モノの価値と交渉
「おはようございます」
「おはよう」
「“いただきます”」
「うん。美味しい。」
「そういえは、リーヴェルを召喚して先生は当たりって言ってたじゃないですか?」
「うぬ」
「どう見ても戦えそうにないんですがなんであたりになるんですか?」
「召喚した時言ったと思うけど、あれはまだ子供なんじゃ」
「ふんふん。」
「成長して行くと最終的に家ぐらいの大きさになるの。」
「!?」
「やばすぎる(笑)」
「それとあの種類は風魔法を使うことができるんじゃ」
「マジか…すげぇ…」
「子供の間は弱い魔法しか使えないがあのくらいの大きさじゃと風防護の魔法と風の矢ぐらいなら使えるはずじゃぞ。」
「なんですかそれ」
「対象の周囲に風の壁を起こして簡単な攻撃を防ぐんじゃ。」
「おぉ〜それはすごい」
「それに大きくなるにつれて会話できるようになるの」
「マジか…」
「大きくなるとりーちゃんに乗って空を飛べたりするし、なんなら竜騎士と名乗ることもできるぞ?」
「まさかの…私は竜騎士系主人公だったんですね…」
「でも成長が遅いとかそういう落ちなんですよね?知ってますよ」
「まぁ…否定はしないの」
「やっぱり」
「契約者が強くなれば強くなるほど大きくなるスピードは速くなるし…」
「でも大きくなりすぎると使い所が難しくなって不便そうですね」
「それは大丈夫じゃ、魔力の力で大きさは小さくできるんじゃ」
「魔力万能説」
「だから対峙した相手がドラゴン系の時は肩に乗ってるサイズや見た目を信用しないことじゃな」
「怖い怖い」
「でもドラゴンって鱗じゃないんですか?」
「あの子はどう見ても毛皮ぽい感じでしたけど」
「ドラゴンだから鱗って誰に聞いたんじゃ…」
「鱗のドラゴンもおるが、ヒルみたいにヌルっとした皮を持つものも居ればりーちゃんみたいに毛のドラゴンもおる」
「というかそれを言い出すと名前はドラゴンじゃが空を飛べないドラゴンとか土の中にしかいないドラゴンとか手足のない翼と蛇がくっついたドラゴンとかいるぞ」
「えぇ…ロマンのかけらもない…」
「獣のような4本足とそれに見合う翼が生えて立派に空も飛べて魔法も使える。」
「りーちゃんはなぜ中級で契約できるかわからないレベルの大当たりなんじゃよ」
「ふむ…」
「ちなみに最後にゴーレム召喚したじゃないですか?」
「ぅ?うむ…」
「あれはなんであたりなんですか?」
「…」
「…」
「え?」
「ミキ君がゴーレム欲しいと言っておったから…」
「え?いまなんて?」
「あやつは一応ゴーレムじゃ。」
「うん。」
「…」
「…」
「錬金術の補助(荷物持ち)としても優秀じゃ、熱い!とか言わないしの」
「…」
「どこからも出せて魔力を大きく消費してしまうが変幻自在じゃ」
「…」
「…」
「すまんが…あまりそんな目で見つめないで欲しいの…」
「…」じー…
「初級契約の中でアタリかハズレかで言うと?」
「ハズレじゃの…」
「やっぱり」
「一般的に見て可愛くないし変化にさせるたびに魔力を使うとか聞いたあたりでなんか怪しいと思ったんですよ」
「まぁ…愛玩用?」
「あれを愛玩してる人…先生の人生で見たことありますか?」
「…」
「ごちそうさまでした」
「…」
「さーて!村長のところでも言ってくるかの。大事な話があったんじゃ!あーそうだ思い出したわー!急がないとなー(棒)」
「それじゃまた後で!」
バタン…
「…」
「よし、そういう存在なら逆に燃えてきた。」
