淑女と女神
「前略。女神様知っていますか?」
「人間はお肉を食べないと死んでしまうんです。」
「ああやって毎日野菜だけで畑仕事に精を出せる魔人なんて先生ぐらいのもんです。」
「…」
「お淑やかってなんですか?」
「…」
「(身の振る舞いや話し方が落ち着いていて上品なさまですよ…聞こえてませんけど)」
「肉がなくて覇気が出ません。」
「私はもうすぐ死んでしまうかもしれません」
「!?」
「お肉が食べられなくて…」
「…」
スピー…
(ミキさん起きてください!)
ムクッ(肉ですか?)
(違います。)
(なら我の眠りを妨げるでない…)スヤァ…
(お淑やかにできないといつまで経ってもお美味しいお肉食べられませんよ!)
(…)
(あの肉汁が滴るモモ肉!表面をカリカリに焼いてアツアツを口いっぱいに頬張る喜び!口の中に広がる最高の旨味!)
(…)ぐぅ〜〜〜。
もう一息だ!(あの美味しさを全身で味わえずして何が生きる!でしょうか!)
がばっ(そうですよね!わかりますか!肉の素晴らしさが!)
(もちろんですよ!わたしにもわかります!)
(…ところであなたどこかであった気がするんですがどこで会いましたっけ?)
(えっ!?いえ!会ったことありませんけど…?)
(怪しむ目)
(本当ですよ!それにこれはあなたの夢の中ですので私とあなたは会ったことがありません。)
(…)
(お淑やかさとは身の振る舞いや話し方が落ち着いていて上品なさまのことです。)
(さぁ目覚めの時間です!貴方がお肉が食べられるように心から応援していますよ…)
むくり
「夢か…」
「ところで夢の中の人誰だろうどっかで…どこかでお会いした気がするのだけれど…」
「まぁいいです。今日は何か凄く気持ちがいいのでお淑やかさ、頑張ってみます!」
「おはようございます先生」
「おおおはよう」
「朝ごはんができておるから一緒に食べよう。」
「はい」
「“いただきます”」
「そろそろ冬も終わって春が来ると思うんじゃが早くきて欲しいのぉ」
「そうですね〜」ニコッ
何か今日のミキ君は雰囲気が違う…まるで別人!?
「とても美味しかったですごちそうさまでした。」
「あ…あぁ…」
「それでは日課をしてまいります。」
「あ…あぁ…」
「昨日まであんなにゴネてたのに…わしの祈りが女神様に通じたのやもしれんの…」
「夕飯は久しぶりにお肉を入れてあげよう。」
…………………………
「まぁ、今日は久しぶりのお肉入りのスープなんですね。」
「あぁ、今日はお淑やかだったからね。この調子で頼むよ。」
「はい。先生」




