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ステータス切り替えとパーセンテージ  作者: りんご!みかん!
マジックアイテム
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第17話 模擬戦の行方は!?




「それで、何であいつが犯罪者だと分かったんだ?指名手配書の顔を覚えていたのか?」


 この異世界には、ファンタジー小説でよく見かける鑑定(相手のステータスを読み取れるスキル)や隠蔽(鑑定から逃れるスキル)などのスキルや魔法は存在していないことは、様々な者をモデルチェンジして知識を読み取り確認済みだ。

 マジックアイテムとしても存在していない。


「まぁ、そんなところです。それにしても、ふたりから攻撃を受けるのは流石に辛いのですが」


 ファルトさんとサーナさんふたりを相手にしてファルトさんの屋敷の庭で模擬戦をしている俺。

 もちろん、刃のついた剣などではなく木剣をファルトさんは使ってくれているし、サーナさんは当たってもヒンヤリするくらいの尖っていないアイスランスで攻撃してくれているわけだが、これは何とも避けるのが難しい。

 なかなか攻撃に踏み切れない。

 避けてばかりになってしまっている。


「アユム、そうは言っても全て避けきっているではないか」


「そうです。アユムさん、私達元Aランク冒険者ですよ?少し屈辱です」


 周りで観戦している騎士達や、メイドさんや執事そしてサーファさんも目の当たりにしてびっくりしている。


「でも、攻撃には、踏み切れていないんですよ?」


 模擬戦をしようと商業ギルドにてファルトさんに言われてから、ファルトさんとサーナさんの知識をモデルチェンジして読み取った。


 そこには、攻撃の前の構え方や、個人個人の癖などについても表示されていた。

 そのため、避けることはなんとかできている。


 ステップを踏みながら避ける、空中に逃げて、着地地点に攻撃されそうになったら、エリアーナさんの嵐魔法で風を切りなんとか防ぐ。


「聞き忘れていたんですけど、どうしたら決着がつくんですか?」


 勝敗の決めテについて聞いていなかった。


「それは、どちらかが参ったといったときだな」


「分かりました……では、ファルトさん、俺の目を見てくれませんか?」


「んっ?どうした?」


 疑いもせず、俺の目を見てくれようとする。


「あなた、目を見てはいけないわ」


 サーナさんが見ないように言うが……

 間に合うかな?笑


「まさか、アユム」


「遅かったようですね」


 なんか、俺悪人みたいだ。


 オークジャックにモデルチェンジ、魅了。


 目が合っている間、相手を魅了する。

 これで、参ったと言わせれば完璧だ。


「お父さん」


 完全に魅了される前にサーファさんが、俺とファルトさんの間に割って入ってきた。


 

 

 目をトロンとしたサーファさんが、俺のことを見てくる。


「アユムさまー。ねぇ、わたしのことすきー?私はだいだいだいすきよー」


 俺に抱きついて来そうになるサーファさん。


「やばいっ」


 後ろにジャンプして逃げる。


「待ってー、アユムさまー」


 追いかけてくる、サーファさん。


 魅了って言うこと聞いてくれるわけじゃないのかな?



 




☆☆☆☆☆


「コホン、アユム。魅了は今後一切使用を禁止する」


「あれは、危ないわ。人間で持っている人なんて初めて見たわ」


 ファルトさんには注意され、サーナさんには驚かれる。


「いやー、勝てると思ったんですけどね。負けちゃいました」


 サーナさんに意識を向けている間に、後ろに回り込まれたファルトさんにあっさりと1本取られてしまった。


「勝ち負けじゃなくてだな。あー、まぁ、いいや。それよりも、大事な話がある」


 真剣な顔をする。

 ファルトさん。

 モデルチェンジして今思っていることを読み取ったのだが、話を聞く前に逃げ出したい。


「あっ、自分、用事思い出しちゃいました。雇用した人達の部屋の振り分けとかしないと」


「逃しませんよ?」


 にっこり笑顔のサーナさんに腕を掴まれ止められる。

 絶対に逃しませんよ?といったふうな感じだ。

 ご丁寧にも、部屋の扉は氷漬けにされている。



「サーファのことなんだがな。魅了にかかる前からアユムに魅了されておったようなんだ。本来、魅了というスキルは、使用する者を魅力的だと感じない限り効果は薄いと言われている。だから、モンスターが所持していたところで人間は魅了されにくい。だが、魔族である、サキュパスなんかの魅了スキルは、あれはやばいぞ。私も、昔、魅了させられたことがあったが、あれは、たまらなかった。エロい。とにかくえ#^%$@%&$#」


 サーナさんに足を強く踏まれるファルトさん。

 


「話は、れたが、サーファとお付き合いからでも良いからお願いできないだろうか?」


「私からも、お願いするわ。あの子、初恋の相手がアユムさんみたいで、どう動いたら良いのかわからないみたいなの。昨日なんて、いきなり夜中に既成事実(この会話での恋愛面の既成事実とは、性行為をすることという解釈でお願いします)を作りに行こうとしていたのを必死に止めることになったのよ」


 恐ろしい、恋愛未経験女子。

 本来の既成事実の意味は、すでに起こってしまっていて、承認すべき事柄である。

 恋愛面の既成事実という言葉は性行為以外にも、二人っきりで出かけて誰かに目撃されるや手をつないでいるところを見られる、旅行にふたりで出かける程度でも既成事実として少なからず言えると思う。


「分かりました」


「そうか、良いか。」


「良かったわー」


「いえ、お付き合いは出来兼ねます。

俺は誰とも付き合いません。

結婚しません。

裏切られたくないですから。

誰かと深く恋愛面で関わることはしたくないのです。

裏切られたとき自分ひとりで立ち直る自信がありません

こんなことを考える俺なんかより他に良い人はたくさんいると思いますよ?

俺では、お嬢さんを幸せにできないと思います。

結婚して家族になっても、奥さんはいつまでも血のつながりのない他人です。

我が子が産まれればその子は自身の血族であると言えますが、こんな父親の下に産まれてくる我が子は可哀想だと思います

俺は、良い父親になれる自信がないです。

サーファさんは、魅力的な女性だと思います。

彼女なら、俺なんかよりもっと良い人が現れるはずです。

恋は盲目とも言いますよね?サーファさんは今常識や理性を失っている状況だと思います。

今、俺にサーファさんとのお付き合いを勧めるのは早計そうけいだと思います。

すみません、偉そうなことを言ってしまって」






 


 






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