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異世界転移した私  作者: たぬたぬたぬき
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弓使いになるためのお勉強


次の日、いつもどおり朝から仕事をして子供達と勉強をして先生の講義…だと思ったら狩りの格好をしたソウさんが教会に来た。


朝先生が頼んでおいてくれたらしい。


今日の講義は(猟師)アーチャーになるための講義とのこと。



今日は教会の横で弓の練習。


まだ村長さんにお願いした弓ができないそうで

ソウさんが昔使ってた練習用のお古の弓を持って来て来てくれた


「今日から弓の講師として来ました。ソウです。って知ってるよね(照れ)」


「なかなかいいじゃないですか!ソウ先生!カッコいいです!」


「いやぁ…嬉しいなぁ」(照れ)

「はい。それじゃあ今日はアーチャーの装備。もとい俺が使ってる装備を軽く紹介します」

「いえーい頑張れー」


(照れ)「まず格好ですがレザーアーマーをつけます。金属製だと獲物に音で気付かれて逃げられてしまうので基本厚手の布か革製品を身に付けるのが一般的です。」


「女性の場合は胸に弦が当たって痛いらしいので男性に比べるとレザーアーマー類は大切になって来ます。」


「胸当てでもいいのですが狩人と言えども森に入れば他の獣から見ても獲物になってしまいます。狩る側のつもりがいつの間に狩られる側という話もあります。」


「背後からの奇襲に備える意味でも、なので安価な胸当てではなく少し高価ですが背中も守れるタイプのレザーアーマーがオススメです」


「なるほど〜」


「他にも生物の弱点であるネックガード、首用の防具もあります。弱点である首を守れる装備は大切ですが首の可動域が少なくなってしまうので、索敵を兼ねるアーチャーなどは後方担当だったりすることもあり、あまり積極的に身につけたりはしない傾向があるかな。」


「俺も持ってるけど村の討伐や格上の相手なんかをするときはつけたりもするけど、つける事にメリットとデメリットがつきまとうので賛否両論だね。」


「ふむ〜」


「狩人は動きやすいように上半身用のレザーアーマーと帽子をつけるだけの人が多いが他にも腕や足を守るための下半身用のレザーアーマーをつけたりもするかな。」


「前に君が戦った大型のネズミからの突進なんかを受けてもダメージ軽減やネックガードをつけてれば君もあの戦いで気絶やそこまで重傷を負うこともなかったかもしれないね(笑)」


「仕方なかったとは言え…耳の痛い話ですね…」



「狩人は臨機応変に対応することと隠密性も必要だからいくら革製品の装備品と言えども、あまりにもゴテゴテに装備して隠密性や柔軟性が失われるのを嫌う傾向がある。」


「装備にお金がかかりにくい割りに遠距離を狙えて女性でもできてメリットも多いけどいざとなって攻撃を受けた時は重症化しやすいのもまた事実。」


「どちらを選ぶかはその人次第だけど用途に合わせて持ってたりダンジョンがある前では装備品をレンタルしてくれるところもあるみたいだからそこを利用したりするね。」


「ソウ先生〜レンタルがあるならお金も安いだろうしかさばらないし修理もお店がしてくれるだろうしレンタルが一番いいのでは?」


「…汗くさいけどね…(笑)」


「うわぁ…最悪だ…(笑)」


「とまぁ、狩人としての主な装備品はそんな感じ。今説明したものがあれば一通り狩りができる。」


「おぉ〜!(期待の眼差し)」


「じゃあここからが一番大事な話。」


「うん?これで狩りできるならこれで終わりじゃ無いんですか?」


「これは、狩人だから弓を持つ、剣士だから剣を持つという話で、アーチャーや狩人に共通するけど一番大切なのは自分の身の安全なんだよ。」


「さっきも言ったけど攻撃をされると途端に弱い我々弓使いは基本的にヒットアンドアウェイで逃げながら狩りを行う事が多い。一人で狩りをする場合なんか特にだ。

だからここからは一人でも安全に狩りをするための道具を紹介する。」


「一つ目はこの携帯獣避け乾燥草3つ」

「二つ目は最終手段の近接用の短剣&盾と獲った獲物の解体・トドメ用のナイフ」

「少し高いけど地面に叩きつけると光が出る照明弾3個」

「救助要請用の狼煙1つ」

「携帯食料」

「火打ち石もしくは火魔法が使えれば必要ない」



「まぁ、俺の持ってるものならこんな感じかな?」


「意外と小道具が多いですね」


「でも大切なんだよ?獲物を無傷で取れればいいけど狩りに出かけるたびに怪我してたんじゃ商売上がったりだからね。いかに安全に、かつ怪我をせず、正確に獲物を取れるかでアーチャーや狩人の腕が決まると言っても過言では無いと思う」


「なるほど〜」


「ちなみに弓矢とレザーアーマーも他の職業に比べれば値段が安いと言えど買うとなったらそこそこお金かかるけど、それよりもこっちの小道具の方がそれらの数倍ほどお金がかかってる。」