「私がプニプニ丸を使いこなして、中級契約書のレア召喚獣並みに後の世においてアタリ中の当たりだと正しい認識させてやろう」
「ごちそうさま!」
「お皿洗って洗濯しよ」
「やぁ、村長さん」
「おぉ、こんな朝早くからどうしたんじゃ?」
「たいしたことではないんだ」
「ミキ君から逃げてきた目だな」
「相変わらず察しがいいな」
「長い付き合いじゃからな」
「で?俺のところに来たと言うことは逃げて来ただけじゃなく何か用事があったんじゃないか?」
「その事なんだが…定期配達の行商人遅くないか?」
「やはりそうおもうか。」
「あいつがこんなに遅くなるのは珍しいからな。」
「うむ…何かあったか、それとも来られないことが起きたか…」
「自衛団の装備品の注文も頼みたいしミキ君への聖水の瓶も頼みたいし…儲けになる依頼じゃからあいつに頼みたいんだが…」
「うむ…一度村からあやつのいる都市まで行くか?」
「しかし入れ違いになると大変な上に、最悪“何か”が道を塞いで通れない場合こちらから出向いて下手すると死者が出かねない。」
「うむ…外に出せるほどまだミキ君は強いとは言い切れないからな」
「ソウなら実力はあるが…だがもし行くとしても梅雨前に今春取れた皮を売りに行く時か…」
「どちらにしても待つしかないか」
「そのうちひっょっこり顔を出すかもしれないしの」
「ちょこちょこした物資は商店に行けばあるからいざとなればソウにでも頼むしかあるまい。」
「ふむ…その時はミキ君も同行させれば動くかもしれないな」
「まぁ頼む時は最初にワシから頼むからもしダメじゃったらお願いするかもしれん」
「あぁ、その時は仕方ないな」
「さてそれじゃあそろそろお暇するよ」
「おぉ、そうか、またいつでもこい」
「助かるよ」
「ということで、今日の講義は終わり。解散!」
「はー疲れたー頭が疲れた〜」
「みきおねーちゃんりーちゃんとワン太ちゃんだして!」
「おいでーリーヴェル!ワン太!」
「キュイ!」
「わふっ」
「外行こー!きゃー」
「キュー!」
「おい、いいのか?召喚獣、女どもにとられたぞ」
「あー?召喚獣と遊ぶよりも剣の訓練したいからどーでもいいや」
「それもそうだなー」
(うーんリーヴェルを一度召喚するのに魔力を4割…ワン太で1割…)
(一気に半分も持っていかれるのは結構魔力効率が悪いなぁ…)
(総量の伸びも最近悪いしこれ以上召喚獣は増やせないかも)
(自然に回復するとはいえ微々たるものだし…)
(あとはリーヴェルの維持がどれぐらいできるか…だなぁ…)
「ミキねーちゃんー剣の稽古してくれよー」
「この学習塾を卒業するまではダメって言われてるでしょ」
「いつのことだよ」
「でも先生は学習塾を卒業できるぐらいになれば剣の稽古や魔力操作の稽古もさせていいかもしれないとか言ってたよ」
「“!?”」
「早く卒業するか…」
「座学ばっかでだるいけど早く稽古したいしな…」
「ブツブツ」
こんこんこん
「ソウ先生いますかー」
「…」
「いないか。まぁ都合よく居ないよね。村長さんのところ行こう」
「こんにちわー」
「おや?こんにちわどうしたんだい?」
「討伐報告に来ました!」
「ん?討伐行ってきたのかい?」
「はい。昨日一人で行ってきました」
「それはそれは…何匹倒したんだい?」
「これ、倒した数の魔核です。」
「どれどれ…ふむふむどれも小さいが21匹も駆除してくれたのか。相変わらず弓の腕前がいいようだ。」
「先生(達)の教え方がうまいからですよ!えへへ」
