優しい獣
「行ってきまーす」
「獣に気をつけるんじゃぞ〜」
昨日と一昨日、思わぬドラブルがあり狩場の見回りをすっかり忘れていた私は今日初の見回りに行くことになった。
「3日に一回って言われてたけど、もう5日目ぐらいかな。」
林の中は静まり返っていた。
「静か〜…というか何もいない。」
何かの足跡はあるけど何の足跡かはわからないし
「はぁーっ」
「というか獣や魔物サイズが居ればこの雪だし足跡とかでわかりそうなものだけどね」
「お?あれはウサギでは無いですか!可愛いですねー!」
ぴょん
「あぁ…逃げてった。」
「ていうか弓使いなのに見とれてて狩りするの忘れてた。」
可愛いくとも肉。備蓄がまだあるとはいえ新鮮で美味しい肉はいつでも大歓迎
「最近野菜ばっかりだからそろそろ美味しい肉食べたい」
「どこまで行こうかな。でも見回りって言ってるし一応林の奥まで行かないとダメだよね」
(何もいませんように…)
(ちらっ)
(…)
(なんかでっけーのがいる)
「何アレ大きくてぬらーって顔してる」
「でもぱっと見アリクイに似てるけど何もしなければ無害なんじゃ無いだろうか…
異様に大きいというか…この世界のネズミがあのサイズだからアリクイがあのサイズでもおかしくは無いんだろうけど…」
「でも日向ぼっこしてる感じだし別に放置でいいか。帰ろ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ということがあったんですよ!」
「ふむふむ、それは食蟻獣に違いない」
「やっぱそうなんですね。」
「温厚な方の獣で敵対行動さえ取らなければ割と優しい性格なんじゃよ」
「へー」
「でも怒らせると割と強いから触らぬ神に祟り無しじゃな」
「強いってどのくらい?」
「例のネズミの3〜5倍ぐらい」
「強すぎ(笑)」
「じゃから食蟻獣の周りに他の獣や魔物は居なかったじゃろ?
「そうですねアレ1匹だけでした」
「うむうむ、食蟻獣は蟻と昆虫類しか基本的に食べないからあのままあの林の周りに居ついてくれると助かるんじゃがのう…」
「日向ぼっこして、のぺーってしてたし可能性はあるかもしれませんね」
「虫型のモンスターなんかを倒した後その後処理をしてくれるから村々を回るテイマーは連れていることが多いの。」
「テイマーのペットだった可能性が?」
「何か首輪とか人工的につけられたようなものはつけとったか?」
「なにも」
「じゃあ野生の食蟻獣じゃな。」
「ふむふむ…アレ、ペットにできないですかね?」
「どうじゃろうなぁ…テイマーとしてしっかり管理できればじゃが・・・いくら優しいと言っても獣は獣…ご飯を用意したり怪我をすれば治療してあげたり必要じゃし…どちらかといえば防御の方が得意だったはずじゃから、ミキくんには向いてないかもしれんぞ」
「ふむ…」
「だれかテイマーから教えてもらえれば優しい性格の獣なんかは従えることができるかもしれんのう…」
「ネズミの5倍強いし優しい性格なら惜しい戦力だけど管理できないしなぁ…」
「さ、そろそろ寝なさい」
「はーい」
「おやすみ」
「おやすみなさい」




