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【第二回・文章×絵企画】おそれて(訳詩風)

作者: インジュン

鍋弓わた様の作品で詩を書きました。鍋弓わたさんのURLは↓コチラ。http://6789.mitemin.net/指定ジャンルなし、必須要素なし。

挿絵(By みてみん)


そこに安寧はありますか

女王よ

バビロンの大淫婦よ

いちまつの迷いで

わたしにふれる者よ


(おお、神よ)

(全知全能であるならば)


苦痛をくるしみと

悦楽をよろこびと

しってしまったから

もぐのですか

この白いつばさを


(なぜ妾に与え給うか)

(かような苦しみを)


奪えば与えられると

与えれば奪われると

夜とあけぼのにおびえ

財宝に囲まれようと

男を囲って火照っても


(蒼穹の御手元で微睡み)

(刹那に微笑みつづけ)


黄昏に時が鎌をふるって

古の神は(きた)るでしょう

黒き羽衣をまとって

ゆらりゆらりと

音さえもたてないまま


(毛布とゆりかごと乳房と)

(ただそれだけでしあわせで)


たとえあなたが

きらびやかな塔の門をふうじ

人知れず血肉や酒精に酔えども

すべての守り人と男娼を

やがて土へと還すでしょう


(なにも知らぬままでいられたら)

(蒙昧なる幼子でいられつづけたものを)


ねむりをおそれ

くらさをおそれ

次はなにを求めますか

羽織った面紗(ヴェール)はうすく

心もとないでしょう ?


(神よ、神よ)

(おお誉れ高き者よ!)


いつか時はあなたの柔肌にしわを刻みおえ

黄金の輝きはくすんでみえるでしょう

獣のような欲望はらんらんと瞳に宿れども

もはやわたしを貶とすほどの力は

もう、どこにも、ないでしょう


(かような渇きを)

(なぜ妾に与え給うか!)


黄ばんだ絹の寝床に舞いおりて

この翼を黒く染め、黒く染め

耄碌とした耳にささやきましょう

たとえ拒もうとしても、

膨れたその身では逃げられません


(一思いに奪って頂けたらば)

(どれだけ安寧なることか!)


おびえ、おびえ、おびえて

なにも得ることなく

なんどきも安らぐことなく

ただあてどない欲を顧みることもなく

朽ちていくことの、なんと愚かなことか


(なぜかようなココロを)

(我々に与え給うか!)

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