「フッ…じゃあ今回は小銅貨21枚とボーナスで3体につき小銅貨1枚だったから7枚追加だから…合計小銅貨28枚だね。」
「小銅貨2枚無いかね?大銅貨3枚で渡したいんだが…」
「わかりました。はい小銅貨2枚」
「ありがとう、では大銅貨3枚だ」
「ありがとうございます!」
「今回も魔核は錬金素材に?」
「そのつもりなんですが…行商人さんが来ないから瓶が頼めなくてまだ作れて無いです。」
「ふむ…それは困ったな。」
「他にもちょこちょこ頼みたいものがあるんですが…鏃とか…」
「頼んでる武具もまだきてないみたいだし…先生は今の装備でも討伐できる依頼があるからそんなに急がなくてもいいとは言ってるんですけどね」
「私的には早く欲しいなーって(笑)」
「そうだねぇ新しい装備は楽しみだもんね」
「じゃあ今から商店行ってみるのでまたお願いします」
「あぁ、安全第一でまた頼むよ〜」
「こんにちわおじさん!」
「やぁ、お嬢さん。残念だけどまだ注文の品は届いてなくてね、すまないね。」
「むぅやっぱりですか…」
「預かったお金はまだちゃんと保管してあるからお金は心配しなくていいが…」
「このままいくと村の外に買い付けに行かなきゃいけないかもしれないからなぁ〜」
「そうなればミキちゃんについきてほしいな!」
「あはは…私にできますかね…先生にはまだやめておいたほうがいいって言われてるんですけど(笑)」
「もちろんミキちゃん一人に頼むわけじゃ無いから大丈夫だろう」
「危険度増すが、装備の値段なんかは運送料がかからないだけでもかなり安く買えるからな。」
「それはそれでミキちゃん的にもメリットがあると思うよ」
「ふむふむ…」
「ところで鏃って売ってますか?使えそうなら矢も欲しいんですが」
「どっちもあるけど、ミキ君の弓は小さくなかったか?」
「小型ですね」
「この村で弓を使うやつなんてソウかその他少ないが男は使うやつばかりで大型な奴しかないから完成品の矢をミキちゃんが買ってもおそらくうまく飛ばないと思うぞ」
「素人だから詳しくはわからないが…多分弦を引ける幅が違う上に矢も重いからね」
「たしかに私のやつより重いですね。」
「使えないなら意味がないので鏃だけ欲しいです。どのくらいありますか?」
「おっそうこなくっちゃな。」
(ミキ君が弓を使うと聞いてそれ用の鏃を大量に仕入れてた手前、中々買いに来てくれないから凹んでたけど俺の商人としての勘もまだまだ捨てたもんじゃないな!)
「この鏃は質が良くてな。今までどんな鏃を使ってたかは知らないが…みてみな。
この研ぎ澄まされた切っ先の輝きを…!」キラーン
「おぉ…たしかにすごい…輝いてますね!」
「こいつを使えばより良く効率のいいダメージを与えられるはずだ!」
「たしかに!」
「1セット30個入りで大銅貨1枚と小銅貨5枚だが…もし10セット買ってくれるなら…銀貨一枚と大銅貨3枚でいいぜ!」
「…」
「高い」ボソッ
(あ、つい口が滑って言っちゃったぁぁぁ…値引きするつもりじゃなかったのに…!私のバカ!)
「ぬぅ!?」
(か…顔が怖いよぉ〜…)
「じゃあいくらなら買うか?言ってみろ!」大声
(ここで買ってくれなきゃ丸損じゃねーか!ミキ君用に仕入れた鏃なのにミキ君が買わなかったら誰が買うんだよ!)
(まさかこの村で値引き交渉されるとは思ってなかったが…ここでヘソ曲げて買ってくれなきゃ…いやいや!俺ならいける!仕入額よりも高く売ることが商売人の鉄則!たとえ誰も買ってくれなくても仕入れ値より高く売る!さぁこいよ!値下げ精神を捨ててかかってこい!)
