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1.社会人と吸血っ娘のはじまる前
社会人になって10年。
まあ色々あった。社会人だし。
そのお陰か仕事には慣れた。
結局のところ仕事は内容が違っても、やることは同じだ。
状況を聞いて、
経緯を遡って、
目的を調べて、
登場人物を確認して、
工程を見繕って、
作業を洗い出して、
計画の線を引く。
あとはそれに乗っかるだけだ。
軌道修正はもちろん必要だし、たまに途中下車も事故もあるけど。
それだって慣れだと思う。
そういうことが起きてしまう。
そのリスクを踏まえるだけだろう。
だから、まあ。
きっとこのまま人生はつつがなく進み、差し支えなく進み、
仕事と同じようにどこかで終着するのかなと感じていた。
そんな28歳の夜。独り身には肌寒さが厳しい冬の夜。
仕事帰りにハンバーガー屋で買ったジャンクフードと鞄を持ったまま。
------お腹を空かせた、人の血が大好物なとても綺麗な少女に出会った。