冬に錬金素材は…
今日は錬金術…
だけど…?
「冬は食べ物が貴重じゃ。」
「はい。」
「つまり気軽に錬金素材が使えないということじゃ。」
「ということは座学オンリーですか?」
「オンリーである。」
「ミキ君が獣や魔物と壮絶な死闘の末に勝利してそれを材料にするなら話は別じゃが…」
「無理です」
「そうだろう」
「そこで座学だけでは煮詰まってしまうので村に生えてる草を使ってなんらかの薬を作ってもらう。」
「はいこれ」
「なんですかこの本」
「冬の時期に取れる素材でできる薬じゃ」
「簡単な絵も入っておる優れもの!」
「それを見て作ることが当面の錬金術の授業じゃ」
「なになに…これって生えてるんですか?村では見たことない気がしますけど…?」
「わからん」
「…」
「じゃが…そういった珍しい薬を作って確かな効果になればそれを売って行商人から干し肉ぐらい買えるかもしれないぞ?」
くわっ…「やらせていただきます」キリリッ
「いってらっしゃーい」
「とは言ったものの…そもそも草生えてないし。村の外でも見てみるものの…枯れ草ばっか。」
帰って聖水作って布団に入ろう。
ガチャ
「おお戻ったか?どうじゃった?薬草の方は?」
「寝てました」
「ミキ君…ワシはどこで子育てを間違えたんじゃ…」
「ちょ!私もう大人ですよ!確かこの村15歳で成人でしたよね!?私とっくに大人なんですけどぉ!?」
「それと寝てたのは理由があって、そもそもこの本に載ってる素材生えてませんでしたよ」
「そうか…それなら仕方ないの」
「しかしそうなると冬に錬金術の実技はできないことになるのう」
コトッ、コトッ。
「“いただきます”」
「あったけーそしてうめー*´ω`*」
「ふぅむ…」
「ところでこの紐の照り焼きみたいなのはなんですか?」
「あぁ…それはへb…」「まっそれ以上は言わないで!」
「聞いて来たのにそれを遮るとは…失礼なやつじゃ」
「まずなんなのかは食べてから聞きます。」
「なんかゴム繊維でで中に背骨みたいなのがありますがうまいですね(もぐもぐ)」
「それは蛇じゃよ」
「やっぱり」
「でも美味しいと認識したのでこれからもつつがなく食べられそうです。」
「そうそう取れるもんでもないんじゃがの。害虫や小型の害獣を食べてくれるから小さいうちは特に食材にされることもないしの。」
「大きくなりすぎると駆除されるが毒もあるし相手するのも一苦労じゃから扱いが難しいからの〜」
「ふーん」
「以前戦ったネズミとネズミの胴体ほどある蛇とどちらが戦いたい?」
「やめてください死んでしまいます」
「どっちか片方が増えても困るし居なくなられても困るし大きくなりすぎても困る。」
「そこの管理がしっかりできないと村なんて滅ぼされることもあるぐらいじゃからの〜」
「うへぇ…」
「ていうか先生、想像しちゃうじゃないですか。食べてるんだからやめてくださいよ。」
「すまんすまん(笑)」