(すっごい顔が怖い…でもやっぱ気が変わりましたのでまた〜とか言えない雰囲気だよ…それにこの人にほかの注文頼んじゃったしなぁ…)
「じ…じゃあ…銀貨一枚…っと…」小声
「あぁん!?銀貨一枚だと!?」
(銀貨一枚と!って言うつもりだったのにこの人話聞いてない!!!助けて女神様〜)
(がんばれ!がんばれ!ミキちゃんならいいふうに行くよ!私はここから応援してますよ!)
(ふぅ…銀貨は確保されたか…失言はとったから全部売れる事は確定したな…あとはいくらぐらいまで釣り上げられるか…だが…向こうがヘソ曲げられるのは怖いが…俺も商人の端くれ!よしっ!)
「それじゃあ!仕入れ値にもならねぇんだよなぁ!」
(ひえぇぇ…顔が怖い〜なんか微妙にニヤついてる…怖い!帰ろう、よし!今日は帰ろう!多分機嫌が悪かったんだよ!後日!後日買いに来よう!)
「あぁ〜!そうですよね〜!あー!そうだーソウ先生の家に行く時間だった〜すいません突然用事を思い出したので今日はこの辺で…!」
「待てやゴルァ!」
(ひぃぃぃ腕掴まれた!カウンター越しに腕掴まれた!もう逃げられない!しかもめっちゃ力入っててこわい…本気の顔だ…)
(おっと思わず腕を掴んでしまった…これじゃあ俺が脅してるみたいじゃないか…だがここで逃がすわけにもいかねぇ…せっかく相場を知らない娘が買いに来てくれたんだ!普段日用品程度しか売れない…売り上げもそう高くない俺の店でこんな上客を逃がしてたまるか…注文してる武具の件もある。やっぱり自分で買いに行きます!とか言われたら大損じゃねーか!)
(現時点の銀貨一枚で十分元は取れてる!予定とは違ったがここで客を失うより今後も長く贔屓にしてもらう方がいいに決まってる…)ギリギリッ
(って痛い痛い!すごい力入ってる!折れる…折れるよ!)
(どうしようガチギレさせちゃった!売ってくれなくなったら困るの私じゃん!)
「あははは…あのぅ…」
腕を見る
「ん?あぁ…掴んじまって悪い」
(”腕に握り跡がついてる“)
「さっきの話なんだが…」
「はひゃい!」
「ミキ君の言う通り銀貨一枚でいいよ」
「え?いやいや!そんないいですよ!」
(私の口から滑った事だし後日買いにくればいいし…)
「いいよいいよ!遠慮すんな!さ!10袋だ!重いし後で教会に届けよう!」
「お金は今払うかい?後で払うかい?」
「え?あ、今払います!」
「はい、銀貨一枚」
ほっ…「はいよ!まいどあり!夕方ごろに届けるから心配しなくていいぞ」
「またのご利用お待ちしておりま〜す!」ニコニコ
(ホッ…なんとか売り切ったぜ…さすがは先生の弟子だけはある…下手に吊り上げようもんならこっちが割りを食うハメになりそうだ…気をつけよう)
トボトボ
(なんか安くで買えてしまった。)
(しかも大銅貨5枚も値下げしてもらったし…ていうか腕痛いんですけど…)
(でも大銅貨5枚の討伐なんてまだ出来ないし…武具予約してるのにヘソ曲げて返金されたら村から出れないし報酬のいい依頼も受けさせてもらえないから迂闊なことは言わないようにしよう…)
コンコン「ソウ先生〜いますか〜」
ガチャ…「ん?ミキ君かどうした?」
「先生にまた討伐をついて来てほしくて。」
「おぉう、いつでもいいぞ。明日か?」
「実はかくかくしかじかで矢がなくてそれが完成してからになりそうです。」
「一人で討伐行ったのか…しかも21体も倒して来たと?」
「いよいよミキ君も独り立ちかぁ…先生悲しいなぁ!」
「あはは…独り立ちなんてまだまだですよ。」
「これからも頼りにしてますよ(笑)」
(!?マジ天使。可愛い本当に可愛い。そして今まで不埒なことしてごめんなさい…でも辞められません。それが男のサガです)
