第7話 ハーフエルフ『エリアーナ』
「それで、お前は何者なんだ?」
冒険者ギルドに来た騎士に、男等3名は連れて行かれた。
俺は、無罪放免とのことだ。
名前を告げると何故か頭を下げられた。
もしかして、いや、もしかしなくても、俺がこの街の領主の娘さんであるサーファさんを助けたことが知れ渡っているのだろうな。
そして、今俺はギルドマスターの部屋に来ている。
女の子と副ギルドマスターも一緒だ。
「あー、普通の冒険者ランクFの旅人です。今回は、冒険者ギルドへの依頼とモンスターの換金をしにきました」
「おい、冗談はよせ。お前がFランクなわけないだろ。あの、俺と似た拳の使い方に氷魔法が使えてそんな低ランクなわけがない」
「ホントにFランクですよ?」
俺は、冒険者ギルドカードをギルマスに見せる。
「まじかよ。お前、エルフと熊獣人のハーフとかじゃねぇよな?」
友達情報だと確か、エルフは、緑色の髪で長い耳があり弓や精霊魔法を得意とするんだったかな?
ダークエルフという存在もいて、エルフは貧乳でダークエルフは巨乳というのも言ってたな。エルフは、直耳でダークエルフは垂れ耳とも話していた気がする。
そして、長寿であることが多く200年は生きるとか。
成人が50歳〜だとか聞いたことがある。
基本的に森のなかに集落があり閉鎖的なことが多く、見た目も美しいエルフは奴隷狩りに合うこともあるとかないとか。
奴隷とは、奴隷商店で購入できるものを言う。
奴隷は、正規な方法で店は入手しなければならないのだが、悪徳奴隷商なんかは、無理矢理捕まえ(奴隷狩り)奴隷として売るとか聞いたことがある。。
「人と人の子供ですよ」
「と言っているがどうなんだ?」
ギルマスが隣にいる副ギルマスに聞く。
「エルフの特徴的な長い耳も、熊獣人の大きくふさふさの耳でもないようですし、普通の人間でしょうね」
副ギルマスはそう答える。
パステルグリーンのようにきれいな長い髪、おっぱいはちっぱいのようだ。
貧乳。Aカップと表示されていた。
今、現在、この副ギルマスに切り替えて、今までの知識を読み取っているのだが、この女性は人とエルフのハーフのようだ。
いわゆるハーフエルフと言うものらしい。
風魔法の上位属性である嵐魔法を覚えているようだ。
風の大精霊の加護があった。
そして、ギルマスと副ギルマス、サーナさん、ファルトさんは、昔冒険者をしていたようで、同じパーティーだったようだ。
冒険者ランクは、Fから始まりEDCBASとランクが上がるようなのだが、Aランクまで上り詰めているようだ。
Aランクの証ドラゴンスレイヤーが称号にある。
「お前、ステータス画面に表示されてある内容を教えろ」
「ギルマス、それは、非常識ですよ」
副ギルマスが止めてくれた。
そう、本来、ステータス画面に書かれている、5種の能力値、所持スキル・魔法・加護・称号について聞くのは非常識なこととされているらしい。
女性に、君何カップ?ということくらい非常識なこととされている。
副ギルマスの知識から必要な部分だけ検索してからわかった。
「あー、それで、依頼を出すという件なんですけど、掲示板の貼り紙についてです。自分の持つアパートンの門番的なのを依頼しようかなーと思ってきました」
「分かりました。どのような条件に致しましょうか」
副ギルマスハーフエルフのエリアーナさんが聞いてきた。
「あの、指名依頼出したいのですが大丈夫ですか?気になった人がいて」
「はい。それは大丈夫ですが。因みに誰でしょうか?」
「あの、足を引きずって歩いていた人です。白髪で紳士的な感じがしました」
「あー、シェルトさんですね。確かにあの人は紳士な対応をしてくれます」
「なんで、シェルトが良いんだ?お前が希望するのは門番なんだろ?」
ギルマスが話に入ってきた。
確かに不思議に感じると思う。
足が不自由なのに、指名するなんて。
「それはですね。この子が蹴飛ばされたときに、助けようと動いたのが、シェルトさんだったからです」
それに、周辺察知スキル、害意察知スキルに剣術も高レベルだからと付け加えたいがグッと我慢した。
知っていたら不自然だからだ。
「お前、よく周りを見ているな。確かにあのとき、シェルトは動いた。だが、助けようとしたかまではあの動きでは分からないぞ」
至極当然のことを聞いてきた。
確かに、シェルトさんは動いたが助けようと思って動いたのかどうかは他の人には分からないと思う。
「目ですかね。目の表情が変わりました。怒っているような目をしたんですよ。そして、悲しそうな目で女の子を見ました。助けに行きたいが、助けれるかどうかの迷いもあったと思います」
素直に俺の感じたことを伝える。
「お前、人の気持ちの変化についてもあの短時間で読み取れるなんてな。合ってるかは分かんねぇが、すげぇやつだ」
『ドドッドトッタンタン』
すごい足音がする。
勢いよく階段を駆け上がってくる音だ。
そんなに急ぎの用事なのだろうか?
「ギルドマスター。ご報告です。モンジェネが、発生しました。東西南北全ての門からゴブリンやオークの大群が向かってきております。領主様から、討伐依頼の要請です」
モンジェネとは何かな?
エリアーナさんから知識を読み取る。
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