表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
りすりり  作者: 菊助
9/10

二人が吸血鬼になっていろいろ

あるくだらない1日の始まり、窓から差し込む陽の光にぱちりと目を醒まして、ふと自分を振り返る。

あの日突然吸血鬼になったわけだけど、そんなに変わらない生活を送っているつもり。

変わったのは時間の流れが物凄く早く感じるのと、喉が乾くってことくらい。

ヒュウ、喉から乾いた音がする。

この変化だけはちょっと困る、いくら喉が乾いてたって知らない人間の血を啜るのは気が引けるから。

がり、と指を噛みきって自分の血を啜る。

満たされないけど、気休め程度には潤う。

あーあ、なんて溜息を吐いて1日の始まりを飲み込んだ。




身支度をして、愛する彼に会いに行く。

彼は俺と違ってそこらの女の血を飲んで、もうすっかり"吸血鬼"。


「りーりーりーちゃん!」


勢いよく彼の部屋のドアを開けるとまだぐっすりと眠っていて、目を覚ます気配はない。

寝顔を見てやろう、なんて軽い気持ちで近寄ったら血の匂いがした。

知らない匂い。

昨日にでも吸った相手のだろう。

そう思うとなんだか、嫌な気持ちがして思わずキスをした。

唇を舌で舐める。

ちょっぴり知らない味がして、やっぱり嫌な気持ち。


「りりりちゃんのばーか」


なんて理不尽な文句を呟いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