討伐依頼
「ざっくりじゃが今回は前回の形ではなくひし形に作ってみたんじゃ」
「へー盾にも色々な形があるんですね。」
「うむ、基本の丸型や今回の菱形、長方形なんかもあるぞ。今回のは形がひし形じゃから皮で腕に巻きつけられるタイプにしてみた。」
「おおー!」
「それにより左手が自由に使えることはもちろん手首側につければちょっとした盾の武器にも早変わりじゃ!」
「おぉー!それはすごくいいですね!」
「手首側の方の先端を少し尖らせてあるから左腕で殴りかかれば腕を守りつつ多少のダメージも与えられるように工夫してみたんじゃ」
「さすが先生です!」
「じゃが過信は禁物じゃ、なんせ木じゃからの。大型の剣や斧が相手だと一撃で壊れるどころか腕にくくりつけている分腕ごと逝ってしまうかもしれない。」
「あくまで野生生物を相手するとき前提で考えるんじゃ。」
「わかりました…気をつけます…」
「ミキねーちゃんワン太だして!」
「ごめんね今日は見回りの日だからワン太だせないんだよ〜」
「”えぇ〜“」
「ほんとごめんね!見回りが終わったらみんなが遊んでるところにワン太向かわせるから!」
「わかったー!約束だよー!」
「はーい(笑)」
「気をつけて行ってきてね〜」
「“バイバイ〜”」
「さてと、見回り行きますか…」
シュッ…
「よし!」
「うーん野うさぎさんゲット!」
「いい毛並みしてますねぇ〜」
「獣は…いません。相変わらずアリクイさんがいるおかげでここは平和だなぁ…」
「おいで!ワン太!」
「わう!」
「みんなが村で遊んでるから一緒に遊んできてあげて〜」
「わう!」じー…
「?…うさぎ食べる?」
「わうわう!」キラキラ
「あっあははは、少しだけだぞ(笑)」
「じゃあ行ってらっしゃい〜」
「ワン!」
「うーん意外と持っていかれてしまった…」
「たまにはいいか。残りはスープにでも入れよう」
「ただいまー」
「って先生はまだ畑か。」
「着替えて勉強でもしようかな…」
「今日は野うさぎのスープですよー!」
「おぉ…美味しそうじゃのう…」
「“いただきます!”」
「“ご馳走さまでした!”」
「ミキくん。」
「なんですか?」
「盾もできたし…ミキくんも装備の注文でお金が減っただろうし、そろそろ討伐にでも行かんか?」
「おぉいいですね!」
「そうこなくては!今回はこれを選んできたんじゃ。」
「なになに〜中型ナメクジの討伐依頼」
「梅雨の繁殖時期が来る前に全ての駆除が条件」
「ぇ…ナメクジやだ…」
「そう言うだろうと思って考えたんじゃ。ミキくんは今木剣と盾と弓じゃろ?装備が届くまでは有効な攻撃は弓しかない。しかし数発も撃てば敵が群がってくる。
そこでワン太の出番じゃ。」
「前衛をワン太にさせて木の上から弓で敵を倒す。そうすれば前回のようにベトベトになることもないし安全に倒せるというわけじゃ。」
「それはいい案ですね!」
「ただどっちにしても魔核を取り出すときに多少は触らなきゃいけないがの?」
「…」
「そう、嫌そうな顔をするでない(笑)魔核は小さい割りに中々いい値段で取引される上に中位上位の錬金素材には必要不可欠なものじゃ。あって損するものではないぞ。」
「もちろん下級薬を作るときにも魔核があれば材料が少なくて済むしとても有用なものなんじゃ!」
「先生が貸してくれたこのナイフしかないんですがそれは…」
「(最高の笑み)グッb」
「無いです。」
「討伐数は…五体もいるのか…」
「そんなもんじゃろう。平均じゃな。」
「肝心の報酬は…一体につき銭貨5枚…?あの気持ち悪さで銭貨5枚って安くないですか…?」
「まぁ基本的に村から討伐隊組むときは男が行くから気持ち悪いと思うのは女性ぐらいじゃし…そんなもんじゃないかの?」
「うわぁ…嫌なうえに報酬が安く感じる…」
「ちなみに素材って何か取れますか?」
「こいつからは何もないの。食料となる部分もないし…食えなくはないらしいがの…」
「全力で遠慮させていただきます」
「えぇ〜あの気持ち悪さで全部倒しても小銅貨2枚と銭貨5枚?」
「それと魔核か…」
「ちなみに魔核は胸部分にあるから攻撃を当てるときは頭や胸以外に当てるんじゃぞ。」
「ナメクジの胸ってどこですか…」
「これ本当に弱い方なんですか?」
「見た目はあれじゃが動きは遅いし何より今の晴れの時期なら倒しやすいし恐るに足らない敵じゃの。」
「…」
「で、どうする?少しでも安全にできそうなタイミングで戦闘することが吉だとワシは思うがの。」
「うっぐぐぐ…お金も銀貨18枚も使っちゃったし…やりたくないけどやります…」
「よく言った!戦闘も気持ち悪さも慣れじゃ!早く慣れるうちに越したことはないぞ!」
「はぃ…」
「じゃあこれは朝一に村長に依頼書を書いて出しておくから気をつけて言って来るんじゃぞ。」
「はーい」
「それじゃあおやすみ」
「おやすみなさーい」




