拗ねる主人公
「おはようございます…」
「おはよう。」
「“いただきます”」
(…)
「今日も稽古するじゃろ…?」
「はい。」
つつがなく1日が終わり稽古の時間
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「それじゃあ今日は剣を持たずに左手の盾だけでわしの突き攻撃を受け流す練習じゃ。」
「はい。」
(う…うむ…まだきひずっておるのか…昨日の今日じゃしな…)
「初めはゆっくりやるから必ず“受け流し”を意識するんじゃ、受け流せば盾への、最終的には自分の体力消耗を大きく減らせるメリットがある。逆に完全に受け止めてしまうと盾も壊れてしまうかもしれないし受ける側が疲れ果ててしまう。今日は一日中受け流しを覚えてもらう」
「はい」
(…)
「ではゆっくり、いくぞ。」
……………
………
…
「今日の稽古はこれで終わり」
「ありがとうございました」
「聖水作っておいで。その間にご飯を作っておくから。」
「はーい」
「“いただきます”」
「今日はなかなかいい受け流しじゃったぞ!」
「ズズズッ…うん」
「稽古を始めるときも言ったが受け流しが基本。」
「相手の太刀筋がわかってくればそのうち盾なしでも避けて回避できるようになる。」
「そうなってくれば盾を持つ必要がないし短剣両手持ちなんてこともできるじゃろう。」
「ん」
「怒ってない?」
「怒ってる」
「大人気ない」
「う…うむ…」
「でもそろそろ許してあげないと講堂の女神様に怒られそう」
「そうか。許してくれるか。」
「うん。だってこうして美味しいご飯作ってくれるし。」
「何より先生が優しいことは私がよく知ってる。初めてこの世界に来て言葉がわからない穀潰しなのにいさせてくれたし感謝してます。」
「そうか…」
「でもあれは怖かったです。泣きました。ガチ泣きです」
「う…うぅむすまん…すまん…」
「次アレするときは事前に教えてください。」
「アレまたするのかい?」
「はい。アレはとても怖いですがとても有益な技だと思います。」
「うむ…。」
「なのでもうしばらく稽古で慣れてくるまではアレはやめてほしいです。」
「もちろん。やめる。ミキ君が良い時にまたすればいい。」
「うん」
「“ごちそうさまでした”」
「それじゃあおやすみなさい」
「あぁおやすみ」
バタン。
「はぁ〜許してもらえてよかった〜」
「あれから女神様にお祈りしたかいがあった。」
「今度何か女神様とミキ君にプレゼントでもしよう。」
「今日はぐっすり眠れそうじゃ…」