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「あのねぇー、りりりちゃん」
いつもみたくくだらない会話。
くだらなくてもいいから、内容なんてどうでもいいから、ただ話してるだけで楽しい。
何度目かの話題転換のときにふわり、と煙の匂いがした。
新しい煙草に火をつけたらしい、彼は1度煙を吸って吐いて、それから言った
「なに?リス君」
なにを言おうとしてたか忘れてしまった。
まあくだらないことだしどうでもいいのだけど。
ぐい、と彼の腕を引っ張る。
察しのいい彼はすぐ気がついた、でも、遅かった。
重なった唇から漏れる吐息は煙草の味。
れ、と舌をだしてその唇を舐める。
「ん、ふふっ...」
彼の味を堪能しきって唇を離す。
動揺してるらしい彼は何か言いたげ、唇が動いて言葉を紡ぐ、より前に
「キス、しよう?」
なんていたずらっぽく笑ってやったら、
「言うのがおせえよ...」
睨んでるけど迫力ないよ?可愛いなぁ。
やっぱり今日も幸せな一日だ。