「でも前回討伐に行ってわかったんですが敵も学習をしているようで…」
「ほう…そいつは厄介だな」
「なので次の討伐は朝からやって完全駆除とは言わないでも大方終わらせようかと思ってます」
「なるほど。それで俺のところに来たのか。」
「はい。」
「わかった。準備をしておこう」
「ありがとうございます!」
「ところでその腕の跡はなんなんだ?」
「あ、これですか?これはさっき商店のおじさんに…」
「なんだってぇぇぇ!襲われたのか!?」
「ちっ…違いますよ!声が大きい!です!」
「じつは…」
「なるほどな。あのおっさんがついに婦女暴行に走ったかと思ったぜ」
「ソウ先生じゃないんですから…」
「俺はそんなことしたことはないぞ。」
「あの破廉恥衣装は婦女暴行ですよ」
「そうか何も知らないミキ君から出た甘い汁を吸うためにこんな事を…許せん!」
「…汁とか出てませんけど?」
「わかった!俺は用事ができた!用件はわかったから準備しておこう。それじゃあ…」スタスタ…
「?」
「まぁいいか帰ろう」
「ただいまー、すっかり遅くなってしまって…あれ?」
「キュイ!」
「ワンッ!」
「リーヴェル!ワン太ただいまー」
「よしよし、今日もいっぱい遊んでもらったかい?」
(喜)
(喜)
「あれから5時間ぐらい?たってるけど君達がまだいると言うことはそのぐらいの時間は召喚続けられるのか。」
「明日は朝から召喚してみようかな」
「おかえり、今からご飯作るから少し待ってなさい。」
「はーい。」
カタン…
「そういえば商店から鏃が届いてたぞ」
「お!もう来たんだ。さすが約束は守る男」
「一応商人じゃしな。」
「どうです?この鏃の輝きは?!」
「ん?輝いておるのぅ…どうしたんじゃ?」
「なんかたまたま私が使う用の矢の凄い良い鏃を入荷してたみたいでそれをまとめ買いしたら安くするって言われて」
「買ったのか」
「買いました。どっちにしても前回のヒルの件でもう矢がほとんど無いので…」
「ちなみにいくらじゃったんじゃ?」
「10セット銀貨一枚で買えました!」
「ふむ…」
「あれ?…なんか反応薄いですね」
「いや…そんなもんというか…少し割高な気もするしのう…」
「え?割高なんですか?」
「うむ…だって矢って貫通力を高めるより止まってくれた方がダメージ高いんじゃよ」
「そうなんですか?知りませんでした。てっきり貫通した方がダメージ高いもんだと…」
「たしかに硬い的には有効かもしれないが今回みたいなヒル相手ならそこまで尖ったものは必要ないからの。」
「それに1つ30個入りで10セットなんていつ使い終わるんじゃ?」
「あ、たしかに…消耗品だけど回収できるし…威力高くて貫通する分硬い敵じゃない限り逆に無くなりやすいのか…」
「だの。まぁ、それだけ尖ってればヒュドラやワイバーンとかにも効きそうじゃが…そもそもミキ君用の小型弓で大型のモンスターを討伐する方がありえないし、弓の攻撃力や矢自体の重さを考えてもその鏃では他の弓矢への転用は難しいじゃろうし…」
「つまるところ、鏃だけ鍛え上げても弓の場合全体のバランスがあってこそ攻撃力が高まるから…無用の長物じゃの」
「えっ…うそ……」
「それにそれ銀貨一枚で“買えました”って言ってる時点でわかるけど最初はいくらって言われたんじゃ?」
「1セット銀貨一枚と大銅貨5枚…」
「それはぼったくりじゃの(笑)あやつめ、ミキ君が何も知らんと思って足元を見たな…」
「…」
「そしてその挙句やり取りで思わずミキ君の腕を掴んでしまったんじゃろう?」
「あれ?どうしてそれを?」
