矢の作り方
「うぅ〜ん…」
「むくり。疲れてる。」
「おはようございます…」
「おはよう。」
「“いただきます”」
「…」
「ミキ君の疲れてるようじゃな。」
「はい。」
「これさっき作ったから飲むといい。体力回復と元気が出るジュースじゃ」
ごくごく…
「うん!すごい美味しいですね!」
「そうじゃろう、そうじゃろう、沢山あるから好きなだけ飲んでくれ。」
「ありがとうございます。」
「ヒルをどこか、干していい場所ありますか?」
「うん?どこでも良いと思うが」
「いやぁ…教会に吸血物って物騒かなとおもいまして…」
「死んでるんじゃしもうあれは滋養強壮の薬じゃから大丈夫じゃよ。
「粗めのザルに置いて乾きやすいように高さを持たせて置いておくといい。」
「あ、それが…結構大きいのもいまして…」
「ふむ…あとで見てみようか。」
「はい」
「大きいのう。」
「大きいです。しかも重いです」
「うむ…これは普通に干すしかないの。」
「はい。」
「手伝ってあげるからサッと終わらせて…今日の子供達の勉強はこやつの見学をしようかの」
「わかりました。」
「まだ魔核を取り出してないのでそれも交えて講義するといいかもしれないです」
「そうか、それは良い勉強になりそうじゃ。」
「今日は、いつもの勉強と違って見学会をするのじゃ。」
「見学会?なんのー?」
「今日はミキ先生が昨日討伐してきたヒルを見学します。」
「生きてるんですか!?」
「流石に死んでるからね?」
「じゃあ教会の横に集合じゃ」
「すげー!!!」
「でけぇ!」
「俺ぐらいのおおきさがある!」
ワイワイ
「本当に死んでるの?なんか怖い。」
「大丈夫だよ。死んでなければ村に入れたりしないよ(笑)」
「これから獣・魔物の中にある魔核を取り出す授業を行います。」
ぱちぱちぱち
「まず、基本的に胸・首・頭など急所の位置にあり、獣や魔物により魔核の位置が違うなど…」
「今日はここまで。」
「ありがとうございましたー」
「先生!俺たちまだ見学してていい?」
「あぁいいとも。まだ核を取り出さなきゃいけないからな。」
「みきおねーちゃん!ワン太!」
「はいはい(笑)」
「わふっ」
「わーい!いこーワン太〜」
「ミキ君、魔核は私が取り出しておくから村長に報告に行ってきなさい。」
「あ、ありがとうございます!助かります!」
「いやいや、なんのなんの。これだけ数が多いし子供達も見ていくから取り出し作業をさせたり遊びながらするから気にせずいっておいで。」
「わかりました」
「先生触っていい?」
「いいがヒルの口は危ないから背中側を触りなさい」
「うぉぉぉぉぉ!ぶにぶにしてる!」
「気持ち悪りぃ…」
「こんにちわ村長さん。」
「おぉミキ君か。そろそろ来ると思っていたよ。」
「討伐の方はどうだった?少しは数を減らせたかい?」
「小型が6匹と中型が7匹でした。」
「ほぅ!はじめての闘いでその数とは上出来じゃないか。」
「上出来ですかね?(喜)」
「あぁ!大したもんだよ。普通の冒険者でもなかなか受けてくれないのにミキ君は初戦闘でそれだけ狩りができているんだから。」
「わーい」
「そうなるとかなり矢を使ったんじゃないかな?」
「結構使いましたね。おびき寄せる時に使ったやつなどは回収できてませんし…」
「ふむ…ソウ君なら矢を自分で作ってたはずだから教えてもらうといいかもしれないね。」
「あれ?自分で作れたんですか?」
「ハッハッハッ、普通は弓使いなら自分で作るもんだよ?」
「弓なんてよほど上達しないと早々当たるもんでもないしね。完成品を買ってたらいくらお金があっても足りないよ(笑)」
「そうだったんですね。今度教えてもらいにいって見ます!」
「あぁ、それがいいだろう」
「じゃあ報酬の計算をしなきゃね。」
「13匹だから、小銅貨13枚と追加4枚で合計小銅貨17枚。」
「大銅貨1枚と小銅貨7枚でいいかね?」
「はい。ありがとうございます。」
「無理にとは言わんがこの調子で梅雨までに完全駆除してもらえると大変助かる。もちろん無理はしなくていいぞ。」
「あははは…。が…がんばりまーす(笑)」
「ただいま。」
「おぉ…おかえり。魔核は全部取り出して袋の中に入れてあるぞ。」
「じゃがせっかくの中級が3つほど割れておったからあれは錬金素材にしか使えんの。獲物は乾燥しやすいところに移動して置いた」
「ありがとうございます」
ジャラッ…
「小さいのはともかく、中型のは小型に比べて核の大きさも中型になるんですね。」
「あぁ、図体が大きくなるとそれだけ核も大きくなるの。」
「小型がビー玉サイズなら中型はゴルフボールぐらいあるのか…大型になるとどれぐらい大きくなるのやら…」
「大型に属される一番小さいやつで拳大とかそのくらいじゃったかの?」
「野球ボールとかテニスボールぐらいかな?流石にリンゴサイズでは無かったか」