「え?マジで…?」

「マジで。」


「でも命には代えられないからね」


「そうですね…命より高いものなんて無いですよね。」


「そういうこだ。」

「ちなみにこれ、照明弾三つで銀貨一枚する」


「!?」


「しかも湿気で使えなくなるため少し高いが普通の紙ではなく突然の小雨などに対応するために油紙に包んで持ち歩く必要がある、そして使わなくても半年程度で中の材料が湿気るらしく使えなくなる。」


「!?!?」


「高い…」


「そう、高いんだ…」うんうん


「だからこそ獲物を見つけたら一撃で仕留められるほどの命中力が必要になるんだよ」


「はー…アーチャーってもう少し気軽だと持ってたけど大変なんですね〜


「俺は狩人だからこの道具でいいけど職業としてのアーチャーはもう少し小道具が増えるみたいだぞ?」


「えぇ…」


「地上と違ってダンジョン内は命の危険と隣り合わせだからな。安全性を向上させるための小道具がいろいろ必要?らしい。」


「もっともダンジョン内で活動するアーチャーより地上の広いところで活動するアーチャーの方が多いけどね。実入りはダンジョンに比べて少ないけど討伐系の依頼などでは重宝されるし、なんだかんだで俺みたいに狩人に落ち着く奴もいる。」


「そもそも弓使いとしても腕がいいなら獲物さえいれば、わざわざ危険なダンジョンに行かなくても村や町程度の所で危険なく無難に生きていけるし、アーチャーという職種からするとダンジョンでの需要は低いしね。その割にリスク対策が大きく必要だから弓でダンジョンはロマン人間か初心者か…その辺しかいないからね。」


「自信さえあれば狭くても一人で浅いダンジョンなら行けてしまうし色々なんだけどね。」


「ま、何にしても命中率をあげない事には弓使いとしては生きていけないから、まずはあの的に向かって8割当たるようになるまではお嬢ちゃんの相手は的のままだね」


「8割ってきつくないですか?もう少し安くしてくださいよ〜(嘘泣き)」


「泣き落とししてもダメなもんはダメ。弓使いは命中率こそ命!ほかのパーティーメンバーに迷惑をかけないのはもちろん、外した後に反撃されるリスク、回収不可の矢の代金、余計なリスクを背負わないための命中率でもあるんだから、そこを気安く許すことはお嬢ちゃんの命に関わる。だから8割を満たない命中率で村の外に弓を持たせて出す事はできない。」


「ご尤もです…先生。」


「村の中ではせいぜい30mの的が限界だけど

いざ狩りをするときはよほど運が良く無い限り概ねこの距離で仕留める事が理想だけど、場合によっては50mや100m離れた状態でも当てなければいけない状況もある。

この距離で8割を維持できないようならさらに距離のある時や遠距離狙撃の討伐依頼なんかはこなせないから真剣に練習したまえ。」


「はーい」


「じゃあまず構え方から…」








〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「たはーっ…疲れた〜」



「お疲れ様。と言いたいところだけど今日の分の聖水まだじゃろ?」

「ささっぐいっと一杯。」



「いや…飲む方じゃなくて魔力を流す方なんですが…」


「弓は体力を使うが魔力はさほど使わない。つまり聖杯の訓練はできるのじゃ」


「それはそうですけど…」


「それにミキ君は魔力を込めるとき全身に力を入れておるが、魔力操作では筋力は必要ない。」


「故に今の状態はとても理想的な勉強状態といえよう。」


「先生、魔“力”を込める“筋”力がありません」


「大丈夫“筋“力は必要ないと言っておるじゃろう?」


「その状態で聖水が湧くようになるまで晩御飯は作らないでおいてあげよう」


「エッ…無理無理。食わないと元気で無いですよ!」


「魔力操作には…」「あーはいはい!やればいいんでしょうやれば!」


「あー全然湧かない〜ていうか体に力が入らない。」


「魔力操作は力では無いか〜」


体内に流れる魔力を聖杯に注ぐイメージ…


注ぐイメージ…


注いでも…聖水が出ない…



「無理くね…」

「でも出来ないと晩御飯なしとか言われたし」

「だいたいなんで今日に限ってできるまで晩御飯抜きなんですか。」


「魔力を通しにくい聖杯にされて全然湧かないのに…」


「体にある魔力を…全て手に集めて凝縮して…凝縮して…限界まで凝縮して…臨界点で一気に聖杯に流す!!!う…ぅ…ぅぅぅ…」スピー




〜〜〜〜〜


「どれどれ?うーんほうほう。昨日と同じぐらいちゃんと聖水ができておるじゃないか…よく頑張りました。」ヨシヨシ


「それじゃあ聖水を撒いてご飯を作ってあげようかね。」





むくり。

「…寝てた。…」

「聖杯がない。アレ?床にも落ちてない。」

ガチャ

「先生〜聖杯知らない?〜…アレなんでなんでご飯作ってるの?」


「おお目が覚めたかおはよう。聖杯に無事に聖水ができておったぞ。」


「え!?マジ?さすが私やな…」


「でも雫程度しか無かったからおまけでギリギリ合格にしてあげたんじゃわい」


「え…そうなのか。まーでも今日は疲れたし早くめーし!めーし!」


「ミキ君にはもう少しお淑やかさを身につけさせるべきかもしれんのう…」


「ふふん♩今日のご飯はなんだろうな〜」



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