「その青くなってる腕を見ればわかるわい」
「掴まれた時は赤かったのに青くなってる…」
「うーむ…ミキ君にはモノの価値のと言うものを教える必要があるの」
「何がいくらぐらいと言う値段を知らなさすぎておるようじゃ」
「何か考えねばならんのう」
「“いただきます”」
「リーヴェルもワン太もどーぞ!」
「キュイキュイ!」
「ワン!」
「美味しい!」
コンコン
「ん?」
「はーい」
「こんばんわ」
「こんばんわ」
「先生いますか?」
「先生にお客様〜」
「どうしたんじゃ?」
「すぐ終わりますので外で話してもいいですか?」
「あぁ、かまわんがどうしたんじゃ?」
「今日後ほど会議を開くことになりまして…」
「美味しいねーリーヴェルワン太〜」
「ふぅ。」
「おかえりなさい。なんだったんですか?」
「ん?なんか後で重役だけ集まって会議をするらしいんじゃが…ちょっと持っていくものがあってな。ミキ君もついて来て欲しいんじゃ」
「?…わかりました」
「それじゃあこれを持って。」
「なんですかこれ?」
「ミキ君がとって来たお肉じゃよ。村長の奥さんが急遽欲しいという事で持って来て欲しいとのことじゃった」
「えらく急ですね」
「まぁ…急に今晩はあの美味しい鴨肉と最高のお酒でキュッと行きたくなる時もあるじゃろう」
「まぁたしかに!」
「うちはミキ君がいるからいつでも食べれるが他の人はソウくんかミキ君に頼まないと食べられないしの。」
「たしかに…」
「最近ソウ君は鹿肉が多いらしいから鳥肉はミキ君しか持っていないんじゃよ」
「なるほどわかりました!私が奥さんに届けてあげます!」
「頼んだぞ」
「コンコン、こんばんわー」
「あぁ、いらっしゃい。中に入って!わざわざ持って来てくれたんだもの。良かったらお菓子作ったから食べていかない?」
「おぉ!いいんですか!ご馳走になります♪」
「こんばんわ〜横通ります〜」
「気を使わなくて良いのよ♪ささ!こっちきて!」
「…」
「じゃあ先生は奥へ…」
「…」
「えーもう、薄々わかってると思うが、今日集まってもらったのは他でもない」
「あの腕ですね?」
「あぁそうじゃ。」
「知っておるかもしれんが、ミキ君が商店に行き買い物とした時に商店の親父から付けられたもんだ」
「それをソウが大騒動で私にところに駆け込んできてな…」
「だって!村長!」
「静かにしろ、ミキ君がいるんじゃ!」
「…」
「詳しいことはわからんが…先生何か聞いてたりしますか?」
「わしが聞いたのは」
……………………
…………
……
…
「と言うことは言っておったの」
「おそらくそれが全てでしょう」
「そのあとソウの家に行き教会に戻ってきたと」
「しかもミキ君用の矢の鏃だけで300個?そんなに誰が使うんだよ」
「いくら安くしておくからと言っても多すぎとは思ったんじゃが…」
「多すぎるでしょう。ガンナーの弾じゃあるまいし」
「しかも銀貨1枚と大銅貨5枚なんて…詐欺にしても酷すぎる」
「ソウが言うのも最もだが自分の使う武器の値段や相場を知らなかったミキ君の落ち度もある」
「それと村の女性たちから苦情が来てな。」
「赤あざが青あざになっておって見るに耐えない。魔物にやられたのかと」
「ふむ…」
「女性たちは女の子一人に討伐を任せるのも反対の様子じゃった。」
「それに!当たることが命よりも大事な狩人にあんなアザができた状態で狩りに行かせるわけにも行きません!」
「今日ミキ君からヒルの完全駆除をするために次の狩では朝から同行して1日かけて駆除していく予定だったのに…あのあざのせいで手元が狂ってミキ君が怪我か、もしくは死んだりしたらもう手もつけられなくなるぞ」
