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異世界転移した私  作者: たぬたぬたぬき
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アルと奴隷商人

久しぶりに少しお腹が膨れたようで、子供達は昼寝をし始めた。


レノは眠いのを我慢しているようだ。


「俺達が見張っておくから今は寝てろ」


アルがそう言うと、すぐにレノも眠りに落ちた。


「”俺達が見張っておくから今は寝てろ”ってどういう意味?」


「ん?あぁ・・・こういう状態だと人攫(ひとさら)いが出る時があるんだよ」


人攫(ひとさら)いって・・・奴隷商人って事?」


「そうそう」


「え”!?マジ!?」


「マジマジ。金に困った商人崩れが子供を拉致して変態好事家(こうずか)達に売り払う奴らが居るんだよ」


「えぇ・・・」


「だからコイツ等はコイツ等で自衛して生きているのさ」


「アルもそんな経験が?」


「・・・」


遠くを見ながら珍しく何も言わない・・・地雷だったか・・・。


「とりあえず・・・この子達起きないけどどうしよう?」


「起きたら城に連れて行って晩飯だろ?」


「飯は良いけど、薪が無いとなぁ・・・さすがに足から火魔法を出しつつ料理するのはしんどかったよ・・・」


「みんなを城に連れて行って、レノと俺で薪集めてきてもいいけど?」


「それなら私も行くよ」


「さっき言ってた奴隷商人が来たら、誰がメイドさんやら子供達を守るんだ?」


「あっ・・・そうか・・・」


「逆に薪を回収しにいこうとしても、レノとお前だとガキ&ガキだから容赦なく襲ってくるぞ」


「ぐぬぬ・・・この可憐で金髪巨乳幼女形態が(あだ)となったか・・・」


「子供の姿なんてリスクでしかないだろ。フツー・・・」


「ぐ・・・ぐぉぉぉ・・・・」


「頭いいんだかバカなんだか・・・」


「そうだよね・・・普通に考えてそうだよね・・・私の元居た世界じゃないんだから・・・」


「元居た世界は金髪幼女が一人で歩けるぐらい安全だったのか?」


「いや、下手したら拉致されてただろうね」


「どの世界も似たようなもんじゃねぇか」


「うむむ・・・」


「幼女じゃなくて昔ベルグールで見かけたデカ猿とかにしてもらえばよかったのに。パンチ一発で城門破壊できるやつとか。」


「そんなやつ村に入れないだろ・・・」

「ていうかそれもうモンスターじゃねーか」


「モンスターだと逆に冒険者から襲われるか・・・」


「やっぱりちん〇を生やした美青年にしてもらうべきだったか・・・」


「ちん〇はいらねーだろ。お前の脳みそでちん〇を持ってるとか恐怖でしかねーわ」


「男にも穴はあるもんな・・・」アルの尻にそっと手を当てる


「触んじゃねぇ!そういうとこだぞ」ジト目


・・・・・・


・・・



陽が落ちた頃に子供達が起き始めたので一旦城に移動を開始する。


「この時間帯・・・奴らが来るから気を付けてね・・・」


リノちゃんが意味深な事を言う。


そんなフラグも建てつつ、無事に城門の中に入る。


「ただいまー。遅くなりました。」


「アルトリア王子ーーー!!!」大泣き


大号泣トールキンがアルの顔にダイブ。


「帰りが遅いから心配!心配しましたぞーーーー!!!」


「わかったわかった。離れろ。」


「レノ。悪いんだが夕食の為の薪が必要なんだ。近くで薪になりそうな木材は無いか?」


「え?夕食!?さっき食べたばかりなのに!?」


「俺達冒険者は3食くわないと力が出ないんだよ」


「冒険者って3食も食えるのか!?」キラキラ


「働き方次第だな」


「俺薪になりそうな木材知ってる!」


「そうか。おいミキ。薪取ってくるから夕飯の準備しといてくれ」


「わかったー。アル!」


「ん?」


強化(ストレング)魔法改(エンチャント)!」

「せめてな」


「これ久々だな。サンキュー」


・・・・・・


・・・



「薪はどの辺にあるんだ?」


「手ごろな所の奴は使ったから街の入り口付近にしかないよ・・・」


「居るのか?」


「うん・・・やつら定期的に来るんだ」


アルの服をギュッと握る


「・・・」


・・・・・・


・・・



街の入り口付近にたどり着くと、扉の無い家の中から火を囲む大人が見える


ザクッ…ザクッ…ザクッ…


アル達が近づくと、家の中から恰幅の良いマントを羽織った男が現れた。


「誰かと思えば・・・冒険者の方でしたか」

「・・・こんな廃墟に・・・野営ですか?」


「あぁ、薪を探しててな。薪になりそうな物は無いか?」


「薪ですか・・・この近くの家なら家具などですが薪になりそうなものはありましたよ。」


「貴方は、商人か?」


「えぇ。ヨド村から来まして、ここで一泊してから帝国に向かう予定です」


「その割には荷物が少ないな?」


「えぇ・・・希少な物を取り扱っておりますので・・・荷物は少ないんですよ。」


レノがぎゅっとアルの背中に隠れて身を固くする


(コイツらか・・・)


恰幅の良い男を中心に隣の家とその反対から様子を(うかが)う人影が2人・・・


「希少な物を持ち歩いていると自ら言う商人がどこに居るんだ?マヌケ」


眉をひそめて・・・


「バレているなら仕方ないですね・・・」ニチャァ・・・


左手でマントを持ち玄関から差す焚き火の光を隠し、辺りが暗闇になった瞬間


アルから近い側の家から双剣使いが飛び出す


「クッ!」


右手で大剣を掴み、勢いよく振りぬく


ドチュ・・・


イヤな音を立てて空中に二本の剣が舞う


大剣を振り、剣先が地面についたか否かで奥の家から長剣を持った男が切りかかる


それと同時にマントの男がボウガンを抜き、矢を放つ


「うらああああああああああ!!!!」


「クソッ!」


アルは両腕に力を籠め左から右へ水平切りを行い、長剣ごと男を真っ二つにする。


ズシュッ・・・


ボウガンの矢がアルの左わき腹をかすめる。


「何!?確実に当たったはずだ!そんな革鎧では防げないはず!」


双球の満月を背景に天高く掲げられた大剣


「俺の鎧はワイバーン製なんだよ!」


頭上からフルパワーで振り下ろされた大剣。


「ぐああああああ!!!!んぐっ!?」ドシャァァ


頭から真っ二つにされて大剣は地面にめり込む


「ふぅ・・・」


「あわわわわ・・・」


「貴様ァ!許さんぞ!!!」


長剣の男が上半身だけで吠える。


「まだ生きてたのか奴隷商人。しつけーぞ。」


そう言って中途半端に生きている奴2人の頭を大剣で勝ち割りとどめを刺す。


「テメェらには昔っから(うら)みがあんだよ・・・」睨み顔

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