ごくごく…ぷはぁ。
「そういえば先生。流石に今回のヒルは多すぎたので次から鞄か何かに入れようと思うのですがどう思いますか?」
「あぁ、そのほうがいいじゃろう。戦利品も大切じゃが安全に帰ってこれないと何の意味もないからの。」
「じゃあ鞄を買わないといけないですね。」
「あ、鞄なら使い古しでよければ使わなくなったやつがあるぞ。少し待ってなさい」
「おぉ!」
「これじゃ。だいぶ古いからいつ壊れてもおかしくないがまぁ、まだ使えなくはないじゃろう。それにこれなら汚れても心配いらんしの。」
「おぉー大容量!ありがとうございます!」
「先生、これからソウ先生のところに行ってきます」
「あぁ、いってらっしゃい。」
コンコン
「ソウ先生ーいますかー」
「はーい」
「あれ?裏手?」
「こんにちわ。」
「おぉ。いらっしゃい。」
「って…うわ。鹿ですか?」
「うん?あぁそうだよ。ミキ君のおかげで小動物だけじゃなく大型のも増えてきたからね。どうせなら大きいのを獲ってきたんだよ。」
「昨日の今日なのに…タフですね…」
「ハッハッハッ!元気と弓の扱いだけが取り柄だからな!」
(何より昨晩は久し振りにハッスルしてたから元気一杯よ!ミキ君には言えないけど…)
「ところでどうしたんだい?」
「ちょっと教えて欲しいことがありまして。」
「俺はまだ独身だよ?」
「知ってます。そうじゃなくて、矢の作り方です」
「そっちか。そういえば矢の作り方知らないんだっけ?」
「はい。村長さんから頂いた物も昨日の狩りのペースだとすぐなくなってしまいそうなので。」
「ふむ、確かにそうだな。」
「もう少しでさばき終わるから少し待っていて?くれるなら教えてあげられるぞ。」
「はい。お願いします。」
「あ、待たせるのもアレだしほら。これ持って行きな。」
「え?いいんですか?」
「あぁ、いいとも、昨日の慣れない狩りで疲れただろうしこれでしっかり英気を養ってまた狩りにいこう。その時はまた手伝ってあげるから。」
「あ、ありがとうございます…その時はまたアレ着るんですよね…?」
「おう、そのかわり護衛代や獲物の分け前はいらないし矢の回収や索敵なんかも任せてくれ!」
「うぅ…アレを着るのは遠慮したいけど…仕方ない…のかな…?」
「ささ、あとで来る頃には終わらせておくから行っておいで。」
「ありがとうございます。」
「先生ーソウ先生がお肉くれた。」
「おぉ、大きいのう。今日はこのお肉を使って料理を作ろうかの」
「わぁい」
「用事はもう済んだのかい?」
「今から教えてもらうことになったので少し遅くなるかもしれません」
「わかった。しっかり学んで来るのだぞ。」
「はーい」
「ソウ先生ー」
「はーい。いらっしゃい」
「そこに座ってくれ、目の前に道具置いてあるから教えてあげよう。」
…………………
………
…
「なんとか綺麗にできました。」
「うむ。少しゆるいが使えなくはないだろう。毎日やって入れば上手くなるから数だな。」
「鏃はもって…るわけないよな…」
「ほら。この鏃をあげよう。」
「いいんですか?先生の予備ではないんですか?」
「あぁ、まだたくさんあるから大丈夫だよ」
「肝心な討伐の折に矢が無くなりましたとか言われると俺も困るしな(笑)」
「ありがとうございます。」
「それと、今は矢筒を背中に背負ってますが、前回足りなくなって別に包んだ矢を使いましたが、腰にもう一個討伐用で大型の矢筒とかあるといいかなと思ったんですがどう思いますか?」
「ふむ、オススメはしないな。機動力が下がる。」
「やっぱりそうですよね。」
「弓使いが一番大事にしなきゃいけないところが、おろそかになるのは良くない。
「腰にもう一個つけるのはいいと思うが今使っているものと同じぐらいのサイズでいいと思うよ。」
「ふむふむ。」
「あ、お古でよければ少し小さいが余りがあるけど使う?」
「え?いいんですか?臭くないですか?」
「…」
「しばらく使ってないから…わからないけど…」
「これだ。うーん臭くないと思うけど…」
「臭くないですね。」
「そもそも革製品はよっぽど使い古さないと臭くならないから普通に使う分には大丈夫だと思うぞ。」
「そうですか。あの最初の話で革製品の中古=臭いというイメージが…」
「そうか…それは悪いことをしたな(笑)」
「でも本当に頂いてもいいんですか?」
「あぁ、いいぞ。遠慮しなくていい」
(昨日はお世話になったしそしてこれからも…)
「ありがとうございます。」
「それではそろそろ帰ります。」ごそごそ
「あぁ片付けはあとで俺がやっておくから気にしなくていいぞ」
「は、はい。」
「それではお邪魔しました。」
「はいよ。またなんかあったらいつでもどうぞ。」
「はい。!それでは〜」
「ただいまー」
「おかえり、ご飯ができておるぞ。」
「わーい」
「“いただきます“」
「美味しい!」