「せっかく今から村を発展させて女子供も安全で安心して行きていける村づくりをしようと計画したばかりなのにああ言う事をされたらまた昔の飢えて苦しい冬のように悲惨な生活に逆戻りだ!」
「それはあり得る話だ」
「せっかく今村全体も良いふうに行こうとしているのにあれは事故だけでは済ませられないぞ!」
「しかも命の危険だから引き止めるわけでもなく、自分の利益だけを追求してああなったんだ。」
「噂ではすぐ広がるだろうがさっきのあざを見ただろう?青を通り越して黒くも見えたぞ」
「あんなものを村の子供や女性達やお年寄りが見たらなんと思うか!」
「うむ…」
「それはマズイな…話だけならまぁ…と思ったが流石にあれを見せられたら何も言えなくなったな」
「そうなんだが…」
「それで…商店の親父はどう思う?」
「!?」
「大変…申し訳ない」
「テメェ!あれだけのことしててよく出てこれたな!」
「待て、落ち着け、彼も反省している」
「…」
「どう、詫びていいかわからない。確かにあの時は自分の利益の事しか考えてなかった…。でもミキ君用に仕入れた商品…ミキ君以外誰も使わないからあの時は売り切りたかったんだよ!俺にも生活がある!正直村の日用品だけ売ってても生活は苦しいいんだよ!」
「でも店は開けておかないといけないし…たまにソウや他のものが買いに来てくれるけど、直接行商人と取引された日には指をくわえて見ているだけで村に店を構えているのに美味しい取引は行商人としちまう!」
「俺だって騙すつもりは無かったんだよ!ミキ君も弓を始めたと聞いて弓なんて命中率5割がいいところだろ?だからすぐに買いに来てくれると思ってたら!中々来てくれなくて…うっ…うっ…」
「欲が出たことは認める。だがたまにでも利益となるものがないとこの村で生活していけないんだよ!(泣)」
「…」
「今までは本当に食うのが精一杯で肉も食えずにみんな疲れ果てながら生きてた。そんな中誰が商店で買い物をしてくれるんだよ!」
「でもミキ君が来てくれて変わったんだ!最近では弓や討伐を始めようかなという声もちらほら聞こえてくる」
「やっと!やっと俺も日の目を浴びることができる!そう思って…つい力が入ってしまったんだ…」
「申し訳ねぇ!俺がこんなことをしたばっかりに…」
「…」
「まぁ、今まで売れ行きの悪いこの村で俺たちを見捨てずに支えてくれた事もあっただろう?なぁソウ」
「…」
「もちろん、このまま無罪とは言わない」
「何かしらけじめをつける必要がある」
「わかってる!わかってる!俺にできる事ならなんでも言ってくれ!」
「先生はどう思う?」
「うむ…」
「私も思うところがあってな。確かに腕の痣を見た時にはびっくりしたよ。商店とソウ君の家に行くと言ってあんな痣を作って来たからついにソウ君に襲われたのかと思ってな…」
「なんでですか!俺紳士じゃないですか!?」
「でも当のミキ君は割と気にしてない感じでの。」
「!?」
「それにはわしも驚いたが…ある意味それがミキ君のいいところでもあるやもしれん」
「そうだな…なんだかんだ優しい子だからな…」
「だからこそああいう痣を作ってたからみんな心配してこの会議になっているんだ」
「それでだな。今回の件で思うことがあっての。」
「ミキ君がこの村に来てから10ヶ月ぐらいじゃが…最初のうちは言葉も喋れない有様じゃった」
「それがそのうち今のようになってみんなで仲良くなっておるが…なにぶんミキ君はモノの価値を知らない」
「確かに…聖水にしても買い物にしても”交渉“してるところ見たことがない」
