こちらへ…先生どの…」
「あ…あぁ…」
コンコン「みきちゃーん」
「ん?はーい」
「あら、おばさん、お久しぶりです。どうしたんですか?」
「今日は先生帰りが遅くなるから私の家でご飯を食べておいでってうちの旦那が言うもんだからね?」
「後でご飯だけでも食べにおいで♪」
「おぉ!いいんですか?」
「いいのいいの。そのかわり先生を今うちの旦那が捕まえてなんか難しい会議してるみたいだから。」
「わぁい!行きます〜♪」
「でだ…」
「残りの二人じゃろ!」
「そうだ、何かいい案はあるか?」
「ソウとミキ君でいいんじゃないか?」
「それは最終手段だろ」
「最終も何も村長が三日悩んで答えが出ないならそれしかないじゃろ」
「…」
「ソウは…手伝いならいいが自衛団に入るには嫌だと言っててな」
「じゃあソウ以外の狩人は?他にもいただろう?」
「結婚しておる」
「あぁ…そうか…」
「究極の二択じゃな…」
「男をとるか…女を取るか」
「…」
「もし女の子を採用して怪我でもしてみろ。一生償いをしろと言われかねんぞ」
「ありうるな」
「あの中では酒癖が一番マシな気がするんじゃが…自衛団の時は飲ませないという約束でな」
「言ってみるか…」
「後一人…」
「というか締め切りはいつなんじゃ?」
「今日の夜だ」
「とりあえず今日の夜が来るまで待ってそれからで良くないか?」
「もう夜だぞ。」
「…」
「ごめんくださいー」
「はーい…あら、リーンちゃんどうしたの?」
「村長さんにお話があって」
「あらあら…今は教会の先生と大事な会議みたいで…」
「おーい。通してくれていいぞー」
「いいみたい♪どうぞ〜上がって上がって〜」
「ありがとうございます」
「こんばんわ〜すいません夜分遅くに…」
「いや、大丈夫、どうしたんだ?」
「自衛団の募集今日までって聞いたんですが…私もやってみたいんです!」
「…」
「…」
「いいんじゃないか?」
「本当にいいのかい?危険が伴う仕事で危ないよ?」
「大丈夫です!両親も説得してきました!ですが…後方支援しか認めないと条件付きですが…」
「採用っ!」
「えっ…村長さんいいんですか…?」
「あぁ…リーンちゃんがいいならこっちは願っても無いことだよ」
「あぁ!嬉しいです!ありがとうございます!」
「あぁ…また追って詳細を伝えるから今日はもう帰りなさい」
「はい!失礼しました〜」
「最初の男3人とリーンちゃんと酒癖」
「ぬぬぬぬぬ…」
「マトモなのは4人か…」
「ある意味バランスは取れているがな」
「しかし…不合格者を出す前提で…5名程を見ているといった手前4名にするわけにも…」
「特に女性の方か?」
「うむ…」
「酒癖が約束を破ったらその時点で自衛団から脱退というのはどうだ?」
「それしかないか…」
「まだ初めての結成で旨味が目に見えてわからない分みんな様子見をしているんだろう」
「うむ…仕方がないがのぅ」
「ではその5名と補欠にミキくんとソウとで良いではないか?」
「あぁ…それで行こう。不合格者からは不満もあると思うが普段からの素行や最初から大人数でやって怪我人を出したくないとかなんとか言えばいいじゃろ」
「だな」
「それと…自衛団の初仕事なんだが…」
「お主が何を言いたいか大体察しがつく」
「ソウの話では王都方面の道が異様に静かとの報告を受けた」
「…何かいるんじゃな…」
「最近住み着いたと考えてもいいかもしれん」
「都市が討伐隊を編成しているかはわからんがここまで日にちが伸びると言うことは王都か腕利きの冒険者を集めている最中か…」
「どちらにせよ我々がノコノコいって怪我する事もない」
「となると…もう1つの街道となると…」
「あぁ…交易都市ベルグールだな」
「自衛団を派遣しての…となると仕入れになるか」
「あぁ…前に来た時、行商人に頼んでおいたものもあるがそれとは別にさらに必要量が増えたからな。武具もそうだがミキ君に依頼するポーション瓶…それと行商人がまだ来れないことを見越しての仕入れ…」
「手痛い出費じゃの」
「全くだ。できるだけ無駄にならない範囲で買うつもりだが…」
「そうなると馬車が必要なんじゃないか?」
「馬車この村にもあるだろう?」
「あの屋根もないし人も乗せられないボロいやつか…」
「この村ではあれが限界なんだ、ほっとけ」
「それに今まで必要なかったろ!」
「フッ…そうだったな…」
「仕入れの物と女なら一人二人なら乗せれるだろう」
「まぁ…荷物を下ろせば…?」
「他の男どもは?」
「その辺で寝てもらう」
「酷じゃな。」
「冒険者とはそう言うもんよ」
「自衛団じゃなかったか?」
「…」
「流石にこれは無報酬というわけにもいかんだろう」
「…」
「最低限何人必要だと思う?」
「まず護衛のミキ君とソウは必須。あと交渉役に商店のオヤジも欲しいところだ。それと御者」
「ミキ君は馬の扱いを知らんのか?」
「うちの教会に馬はおらんのでな」
「むぅ…」
「確か最初に合格させた3人のうちの一人が馬を扱えた気がするな」
「じゃあ其奴は雇うしかないな」
「あまり非戦闘員が増えてもな…」
「だの。護衛が二人じゃから…御者と店主でもう一杯一杯ではないか?」
「だな。じゃあ明日合格者の発表とこの4名に旅の支度をしてもらおう」
「ミキ君には私から伝えておこう」
「頼むよ」
「さて…夜もいい感じに更けてきたし会議も終わったしそろそろ帰る」
「あぁ…世話になったな」
「全くだ」




