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フィーカスのショートショートストーリー

集中力を上げたい!

作者: フィーカス

 夏休みの宿題をしていたナコは、どうも集中力がないようだ。

 昼間は暑いからと夜に始めたのだが、どうにも落ち着きがない。近くにパソコンやゲーム機といったものが、小学生のナコを惑わしてくる。

 最初の数分は机に向かって手を動かすが、しばらくすると手元にあるスマートフォンをいじりたくなる。それが禁止されると、居眠りを始めるのだ。

 一時間おきに母親が見に来るのだが、足音が聞こえて慌てて手を動かしているため、ナコの宿題は一向に進まない。

 母親はどうしたものかと考え、インターネットやテレビでいろんな情報を集めた。そして、一つの食べ物が、集中力を上げるのに効果的だということを知った。


 ある日、いつものようにナコが宿題に飽きてだらけていると、後ろからノックの音がした。すぐさま勉強をするふりをすると、母親が部屋に入ってきた。

「ナコ、今日はいいものを持ってきたわよ。これを食べれば、集中力が上がるそうよ」

 そう言って、母親は袋菓子を一袋まるごと、ナコに手渡した。

「何これ。アーモンドチョコ?」

「ええ。チョコレートには集中力を上げる効果があるらしいわよ。アーモンドも、体にはいいし、あんた好きでしょ?」

「え、まあ、そうだけど……」

「それを食べて、集中力を高めてしっかり勉強してね」

 そう言うと、母親はそっと部屋から立ち去った。


 約一時間後、母親はナコの様子が気になり、夜食を持って行くついでに様子を見ることにした。

 母親がノックをして部屋に入ると、ナコは机に向かって勉強をしている。しかし、これは見慣れた光景で、勉強のふりかもしれない。

「ナコ、宿題は進んだ?」

 そう言って母親は部屋の真ん中にあるテーブルに夜食を置くと、ナコがやっている宿題のノートをみた。

「あら、ナコ、全然宿題進んでないじゃない。チョコレート、効果なかったのかしら」

 母親はがっかりしてはぁ、とため息をつく。すると、ナコは「そんなことないよ」と首を振った。

「でも、ほとんど進んでないじゃない。もしかして、別の宿題をやってたのかしら?」

「ううん。でも、集中力は上がったよ。だって」

 ナコはゴミ箱に目を移す。


「私、思わずアーモンドチョコを食べるのに集中しちゃったもん」

 ゴミ箱には、アーモンドチョコの個装袋が大量に入っていた。

 さっき実際自分が陥った状況について書いてみました。オチはありがちなんですけどね。


 ちなみにチョコレートに集中力を上げる効果がある、というのはツイッターかどこかで見た情報です(

 あと、アーモンドは体にいいそうです。ただ、ナッツなので脂肪分高めです。食べすぎにはご注意を。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今の子供達は身の回りに誘惑がたくさんあるので勉強に集中するのは大変ですね!
[良い点] 1つ オチが面白い  これぞコメディー、というようなオチに吹き出しそうになりました。 2つ 主人公像がかわいい  お母さんに渡されたものを、純粋に受けとっていて、セリフの一つ一つがかわいさ…
2017/05/08 18:37 退会済み
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