「うむ…以前どんな環境で生きて来たかは知らぬがあの調子だと村の外に出すと悪者に利用されてしまう可能性が高い」
「だからとりあえず…モノの価値を理解させるために…」
「商店の親父さん」
「はい…」
「痣が消えるまででいいから店で働かせながら商売のイロハを叩き込んであげてほしいんじゃ」
「それで今回の件は目を瞑ろうと思う」
「”!?“」
「お…おい…それじゃあんまりにも…」
「…」
「軽いか?」
「…」
「じゃが今まで村のために商店の親父さんが苦労してくれていた事もワシらは知っておる」
「…」
「みなはどう思うかわからないがそれで手打ちとしてやってくれんかの?」
「先生…ありがとうございます…うっ…うっ…」
「必ず…一人前の商人にして見せますぅ…」
(いや…そこまでは望んでないんじゃが…まぁいいか…)
「というわけで皆の者、これで異論はないか?」
「あぁ」
コク…
コク…
「先生がそう言うなら」
「…」
「それじゃあこの話はこれで終わりという事にしよう。」
「それと商店の親父さんの話を聞いて初めて思ったことだが…苦しい時代もせっかく村のために商店を開いていてくれていたんじゃ。」
「これからは行商人との直接取引ではなく一度商店を経由して買うことを決めようと思う。」
「えぇ!?いいんですか!?中間に俺を挟むと少し値段が上がってしまいますよ!?」
「そこは村の者から不満が出ない程度に取引するのが商人じゃろう?」
「…」
「とにかく今後、行商人との直接取引は禁止だ。必ず商店を経由して購入すること。」
「入り用があれば商店の親父に頼んで取引すること」
「あぁ…ありがてぇ…ありがてぇ…」
「それとミキ君の痣が治るまで働かせる時は長袖を着せて痣を見えないようにしてから働かせなさい」
「むやみに痣を見せてはならん」
「袖を捲り上げるような仕事をさせるのも禁止だ」
「心得ます」
「長くなったが…これで解散だ。次の会議の時にでも全員に通達するが…その前に話は広まるじゃろう」
「それとミキ君には悪いが痣が治って元どおりになるまでは討伐をさせないでくれ」
「わかった、伝えておこう」
「それでは解散。」
「ありがとうございました…先生」
「いやいや…今回の件でミキ君がモノの価値を知らないと言う事も分かったことじゃし…大丈夫じゃよ。普通の感覚が身につくようにしっかり教育を頼むぞ」
「はい!」
「ミキ君ー帰るぞ〜」
「あ、はーい。それじゃあ奥さんまた来ますね!」
「またいつでも来てね!またお話ししましょ♪」
「おじゃしましたー」
「結局何の話だったんですか?」
「ん?」
「あぁ…ミキ君のお金の使い方が荒いから子供たちの教育に良くないと言う話じゃったんじゃよ」にっこり
「えぇ!?私お金遣い荒いですか!?」
「普通ミキ君の年で銀貨使うなんて貴族か商人の娘ぐらいのもんじゃぞ?」
「どうみても、子供達の教育に悪いじゃろう?」
「…まぁ…そう…ですかね…?」
「そこで明日から商店で働いてもらって正しいモノの価値を理解してもらう運びとなったからしばらく商店に働きに行きなさい。正しいモノの価値を理解できるまでは討伐禁止じゃ」
「えぇ〜…」
「嫌か?」
「嫌じゃないですけど…」
「冒険者や村の外に出るならせめて相場と値下げ交渉ぐらい覚えておいてくれんと、ぼったくられるぞ?」
「いままで値下げ交渉して物を買ったことは?」
「ない…です…」
「元々はどこかの王族だったのかな?」
「ちっちがいます…///」
「ならばその辺の娘と同じぐらいにはモノの価値を覚えていてくれないとこの先、生きて行くのは厳しそうじゃのう…」
「頑張りまーす」
「うむ。しっかりと学んでくるんじゃぞ」




