凡人が異世界転移しておおよそ主人公らしく無い生活の物語
こんにちは私です
突然ですがたぶん異世界転移しました。
なんの能力もなく特技もなく神さまに会うこともなく異世界転移しました
ここはどこでしょう?
見渡す限り何もない
街道のようなところにぺたん座りしておもむろに体育座りをする
周りは小山がちらほらあって、なんの変化もないぐらい街道が伸びてる
とりあえず私が住んでた日本ではないことは確かです。
目の前に映るバスケットボール大のテントウムシがのそのそ歩いてます
つぶらな瞳でこちらを見た
「かわいい…」
その後美味しそうな草を探して爆音を響かせて飛んでいきました。
「ごめん嘘ついた。あそこまで大きいと可愛いとも思えない」
そんなてんとう虫さんの背中を見つめながら…
とりあえず歩こう。
よく考えたら近くに川もないし食べ物も寝るところもない
せめて雨風しのげる何かが欲しい。
そう思って歩き出す。
それにしても・・・のどかだ。
人口の多い都市に住んで、空気が汚い環境に嫌気がさしてたからすごく心地いい
道中に拾った手頃な枝を持ってブンブンしながら歩いた
やがて道らしきものと、遠くに村のようなものが見えてきてそれを目指してひたすら歩く
この世界に来て、おそらくお昼頃に目覚めて、村の前に着く頃には良い感じの夕方。
村に門番的な人はいない。ということは冒険ものによくある辛辣な入門税なるものはこの村になさそう。
とりあえず村に入る。
「入り口に入ったばかりだけど反対側に出口が見える…意外と狭い…」
村を散策してわかったのは商店、小さな宿、教会、井戸、村の周りには小山や林などがある。
裕福ではないけど普通に生きていけそう。
そして案の定…。
言葉が通じない…。
絶望的すぎた。相手が何言ってるかわからない…
とりあえず歩いて疲れたし、井戸を使わせてもらう
「疲れた体とカラカラの喉に冷たい井戸水…最高です。」
ポジティブに考えて、ここからが私の異世界生活だ!と気持ちを切り替えて見るもの…
「お腹すいた。」
元いた世界でもそれなりに貧乏だったからそういえば今日は朝飯すら食べてない
「今日何も食べてないじゃん。」
村唯一の商店に行けば何かありそうだけどこの世界のお金を持ってない
安心してください。元の世界でも大してお金持ってなかったです。
ここで私の前に選択肢。
→教会の炊き出し的なものを狙う
→そんなことできるか!と村の外の林でも探索する
折角異世界に来たんだし探索だ!
寝る場所は教会の裏側でも借りよう
当てがあるわけでもないのでトボトボ歩きながら思う
水は確保されてる。寝る場所も(勝手に)教会がある
「あとは食べ物か」
逆を言えば食べ物さえどうにかできれば長期的なメドは立つ
村の子供たちの視線が微妙に痛い。
でも食べ物が大事だ!
私の人生はビギナーズラックなるものは存在しない
何らかの棚からぼた餅を期待しない方がいい
入り口で捨てた手頃な枝
しかし指ぐらいの太さしかない棒を手に取り、いざ!林の中へ!
〜夕暮れに差し掛かる時間〜
暗くなる前にりんごサイズの何かでも見つかれば最高だな…
「…」
「何もなくね?」
「いやいや、何もないんだけど?現代っ子育ちの私では見つからぬのか!?私の目は節穴だった系か?林って言ったけど、どちらかといえばヤブ?」
見えるものは木の茶色と足元に広がる雑草の緑色」
そうこうして夕暮れ2時間ほど探したけど何も見つからなかった。
村に戻る前に林の中でトイレを済ませておく。
暗くなっちゃったけど教会に戻って裏側の軒下を借りよう
昔から夜目は聞く方だったのが唯一の救い。
もう村には誰も出ていない。窓から明かりが見えるけど私には関係ない
寝る前に水飲むと夜中トイレ行かなきゃ行けないからおとなしく寝る。
「ひも爺」
「なんでもないです。おやすみなさい」
こうして、異世界転移…私の冒険が始まった。
宿がある設定に変更しました。